テスカトリポカ

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 8363
感想 : 759
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  • Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041096987

作品紹介・あらすじ

メキシコのカルテルに君臨した麻薬密売人のバルミロ・カサソラは、対立組織との抗争の果てにメキシコから逃走し、潜伏先のジャカルタで日本人の臓器ブローカーと出会った。二人は新たな臓器ビジネスを実現させるため日本へと向かう。川崎に生まれ育った天涯孤独の少年・土方コシモはバルミロと出会い、その才能を見出され、知らぬ間に彼らの犯罪に巻きこまれていく――。海を越えて交錯する運命の背後に、滅亡した王国〈アステカ〉の恐るべき神の影がちらつく。人間は暴力から逃れられるのか。心臓密売人の恐怖がやってくる。誰も見たことのない、圧倒的な悪夢と祝祭が、幕を開ける。

感想・レビュー・書評

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  • 鬼怖★5 麻薬カルテルと非道ビジネス 世界の何処かでありそうなクライムミステリー #テスカトリポカ

    ★5 鬼面白い!
    世界観、人物描写、プロット、社会性、起承転結の物語性など、なにをとってもバッチシ! そしてあくまでフィクションにも関わらず、全然ありうるリアル感が痺れる。正直、この本は若いうちに読んだほうがいいですね。読み手の人生を変えうる作品です!

    メキシコの麻薬カルテルは、私が知ったのは近年でしたが、今では結構有名になってきましたね。マフィアも警察も自衛団も、いったい誰が正義なのかさっぱり分からない状況だそうです。
    今も現実にある全世界にはびこる大問題、金と欲に見舞われる惨劇を知ることができる社会派小説です。

    本作は一番の推しどころは、なんといっても登場人物の非道ぶり。
    出てくる登場人物の全員が、完全にネジが外れてるのよ。人道も人情もなにもない。

    そして悪者たちの「理屈」が恐ろしい。

    人間はもともとまとまりがない群れである。
    一人が争いごとを起こすと、暴力は伝染していく。そして、大きな群れ同士の争いになっていく。だから群れの結束は固くないといけないし、群れの中で殺し合うのはいけないのだ…

    アフィアも恐ろしいけど、国家の争いも同じじゃねーか。

    また物語全体からにじみ出る、禍々しい世界観が最高なのよ。
    古の宗教、おどろおどろしい儀式、妄信する信狂者、唯一無二の神、神と人間の関係性…

    こわっ!!! 怖いわ!

    教育が社会にもたらす効果、因果の恐ろしさが身に染みました。

    そして終盤の展開が強烈。
    これまでの非道極まりない所業が、一気に清算されていくんです。ずっと恐ろしい悪人目線で読まされている読者に対して、急に人の暖かみが襲ってくる。

    まるで悪夢から目が覚めたような、不安から解消される心地… 生きててよかった。

    本作、直木賞受賞も納得の一冊です。
    ぜひ多くの人に読んでもらいたい作品でした。

    ■推しポイント
    登場人物全員が素晴らしいのですが、特に推したいのは矢鈴の人間性。

    ・自尊心はがないが、まだまだ力を発揮できていないと根拠のない自信はある
    ・人には厳しい正義を押し付けるが、自身には甘く責任は取ろうとしない
    ・自分の正当性や権利は主張する
    ・人のために尽くすと言いながらも、自分自身は傷つける

    今、本を読んでいるお前はどうなんだ?! と鋭いナイフを突きつけてきます。

    そして彼女する最後の決意ですが、これは是非皆さんに読んでいただきたい。
    素晴らしい作品をありがとうございました。

  • 佐藤究さん著「テスカトリポカ」自分にとって初読みの作家さん。
    直木賞と山本周五郎賞のW受賞作品。

    濃厚で重厚な作品だった。
    そして読み進めにくかったが凄く面白い作品だった。

    メキシコのアステカとコンキスタドール(征服者)との関係等の史学的な要素を軸に「血と信仰」の赤さと深さと濃さが伝わってくる。
    スペイン語やアステカの言語のナワトル語も入り交じりそこに深い信仰心や民族性が感じられ、良い意味で格好良い作品だと感じた。

    物語は麻薬、臓器売買、人身売買、殺人等、圧倒的なバイオレンスなのだがそこにはアステカの血の掟と信仰が絡んでいる為受け入れながら読み進められた。不謹慎だろうが面白いし勉強になる。
    現代社会ではあり得ないし、不穏で危ない宗教組織団体になってしまう。
    生身の人間の生け贄を捧げる事がアステカ民族の誇り高き美学、観点をずらせば闇深さを伴う儀式であり、その儀式自体が光と影を含んでいる。肯定と否定とも考えられる。
    その光と影を上手く物語にのせて、様々な登場人物に人としての表の顔と裏の顔を投影している。その両極面の顔が重なった時その人の末路が見えていく。「裏切り」「後悔」「甘え」そして行きつく先にあるのは「死」。
    それらを「テスカポリトカ」煙を吐き出す鏡に隠喩させている。人間の持つ光と影の表と裏の部分が重なる時の隠喩。
    大元の光と影を信仰の対象である太陽と月に準え、それが交差し重なる黒い鏡「テスカトリポカ」の隠喩対象にしているとは格好よすぎる。そして素晴らしい。

    そして最後が謎なのだがコシモの片割れの男が気になる。誰だ?
    パブロだろうか?色んな解釈ができそうでそれによっては色んなアフターストーリーを考えられるのだが、自分はコシモとパブロの二人で新たな時代に突入したと読み取りたい。そして新たな52年周期の始まりであってほしい。
    最後もバルミロの祖母の回想の語りで物語は終わる。それは今までのアステカの血の終焉を表し、新たな時代の意味を表しているのではないか?その時代の変革の一部の回想として受け止めたい。


  • 【読もうと思った理由】
    最近読んだ直木賞受賞作2作(塞王の楯、黒牢城)が、自分の中でかなりの良作だった。なので直木賞繋がりで、第165回直木賞および、第34回山本周五郎賞を、ダブル受賞した話題作を読んでみようと思ったのがきっかけ。また、ブグログでの皆さんの評価もすこぶる高いので、期待して読んでみようと。

    【著者 佐藤究氏について】
    1977年福岡県生まれ。2004年、佐藤憲胤名義の『サージウスの死神』が第47回群像新人文学賞優秀作となり、作家デビュー。しばらく純文学作家として活動したが、10年間ほど作品が全く売れず、バイト等をして食い繋ぐ。
    2016年『QJKJQ』で第62回江戸川乱歩賞を受賞。佐藤究名義で再デビューを果たす。18年『Ank: a mirroring ape』で第20回大藪春彦賞と、第39回吉川英治文学新人賞を受賞。『テスカトリポカ』は前作以来、約3年半ぶりとなる待望の新作。

    【あらすじ】
    メキシコの町から川崎に逃れてきた母と、暴力団員の父の間に生まれた、土方コシモ。日本の学校に馴染めない彼は、ある事件を起こして少年院へ。出院後に雇われた工房を通じて、コシモはバルミロ・カサソラというメキシコ人と出会う。バルミロはかつてカルテルに君臨した麻薬密売人であり、現在は日本人・末永とともに国際的な臓器売買ビジネスを手がける男だった。コシモもいつしか邪悪で凄惨なな犯罪に関わることに。海を越えて交錯する運命の背後に、滅亡した王国の恐るべき神の影がちらつく。人間は暴力から逃れられるのか。誰もみたことのない、圧倒的な悪夢と祝祭が、幕を開ける。

    【感想】
    暴力シーンが想像以上に凄まじく、正直グロいシーンが何度も出てくる。ある程度、書評などを見ていて、想像はしていたものの、自分の想定を軽く超えてきた。麻薬戦争に臓器売買、日本という国で普通に生きていれば、まず出くわすことのない世界観に、ただただ圧倒され、気付けば作品にどっぷり没入していた!

    人体のパーツに細かく値段がついて、例えば、膵臓(すいぞう)500万円、骨髄1gにつき200万円、靭帯50万円などなど。作品の大部分はフィクションであるものの、麻薬戦争や臓器売買ビジネスの現実は、あり得ないほど凄惨だ。
    筆者いわく、「メキシコのナルコ(麻薬密売人)のことを調べていくと、彼らの行使する暴力は、日本人からするともう次元の違う暴力なんですよ。あまりにも絶望的で、こんな気分の悪くなる話を追い求めることに、何か意味があるのかと僕自身腹が立ってきて、やめようかとも思いました。だけど、その怒りこそが大事なんじゃないかと。」

    今作が出来上がるまで費やした3年以上の月日が、作品に圧倒的な臨場感と、緻密に練られた構想力に、読書好きならずとも、感動すら覚える。
    いくら構成や暴力シーンが精緻に描かれていても、550ページ越えという大作なので、本来であれば途中で飽きてくる。だが本作は飽きることなく没入し読み切れる。
    それは筆者の作品に対する突出した熱量と、膨大な資料の読み込みからもたらされる説得力があればこそだろう。

    またありきたりなクライムノベルであれば、ただ面白いで終わってしまうが、筆者の伝えたいというメッセージ力が読者側にも伝わってくるので、直木賞、山本周五郎賞W受賞にも繋がったのだろう。
    佐藤究氏は直木賞受賞インタビューで、次のように答えている。「少しメッセージじみたことを言うと、麻薬くらいいいじゃないか、誰にも迷惑かけないんだし、という論調がありますよね。でもその麻薬はどこから来て、支払ったお金がどこに流れているか、一度考えてみた方がいい。麻薬戦争の悲惨さを知ることは、薬は体に悪いというよりはるかに抑止効果があると思います。」
    今まで自分が知らなかった世界を知れる作品であり、作品に没入するのが好きな方には、自信を持ってお薦めします!

    【雑感】
    直木賞のように大きな賞を取った作品は、作者が受賞後にインタビューを受け、それがWEBに掲載されていることも多い。なので、読後にそのインタビューを見ることで、筆者がどんな思いで作品を書いたのかを知れる楽しみもあるんだと気づいた。今後過去の気になる直木賞受賞作を、読む楽しみも増えたのが今回の収穫です。

  • クライムミステリーというジャンルらしい
    アステカ文明や宗教・神話が語られるが、知識不足の私は置いてけぼり。
    FF13で有名な『パルスのファルシのルシがコクーンでパージ』がよく似合う

    500頁超えの大作だが、修行と思って読破
    ノンフィクションでも信じてしまうディテールの繊細さ!
    達成感は一潮

    純粋な悪というのはブレがない。
    決断に迷いがなく、皆「バルミロ」に怯えつつ従順に惹かれ合う 
    私も読みながら応援する節があった

    現代だから突っ込めるアステカ文明のしきたり
    やはり宗教って怖い

  • アステカ神話のモチーフが魅力的で、ファミリアの非道、悪行、滅茶苦茶な暴力にすら ある種 神々しさを感じます(感じません)。

    徹頭徹尾バイオレンス。ピカレスク。
    クライマックスに至り、ここまで溜め込んだエネルギーが爆発する瞬間が堪らない。

  • ドン・ウィンズロウの『犬の力』を麻薬密売人目線にして日本を舞台にしたような作品
    って書いたら『犬の力』の劣化版みたいに思われちゃうな
    じゃなかったことに
    あ、でも入口としてはそういう紹介もありかな

    アステカの神様たちのあれやこれやで作品に神秘的な深みがあるし、麻薬よりも数段上のおぞましい闇のビジネスが展開されてもう怖いし許せないしで分厚い本なのにサラッと読めました
    自分はサラッと読める時って面白いときなんだよね

    ただ最後がちょっとバタバタバタって終わっちゃったかな少し残念

    いろんな要素がたくさん詰め込まれてたけどそれほどごちゃごちゃしてない
    作者の力量が凄いんですよね
    他の作品も読んでみたいと思いました

  • タイトルや装丁、ページ数などから重厚さが予想され、読むのが躊躇われた本。アマゾンをポチとはしなかったし、本屋さんでも食指は動かなかった。しかし、いちおう入れておいた図書館の予約の順番が来て、「せっかくだから」と挫折覚悟で読み始めたらグイグイ引き込まれた。さすが直木賞。買って読むべき面白さ。ただし心臓弱い人は要注意。

    圧倒的過ぎるクライムノベル!

    メキシコにおける麻薬密売組織の熾烈な抗争の生き残りバルミロは、インドネシアのジャカルタに潜伏中、日本人の凄腕外科医、末永と出会う。バルミロと末永は日本に渡り、川崎でならず者たちを集めて「心臓密売」ビジネスを立ち上げる。
    一方、麻薬組織から逃れて日本にやってきたメキシコ人の母と日本人の父の間に生まれ、川崎に生まれ育った天涯孤独の少年・土方コシモはバルミロと出会い、その才能を見出され、知らぬ間に彼らの犯罪に巻きこまれていく―。

    タイトルの「テスカトリポカ」とは、アステカ神話の主要な神の1柱のこと。「煙を吐く鏡」を意味し、鏡とは、黒曜石の鏡のことを示す。ストーリーの中でアステカ神話や人身供儀がクロスオーバーしていくのだが、これが非常にグロい!

    でもね、小説の中に確固たる「世界」があるんですよ。そこに引き込まれた人はなかなか戻ることが出来ないかも。現実の東京や川崎は全然違いますけど。

    この小説を評して、「真に傑作と言うほかない」と三浦しをんさんがおっしゃっていた。それは心から賛同。
    宮部みゆきさんは直木賞の選評で、「直木賞の長い歴史の中に燦然と輝く黒い太陽」とおっしゃっていた。「黒い太陽」って…この小説の選評でその言葉使ってよいのか?ギリギリの線だとは思うが上手いこと言う…(笑)

    どうでもいいけど、第165回直木賞はW受賞者である佐藤究さんも澤田瞳子さんも、僕が大推薦していたノミネート作品「スモールワールズ」著者の一穂ミチさんも選考当時43歳。不思議な一致ですね。

  • なんて凄い本に出会ってしまったんだろう。。今後、こんな衝撃的な本には二度と出会えないんじゃないかって思うくらい。

    最初は厚くて、どう読んでいったらいいのかわからず「読み切れるかな…」って思ってましたが。
    だんだん、読んでいない時も本の事しか考えられなくなって。寝る寸前まで読んで、朝起きたら取り敢えず読んで…となっていました。
    途中から、これはドキュメントなのか、現実なのかフィクションなのかよくわからかくなってきたくらい。

    バイオレンスだし、クライムだし、残忍で非道で残酷。拷問場面はもう、酷すぎる。

    麻薬や臓器売買の本筋にアステカの神々の話が付随して入り込み、その圧倒的な支配力に畏怖というか…崇拝に近くなってくなぁ、読んでると。
    テスカトリポカ様…。

    これが一体どう集結するんだろう…っていう、たたみかけるラストもよかったです。

    凄かったなぁ。。

    • 風鎮さん
      拝読させて頂きました。面白そうですね。早速「読みたい」に登録致しました。
      拝読させて頂きました。面白そうですね。早速「読みたい」に登録致しました。
      2023/04/22
    • にゃんちびさん
      風鎮さん

      コメント、ありがとうございます♪

      暴力的、グロテスクな描写はありますが、なんというかもう凄すぎて「かっこええ…」という感情にな...
      風鎮さん

      コメント、ありがとうございます♪

      暴力的、グロテスクな描写はありますが、なんというかもう凄すぎて「かっこええ…」という感情になっておりました。風鎮さんのレビューも楽しみにしています!
      2023/04/23
  • なんか話題作だっけ?くらいの認識で読み始め、すぐに何だこりゃめちゃ面白い!と評価を調べたところ、直木賞&山本周五郎賞のW受賞作だった。
    読了し、「圧倒的な悪夢と祝祭が、幕を開ける」とか「直木賞の長い歴史の中に燦然と輝く黒い太陽」とか、各所で超かっこいい表現をされているのも頷ける。ラストが少し切ないこともあり、読み終わってしまって興奮しつつも寂しい。
    普段の生活でも、グロOKな本好きにはぜひ薦めたい。忘れた頃にわたしももう一回読みたい。

    読んでいるうちに、だんだん非情で残酷な神と、とにかく悪人ばかりの登場人物たちの魅力に取り憑かれたようになり、本を読んでいない時にもテスカトリポカのことを結構考えていた。
    しっかりグロテスクな作品なのに、神に捧げる暴力への畏怖と陶酔が入り混じって、神々しいような気持ちになる、こんな読書体験はなかなかない。
    アステカの神話にもかなり興味が湧き、元々行きたかったのだけど、今ものすごーーくメキシコ旅行したい熱が高まっている。

    • ロッキーさん
      ざざあるいは電気羊さん、コメントありがとうございます!いつも漫画も含めた幅広いレビュー、楽しく拝見してます!

      古代メキシコ展、ぜひ行きたい...
      ざざあるいは電気羊さん、コメントありがとうございます!いつも漫画も含めた幅広いレビュー、楽しく拝見してます!

      古代メキシコ展、ぜひ行きたいと思っています!
      ざざさんは行かれましたか?
      2023/07/20
    • ざざあるいは電気羊さん
      先月行ってきました。音声ガイドがとてもよいと聞いていましたので解説を聞きながらじっくりみてきました。
      後にTwitterで芝崎みゆきさんの...
      先月行ってきました。音声ガイドがとてもよいと聞いていましたので解説を聞きながらじっくりみてきました。
      後にTwitterで芝崎みゆきさんの「古代マヤ・アステカ不可思議大全」を知り、事前学習してから行けばもっと楽しめたかもと思いました。
      でも何より現地に行くのが一番ですね。ロッキーさんもぜひ!
      2023/07/20
    • ロッキーさん
      そうなんですね!今まで音声ガイド買ったことなかったのですが、購入してみようかな。
      「古代マヤ・アステカ不可思議大全」、テスカトリポカの参考文...
      そうなんですね!今まで音声ガイド買ったことなかったのですが、購入してみようかな。
      「古代マヤ・アステカ不可思議大全」、テスカトリポカの参考文献にも挙げられていて、気になっていました!メキシコ展前後に、そちらもぜひ読みたいです。
      たくさん耳より情報ありがとうございました!!
      2023/07/21
  • 私の稚拙な表現力では語り切れないシリーズが来ました。直木賞と山田周五郎賞をW受賞している有名な作品なので読まれた方も多いのでは無いでしょうか。
    作中にも話題が出ていましたがNetflixでナルコのドラマを観ていたり、海外ドラマの『ブレイキングバッド』が大好きだったりしていたのでメキシコ怖い所と勝手なイメージを持っておりましたがやっぱり怖いじゃないか!

    始めは群像劇のようでしたのでそこまででも無かったのですが予想通りにバイオレンスに次ぐバイオレンス。血がぶっしゃー!葉っぱも吸いまくりだしコブラの首も切っちゃう。
    これですよこれ。ナルコの話はこうでないと!
    期待通りのバイオレンス具合に自身もファミリアの一員になったような気がして肩で風を切って歩きかけましたが実際は電車内で身を縮こませて本を読んでいます。

    マフィアの成り上がりから没落×アステカ神話と言う骨太作品ですが、否応なしに悪の世界に飲み込まれるコシモがどうなるのかずっと冷や冷やしていたら、途中でやっぱり始まる臓器売買。今度は元保母さんが気持ち良い位に闇に向かって転げ落ちて行くのに「帰って来て!!」と願う私の心の叫びも虚しく…。

    この臓器売買で出てくる元天才外科医の末永が1番好きなキャラだったのですが、今クズばかり出てくる本をオーディブルで同時視聴していて気付いた事がありまして。
    皆さんそうかも知れませんがクズを通り越して、自分なりの信念を貫き通している悪人は大好きみたいで、いつもこの手のラスボス級の悪い人がお気に入りになります。本作ではラスボスと言えばバルミロになると思うのですが、バルミロが麻薬組織との抗争で自分の組織を壊滅させられ復讐を誓って成り上がる過程もかっこよくて、最後の方にはすっかり虜になっていました。
    この作品は特に刑事が潜入したりはなく、ひたすら黒い世界でハードな世界が繰り広げられるのでラスボスと言う表現は違うのかも知れませんが、それ程に痺れました。
    コシモは根は純粋な男の子なんですが、それ故に暴力の世界でも純粋な力を発揮するのに悲しみを覚えてしまいますが、最後はコシモ自体も神話の一員になっているようであのくだりを書ける佐藤さん凄いなと感服した次第。
    コシモととある少年の日記が切なすぎて、暴力の世界で上手いタイミングでこれを出されると読者はもう、揺さぶられますよ。

    やっぱり大した事が書けないですね(毎度そうですけれど)『Q』以上にこの作品の凄みと重厚さが何一つ表現出来ないので、最後に特設サイトのお話を。
    『テスカトリポカ』特設サイトに紹介ムービーが上がっているのですがこれがまたかっこよくて、早く映画化してよとも思うのですが、予算や内容等を考えると完全にNetflixかAmazonじゃないと不可能な気がします。
    見たい、見たいわー!!キャスト決めがかなり大変そうですけれど。

    長編+血みどろ+臓器売買ネタOK(軽く書く内容じゃないんですが)+麻薬組織+結構なレベルの儀式
    これに刺さる方は最高の読書体験が出来る事間違いなしです。
    逆に苦手な方はとことん苦手な題材ではあると思いますが、本好きで良かったと思わせてくれるクライムサスペンスでした。
    まだまだ凄い本が世の中には溢れていますね。個人的評価の高い低いは関係なく、これからもどんな本と出会えるのか楽しみです。

    • yukimisakeさん
      1Qさん、チャターラですか!彼は親しみ持てるキャラでしたね。
      あのどうしても外科手術したいマンな所が堪らなかったです笑。

      え…?(´・ω・...
      1Qさん、チャターラですか!彼は親しみ持てるキャラでしたね。
      あのどうしても外科手術したいマンな所が堪らなかったです笑。

      え…?(´・ω・`)
      いつの間にか誓約書にサインさせられてる?!わいの腎臓が!!笑
      2024/01/06
    • ゆーき本さん
      わーいわーい!若人の臓器!ピチピチの臓器ー!


      いや、臓器はいらんから ユキはご飯作りに来て、イッキューさんは掃除しにきて(*´▽`人)
      わーいわーい!若人の臓器!ピチピチの臓器ー!


      いや、臓器はいらんから ユキはご飯作りに来て、イッキューさんは掃除しにきて(*´▽`人)
      2024/01/06
    • 1Q84O1さん
      ユッキーさん、臓器は却下されました…w
      ゆーきさんの為に我々がお助けに参りますか(`・ω・´)ゞ
      ユッキーさん、臓器は却下されました…w
      ゆーきさんの為に我々がお助けに参りますか(`・ω・´)ゞ
      2024/01/06
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著者プロフィール

1977年福岡県生まれ。2004年、佐藤憲胤名義で書いた『サージウスの死神』が第47回群像新人文学賞優秀作となり、デビュー。2016年『QJKJQ』で第62回江戸川乱歩賞を受賞。『Ank: a mirroring ape』で第20回大藪春彦賞、第39回吉川英治文学新人賞を、『テスカトリポカ』で第34回山本周五郎賞、第165回直木賞を受賞。

佐藤究の作品

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