遺跡発掘師は笑わない あの時代に続く空 (角川文庫)

  • KADOKAWA (2020年11月21日発売)
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感想 : 11
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  • 本 ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041097885

作品紹介・あらすじ

今も昔も、人も想いも。
この空で、繋がっている。

休日、奥多摩へBBQに出掛けたカメケン一行。
渓流釣りや飯ごう炊さんを楽しんだ後、すぐ近くに建つ、手作り感溢れる「森の縄文博物館」に立ち寄ることに。
だが、今は亡き創設者の孫曰く、さまざまな事情で近く閉館せざるを得ないらしい。
素晴らしい展示品が揃うこの博物館を救うため、忍が思いついた起死回生の一手とは――!?(――「縄文カフェへようこそ」)

東京・山の手で民家の庭の発掘を依頼された無量と柳生。
出土した美しい茶器には、江戸の歴史を揺るがすほどの秘密が隠されていて……。(――「佐々木家の庭、掘るべからず」)

ほか、15歳の無量と亀石の出会い、鶴谷と無量が挑む土人形の謎など、全4編のほっこり短編集。
笑って泣いて考えて、いろんな感情がつまった、珠玉の一冊です!

イラスト/睦月ムンク

感想・レビュー・書評

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  • 難しい本を読んだ後にサクッと読める作品の心地よさ。大事です。

    今回は短編集。
    3人のキャンプストーリーがほのぼの、でもキャラのエッセンスが詰まっていてよかったな

    2023.10.1
    166

  • 短編集は命の危機に瀕するようなハラハラする展開がほぼないので安心して読める。
    無量の過去話は必ずしも明るい話ではなかったけれども、どん底から今の無量になったいきさつが分かる貴重な掘り下げ過去話だったので、興味深かった。

    また忍ちゃんがノリノリで縄文カフェに着手したのも、安堵材料に。
    彼の最近の精神的負担は計り知れないので、他のことに没頭できて、しかもちゃんと仕事して楽しんでいる様を見ると安心できるというか。

    銅鐸に銅剣に縄文土器。
    個人的に大好きな遺物が多数登場するという意味でも興味深い一冊だった。

  • 図書館より。


    楽しく読了。
    短編でも、満足出来る!遺跡とか面白いね。 

  • 読みやすい短編だった。いつも中だるみしつつ読んでいるので1話が丁度いい長さだった。過去の素直な無量が可愛かった(^^)

  • シリーズの短編集
    ほのぼの系だったり、無量の過去だったり

  • 『佐々木家の庭、掘るべからず』
    「なんとなく、みんなが行くから大学にいって就職して、時期がきたから結婚して出産して…思えば私、自分の人生で、自分で行き先を決めて船を漕いだことなんてあったのかな」って桃子さんの言葉に首がもげるほど共感してしまった…。
    「行き先は今からだっていくらでも決められますし、いくらでも漕げますよ。自分がオールを握ってることさえ忘れなければ」柳生さんの言葉。しみる。

    『あの時代に続く空』
    「女ってやつは男とちがっていつもリミットに追い立てられている。選択肢があるうちはずっと迷い続けなきゃならん。それが嫌だった。だったら、はじめから選択肢など持たない状況に自分を置いたほうが楽だと思ったんだろうな」鶴谷さんの言葉。なんか今回は、女性の人生様々だな。
    そしてまさかの「なんなら俺を嫁にしてもらってもいいんすけど」って無量の冗談が!!

  • 「佐々木家の庭、掘るべからず」
    庭には先祖が埋めた物が。
    これだけ露骨な態度をとっていたら不審がられるのも無理はないが、自分たちの生活をかけた一大イベントだと思うと仕方のない事なのかもしれないな。

    「あの時代に続く空」
    持ち主を見つけてほしい。
    名前や別れた後の事が不明なのは戦争という時代が関わっているのかもしれないが、これだけの年月を経ても出会える事はあるのだな。

    「神がかりの少年は笑った」
    閉ざされた心を救うのは。
    トラウマどころか一生関わりたくないと思うのが普通であるが、それを乗り越えたからこそ今笑って過ごせるようになったのかもしれないな。

    「縄文カフェへようこそ」
    地道に探しだした物たち。
    近くで見つかりお手軽に楽しめる趣味だったのだろうが、楽しいという想いがあるだけでこれだけの事を一人でやり遂げたのは凄い事だよな。

  • 今回は平和な短編。西原くんと亀石さんとの出会いもあり。縄文カフェ、楽しそう

  • 西原無量シリーズ、12作目。短編集。

    本編と異なり、番外編となる短編集はJKとかよく分からない謎な組織が絡まない分、とっても読みやすいし、発掘薀蓄も面白い。前2編は純粋に発掘ミステリを楽しめるし、後2編は亀石さんと無量の出会いや相良さんの素の一面を見れたりと、スピンオフとしての面白さが存分に生きていて、短編集ながら非常に読み応えがあって良かったデス。

  • いつも楽しみにしているシリーズ。今回は短編集だったけど、いい内容のものばかりで良かった。

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著者プロフィール

千葉県生まれ、東京都在住。中央大学文学部史学科卒業。「風駆ける日」で1989年下期コバルト・ノベル大賞読者大賞を受賞後、90年『炎の蜃気楼』でデビュー。同シリーズは累計680万部を超える大ヒットとなる。他の著書に、今作を含む「西原無量」シリーズ、『カサンドラ』、「赤の神紋」シリーズ、「シュバルツ・ヘルツ」シリーズなど多数。

「2023年 『遺跡発掘師は笑わない 災払鬼の爪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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