信長の原理 下 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 287
レビュー : 25
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041098653

作品紹介・あらすじ

「信長を主人公にした戦国小説は無数にあるが、その中でも特異な輝きを放つ作品だ。」
――細谷正充氏(文芸評論家)

信長が天下統一へと邁進する中、織田家中では羽柴秀吉、明智光秀、丹羽長秀、柴田勝家、滝川一益ら師団長たちが苛烈な出世争いを続けていた。
が、“この世を支配する原理”によれば、5人のうちの1人は必ず働きが鈍り、おれを裏切る。いったい誰が? 
焼けつくような駆け引きは、やがて「本能寺の変」の真相へと集束する。
理想を追い求めた異端児の苦闘と内面をまったく新しい視点から抉り出し、人間の根源に肉薄した歴史小説の金字塔!

感想・レビュー・書評

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  • 昇進により無能化したかつてのヒーローをリストラしていく信長...。その事実に不安を覚える光秀...。本能寺の変は起こるべくして起きた! 垣根流解釈の構造的理解を世に問う時代小説...。
    『光秀の定理』も読んでみたいなぁ。

  • 働き蟻の法則と織田信長を掛け合わせた歴史小説!

    前作の光秀の定理はモンティ・ホール問題と明智光秀の掛け合わせと同じような作りかと思いきや・・・

    本作品の注目すべき点はそれぞれの武将の内面を描いている所かと思う。主人公の信長はさておき松永弾正、明智光秀、丹羽長秀や柴田勝家達の場面場面での心の動きが面白い。

    それと武田信玄や上杉謙信、徳川家康の動きに合理性を求める信長と光秀の思考にも圧感です。

    そして、ラストの本能寺!
    これぞ正に新解釈かもしれないと思ってしまう読み手の心の誘導には合理性を感じる。

    本能寺で討たれたのはある意味、成果主義を採用してしまった結果の失敗と考えられる。


    何れにしても垣根涼介の歴史次回作である涅槃が楽しみです!

  • 上下巻にわかれている本作ですが、全体の感想を上に書いてしまいました笑 こちらにもこれだけは書いておきます。これ凄い作品です

  • 下巻もよかった。比叡山焼き討ちのエピソードが短い回想で終わりほとんど描写されなかったことには面食らったが。
    思うに著者は、信長の残虐さや癇性といった俗っぽい「内面」や、明智の裏切りの動機といったこれまた俗っぽい「歴史ミステリー」にはあまり関心がない。信長の内面は通り一遍のよくある形で処理しているし、明智の動機も手酷く叱責されたからというよくある形でまとめている。
    筆者が描き出したかったのは、まさしく信長という人物の行動の「原理」、彼の思考のシステムだったのだと思う。シンプルにみると「原理」という言葉は「働き蜂の法則」を指し示しているように見える。少し穿った見方をすると、信長自身を滅ぼした、働き蜂の法則をも越えようとする能力主義の徹底こそ信長を突き動かした「原理」なのではないかと思われる。その「原理」と所与の「法則」との戦い、この世を支配する自然の理に戦いを挑んだ人間として信長を見るとき、所詮人も虫けらと同じという松永久秀の悟りに信長の波乱の人生が集約されてゆく。

  • 下巻も合戦場面は最小限で、1節ごとに視点を変え、リレー形式で描かれる信長&家臣の心理描写が秀逸。互いの人物見立てで相関関係も大変分かりやすい。謀反に至る光秀の心の動きは読み応えがあった。”不変の原理”により起こるべくして起きた本能寺の変…という解釈の信長伝。次作はまさかの宇喜多直家。垣根さんの斬新な切り口の歴史小説に今後も期待したい。

  • 光秀の真理に寄り添った歴史観

  • 信長やその他の武将の考えや状況など、仔細に書かれていて読み応えはあった。
    でも読んだ後の感想は普通の歴史小説という感じがした。
    もう少し信長という人物に見方を変えて、書き込んで欲しかった。
    光秀に謀反を起こさせた信長としての落度について、自身から考えた解釈などが読めたら面白さが増したと思う。

  • 「光秀の定理」を読んだときには、[確率論、モンティホール問題]を取り込んだ斬新な切り口だと思ったが、本書はその新鮮さが失われて、[働き蟻の法則]にこだわりすぎて、やや食傷気味になった。光秀が、信長に反旗を翻す過程もちょっと無理筋でこじつけすぎるような気がする。最近は時代ものが多いが、垣根ファンとしては、「ヒートアイランド」や「君たちに明日はない」シリーズのような現代作品が読みたいのだが。

  • 原理に気づいた秀吉と、最後に原理に流された光秀を上手く描いており舌を巻く。
    ビジネスにおいてもこの原理は当てはまるしその様に動いている。

  • 各武将の心中にスポットを当てることによってか、もの凄い臨場感。「働き蟻の法則」も見事に史実に当てはめているのにも感服。歴史小説=フィクションながらも、この本に書いてあることが歴史の真実と思ってしまうほどのもの。思わず「光秀の定理」の最終章を読み返すと同時に、垣根涼介の他の歴史小説も絶対読まねばと改めて思いました。

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著者プロフィール

1966年長崎県生まれ。筑波大学卒業。2000年『午前三時のルースター』でサントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞。04年『ワイルド・ソウル』で、大藪春彦賞、吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞の史上初となる3冠受賞。その後も05年『君たちに明日はない』で山本周五郎賞、16年『室町無頼』で「本屋が選ぶ時代小説大賞」を受賞。その他の著書に『ヒート アイランド』『ギャングスター・レッスン』『サウダージ』『クレイジーヘヴン』『ゆりかごで眠れ』『真夏の島に咲く花は』『光秀の定理』などがある。

「2020年 『信長の原理 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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