ふたりみち (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 93
感想 : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041097748

作品紹介・あらすじ

元ムード歌謡の歌手で、今は函館のスナックのママ野原ゆかりは、本州をめざし津軽海峡をフェリーで渡っていた。ある事情で抱えた借金返済のため、昔のつてを頼ってコンサートツアーと称したドサ回りの旅に出たのである。船内で偶然知り合った同じ名前の森川縁は、12歳なのになぜかゆかりの唄に興味を持ちついて来てしまう。彼女が母親と喧嘩して家出してきたことを知ったゆかりは、親に連絡させ最終目的の東京まで連れて行くことになる。しかし、彼女のコンサートは、行く先々でトラブルに遭いことごとく中止になってしまう。落ち込むゆかりを支える縁。2人のユカリは55歳の歳の差を超えて強いきずなで結ばれていく。そしてついに最後の会場、東京に到着する。ゆかりは、ここだけは絶対に唄い上げるつもりだった。そこにはゆかりの悲しい過去が刻まれていたのだ。
笑って笑って、そして……ラスト一行に思わず! エディット・ピアフの『愛の讃歌』に乗って描かれる人生の切なさ、すばらしさ。山本作品で一番泣ける作品です!

感想・レビュー・書評

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  • 夢物語なのかな。
    読めば幸せな気になります。
    出来過ぎと感じるけど物語ならいいのかなと思います。
    現実は辛いですからね。

  • 67歳の元ムード歌謡歌手と、何故か彼女の歌に涙する12歳の家出少女。55歳の年の差を超え2人は強い絆で結ばれていく。笑って笑って、ラスト1行に涙する人生讃歌。極上のロードムービー小説。
    人生の日陰者が、人生最後のスポットライトを求めて全国ドサ回りの旅へ。トラブル続きは山本幸久ワールドのお約束だが、いつの間にか一緒に旅している気分になる。「運命に逆らわなきゃ」って言葉が、とても心地好い。最後の最後まで可能性を信じる気持ちを大切にしたい。

  • 才能に恵まれたけど花開かず、一人娘を授かったけど二度失い、人生のあれやこれやを飲み込んで耐え忍んで生きてきたゆかりが67歳にして初めて運命に逆らう。相棒に12歳の家出少女を引き連れての復活ライブツアー…。

    シャンソンの調べと昭和のムード歌謡の香りがしっかりと絆をつないでいく、同窓会みたいな懐かしい、けれどちょっと遠いところの空気に包まれます。

    ゆかりを支える人の輪が3世代に脈々と続くのがステキです。真っ直ぐに育った娘とその養い親が惚れ惚れするほど魅力的です。そして相棒縁の母子もチャーミング。嬉しい文庫書き下ろしの短編でもほのぼのします。

    ゆかりさん、アヒルバスの出身なんですね♪

  • 人生讃歌という言葉がぴったりの小説。20代の私でもここまで元気づけられるのだから、ゆかりともっと年齢や境遇の近い読者の共感はどれほどだろうと思う。
    展開の「できすぎ感」は否めないのだが、フィクションとして素直に楽しめる。とはいえゆかりと縁には、その辺の街中を歩いていそうと思わせる親近感があって、その絶妙なバランスが山本幸久さんの巧さなのだと思う。

  • 年老いた(といっても60代)歌手と中学生の珍道中。


  • これぞまさしくリア充。そうだ、六十七歳だってリア充はできる。

    67歳の元ムード歌謡歌手ゆかりはドサ回りの旅の途中、12歳の家出少女縁(ゆかり)に出会う。公演は行く先々でトラブルに見舞われるが、それを乗り越えてふたりは強い絆で結ばれていく。
    .
    少し天然なおばちゃんって感じのゆかりにも実は辛い過去があって、それが場面場面で少しづつ回想されていて、今回のドサ回りで縁に出会ったことでその過去にも向き合うことが出来ていたのが深い。友情に年齢は関係ないと思った。

  •  19歳で歌手デビュー。『無愛想ブルース』というヒット曲をもつミラクル・ローズこと野原ゆかり。67歳となった今は、五稜郭の近くでスナック「野ばら」のママとして高齢者の常連客の相手をする日々。
     そんな、ゆかりが一念発起し、北海道を離れコンサートツアーに出かけることに。ひょんなことで知り合った家出娘の中学生縁(ゆかり)とめぐるツアーは行く先々でトラブルが多発!?

     67歳の元歌手と、家出娘の珍道中。ゆかりがコンサートツアーに出ることになった本当の理由とは!?縁は無事家に帰れるのか。旅を続けながら振り返るゆかりのこれまでの人生とは!?1枚1枚薄皮が剥がれるように、現れる事実でみるみる変わる景色。最後まで目が離せません。

  • 偶然に次ぐ偶然...いつもなら「出来過ぎだろっ」って突っ込むところなのにちっとも嫌じゃない。いろんな出会いや別れがあって今がある。そう思える素敵な物語だった。東日本大震災を絡めた物語だけど温まりました。

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著者プロフィール

作家

「2021年 『人形姫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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