業苦 忌まわ昔(弐) (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 24
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041096956

作品紹介・あらすじ

志を立て腹に宿った釈迦如来。親子の情が通じない無常なあの世。色男を焦がれ死にさせた冷酷な美女。妻に追い立てられて老いた姨母を山に捨てた夫――。これは昔か現代か。それは夢か現か幻か。過去を語ることで浮き上がる、忘れていた忌まわしい今……。「今昔物語」の著名な説話をもとに、鋭敏な感性と観察眼で現代に起こった凄惨な事件を解釈した、他に類を見ない怪異譚。人間の本質を巧みにあぶりだす人気シリーズ第二弾!

感想・レビュー・書評

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  • 今昔物語 現代バージョン、の一冊。

    第一話からまとわりつくような陰鬱さ…ラストまでたっぷり絡めとられた感でいっぱい。

    どの話も冒頭にサラッと今昔物語が紹介されているのだけれど、志麻子さんによってワイドショーなみの現代バージョンに置き換え 描かれると、一気に濃厚に人間の心の闇、狂気が浮き彫りになっていく物語に。

    どこかあちらの世界に行ってしまっているような狂気もあれば、ごく普通に人が心に持ち得る狂気もあり…。

    姥捨山は印象に残るな。最後の言葉、これはビシっと決まった。
    そしてドキっとやられた。

  • 現実に起こったセンセーショナルな事件が題材となって、今昔物語と融合した短編集。
    あの事件だなとすぐピンとくるものもあれば、どの事件だろう?と思い巡らすものもある。未解決の事件が題材の話は、事件の真相はこうだったのかとうっかり信じかけるほど業にまみれた人間関係が現実味を帯びて生々しい。
    今は昔、昔も今も事件の元になる男と女、女と女の縺れた感情は不変。

  • 現代版今昔物語集。ひっそりじっとりとした情念の重苦しさとひそかな恐怖を感じさせられる物語の数々。これらは現実にはなさそうで、しかしもしかしたらあるのかもしれない、と思わされるような印象です。読めば読むほど闇に呑み込まれそう。
    お気に入りは「源頼信阿臣の男頼義、馬盗人を射殺せる話」。いったい何が起こったのか、なぜそんなことが起こってしまったのかが一切わからない気持ち悪さが格段な一作でした。不気味この上ない「姉」だけど、むしろ何事もなければ平凡というか、強いキャラクター性があるわけじゃなく。なのになんなのこの奇妙な物語。ラストも結局何がどうなったのか一切謎なんですよねえ……。

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著者プロフィール

1964年、岡山県生まれ。99年に「ぼっけえ、きょうてえ」で日本ホラー小説大賞を受賞。また、同作を収録した短編集により山本周五郎賞も射止める。他に『岡山女』『魔羅節』『チャイ・コイ』(婦人公論文芸賞)、『自由恋愛』(島清恋愛文学賞)など著書多数。

「2021年 『でえれえ、やっちもねえ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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