- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041097922
作品紹介・あらすじ
オランダの教会から奇跡申請があり、調査へ赴く平賀とロベルト。黄金の主の足跡が見つかり、礼拝中に〈聖なる光〉が出現したという。居合わせた人々は、天使と会う、未来を見るなど、不思議な体験をして――
感想・レビュー・書評
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バチカン奇跡調査16。
今回の舞台はオランダのユトレヒト。礼拝堂にキリストが降臨して黄金の足跡を残し、聖体祭の夜には謎の光の球が出現してその場に居合わせたほとんどの人がそれぞれの奇跡体験をする…というもうそれ奇跡でいいじゃん案件の調査に乗り出すロベルトと平賀。
毎度おなじみロベズキッチンとドキドキ地下探検シーンあり。あれだけ細かく分析する平賀が黄金の足跡の正体に終盤まで気付かないのはちょっと不自然だったかな。教会に伝わる「王の中の王」の正体を解き明かすところは面白かったです。
今回はジュリアの影なし。ローレンってどういう立ち位置の人なんだ。もはやただのチートキャラになりつつある。
毎回言ってるけどそろそろ何か物語の進展が欲しいところです。 -
シリーズ20作目。
今回は、平賀とロベルトの奇跡調査のお話。
オランダの歴史も絡んでいて、勉強になるし、面白かった。 -
舞台はオランダ。イタリア人のロベルトからしたらオランダごはんはお気に召さないのだろうな、という記述が面白い。平賀は栄養が取れればなんでもいいスタイルなので平気らしい…いつも本編が始まる前のバチカンとローマでの暮らしのシーンが好き。
今回はローレンがロベルトにメッセージを送ってくる。ロベルトが解けるかどうかのラインで送ってくる鬼ローレン。
いつも思うけど、あまり明かされていないロベルトの過去、気になるなぁ。今回お誕生日が発覚。
あと、ミッフィーと平賀は可愛いがすぎる! -
ユトレヒトの小さな教会で聖体祭の夜に輝く光の球が出現し、居合わせた人々が不思議な体験をしたという奇跡。平賀とロベルトは奇跡調査に向かい、それぞれの得意分野から奇跡の検証を行う。教会に伝わる聖遺物「王の中の王」とは‥
今回はガチな奇跡調査の話。わりと平坦でセリフが説明的すぎな気はするが、二人の調査によって解きほぐされていく謎、オランダの歴史などは面白かった。最後のミッフィー美術館にはほっこり。 -
シリーズ20作目。
安定の二人の活躍だが、調査官は何人もいるはずなのにどうしていつもこの二人がコンビを組むことになるのか?と気になりだすと、キリがないが設定の無理を感じたりもする。
さて、話の流れは面白いのだが、そろそろ途中に入ってくるウンチクが食傷気味。無駄に長くて、枚数を稼ぐために入れているのでは?とも思ってしまう。
相変わらず新たな奇跡の調査に向かう二人の話だが、今回はさほどの広がりを見せることもなく解決。あれ?前とかに出てきていた宿敵は?謎は?まだ引っ張るの?と少し残念。次回に期待。 -
バチカンを拠点に、世界中で奇跡の真贋を調査する神父コンビのお話も、本編だけで16冊目。短編集も合わせると20冊目です。
今回は、裏で暗躍する組織の関与も無く、奇跡現象の謎解きに専念できた様です。舞台がオランダということで、科学や心理学や自然現象の解説に加え、この国に関する蘊蓄も沢山語られます。ちょっとだけ博識になった気にさせてくれますが、それが単なる気のせいである事は言うまでもありません。 -
バチカン奇跡調査官シリーズの20冊目。
ロベルトと平賀コンビでの奇跡調査本編としては16冊目。
今回の舞台は、オランダです。
オランダ、今ではあまり意識することのない国ですが、江戸時代、鎖国体制のもと、出島での出入りを許された国がオランダでした。
コップやスコップ、ガラスやレンズ、コーヒーやビールなど、日ごろお世話になっている言葉にもオランダからやってきたものが多くあります。
バチカン奇跡調査官シリーズでは、奇跡が起こったとされる各国、各地へ調査に赴くわけですが、その国の歴史や文化などにも話がおよび、とても興味深いです。
オランダでは、大麻などソフトドラッグが合法化され、世界有数の性の解放区といわれるなど、カソリックの司祭にとっては頭を抱えるような現状だとか。
ユトレヒトの教会の司祭エイクマンも、そんな想いを強くもっています。
この地のカソリック教徒には、差別や迫害を受けた過去があるからです。この協会も、そんな苦難を厚い信仰心で耐え続けた人々のための隠し教会であったのですから。
そんな中でおきた神の光の奇跡。
信者十数人が、光を見ています。
預言を聴く、天国の門を通る、亡くなった家族に会ったり声を聴く、認知症の父親が記憶を取り戻す、イエスと共に歩き脚の痛みがおさまる、体が踊るように動いた、など、おのおのが光と共に不思議な体験をしました。
ところが、奇跡を認定してもらえるかと思いきや、バチカンからやってきたふたりの神父は、あれやこれや長さを測ったり、X線透過検査装置やらを教会内に置いてみたり、隠し階段の上の隠し部屋にこもって何やら読み耽っていたり。
平賀にいたっては、教会の宝である聖釘(キリストが磔にされた際に使われた釘)の入った木箱を開けて見せてくれとまで言ってくるしまつ。
聖釘の入った木箱を開けて見れば目が潰れると言い伝えられ、木箱を納めたステンドグラスで彩られたガラスケースさえ、開けられた事がないというのに。
ロベルトの取りなしで無事調査が進められますが、平賀の周りの空気を読まなさ加減、人の機微がわからないアチャーな様子は、巻が進むにつれひどくなっているような⁉︎
奇跡調査と同時に、殺人事件に巻き込まれることも多いのですが、今回それはありません。
奇跡についても、平賀なりの結論には辿り着くのですが、それが正しいのか、科学的な理屈のこじつけなのかは、はっきりしません。
ただ、聖釘については、ロベルトがみごと解き明かしました。
こちらの経緯については、かなり興味深く読むことができました。
その中に登場する貴族の名前は、ネットで見つけることはできませんでしたが、ロベルトが調査のために立ち寄ったらしい博物館は実際にあるようです。
奇跡ということの意味にもよりますが、それぞれの人が、素晴らしい体験をした事こそ、奇跡と言っていいのではないか、とも思ってしまいますけれどね。
そういえば、ロベルトがおもに平賀のために作る料理は、いつも美味しそう。
作る手順もかなり書いてあるので、作ってみたくなります。
わたしは密かに、美味しいもののレシピのある小説Bestではないかと思っています。 -
今回は王道の奇跡調査でした。
他の方も言ってるがもはやそれは奇跡でもいいのでは、と言いたくなるが、ストーリーより今回はロベルトと平賀の関係性がとても微笑ましかった。
ここ最近冷静平賀と普通の人と化してしまうロベルト、が多かったけど今回は大人で優しさと寛大さをもつロベルトの魅力と、ピュアで子供のようなところのある平賀のバランスがいい具合にでてたと思うのでそれが良かった!
2023.5.2
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