死体でも愛してる (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 136
感想 : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041098738

作品紹介・あらすじ

アパートで女性の腐乱死体が見つかった。殺人容疑で逮捕されたのは、隣室に住む冴えない工員・石橋。実は、彼は被害者をストーキングしていたのだが……。グロテスクでたくらみに満ちた短編集。

感想・レビュー・書評

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  • 大石圭『死体でも愛してる』角川ホラー文庫。

    警視庁の敏腕刑事・長谷川英太郎の視点で、4つの異常な事件を描く連作短編集。珍しくエロさも程々で、なかなか面白い。

    4つの異常な事件が被疑者たちの生の声で描かれる。事件の聴取を通じて被疑者たちの生の声を聞くうちに英太郎は次第に心に芽生えた異常な気持ちに支配され、破滅への闇へと墜ちていく。

    最近、新型コロナウイルス感染で世間ではストレスが溜まっているのか、性犯罪や暴力事件などが増えているように感じる。ふとした切っ掛けで犯罪に走ってしまうのは、善と悪、正常と異常の微妙なバランスの中に生きる人間の心の脆さを表しているのだろうか……

    『春の章』。日に日に美しい女性に変貌する娘に欲情を感じた画家の父親が、愛するが故に絞殺し、4日間も傍らに置き続けた事件の真相とは。

    『夏の章』。アイドル志望のコンビニ店員の女性に横恋慕し、異常な愛情を注いだ孤独な作業員が起こした事件の真相とは。

    『秋の章』。自殺した夫を余りにも愛するが故に調理して食べ尽くした妻の事件の真相とは。

    『冬の章』。愛する妻が若いコンビニ店員と浮気したことから建設作業員の夫が起こした事件の真相とは。4つの事件の被疑者の生の声を聞いた英太郎はついに……

    本体価格640円
    ★★★★

  • 短編集で読みやすい。狂ったようで普通な考えというか。取調べをする刑事の心の描写に違和感があったし、取調べをするうちに人を殺すんだろなーと読み進めると案の定、妻に手をかけた。殺してしまいたいくらい人を愛することは幸せなのかもしれない。

  • 4つの短編からなるオムニバスストーリー。
    語り手は基本取り調べ警官である主人公。
    全体を通して読みやすい文体で、人々の奥底に潜む狂気に語りかけるような物語でした、

  • めちゃくちゃに良かった。

    短編集が苦手な自分がまさかこんなにハイスピードで読めるとは。連作でもなかなか入り込めないタイプなんだが、これはやばいな、ある種長編とも言えるが。

    1つ1つの話が物凄く絶妙。性という本能的な部分を煽ってくるのに適度なエロさというか、薄過ぎず濃過ぎず度を越さないながらも、どこか神秘性も感じてしまうような絶妙さ。各話の終わり方もまた絶妙。

    『ヴィーナスたちの種蒔き』ってタイトル秀逸過ぎんか、、、

    あとがきがめちゃくちゃに良いな。大石圭氏は初めて読んだが、あとがき読む限り、著者の感覚・思考が物凄く好きなのでこれから読み漁りやす。

    「この世の富と幸福は、とてつもなく偏って分配されている」ねえ、、、

  • 大石圭にしては珍しく、刑事目線からの短編集だった。誰の心の中にも少しくらい、この刑事のような一面があると思う。自分がこの立場になればどう行動するのだろう。冷静さを維持できる自信はなさそうなところが怖い。

  •  連作短編集。

     犯罪者が取り調べで、何をしたかを語る形で、夏、秋、冬、春と続いていく。
     ま、最後で、へ、ってなるんだけどね。
     なんというか、舞台で急に暗転して全く別の場所にスポットがあたる、そんな感じ。
     確かに、その場所があったのはわかているし、見てもいたのに、気づいていなかった、そんな感じ。

     で、犯罪は、死体にかかわってくるもので…。
     なかなかエグかったです。
     物理的にも心理的にも。

     方向ややり方が間違っていて、それらは愛情からくるといえばそうなのだろうけど、愛情に間違いはないというかもしれないが、やっぱり狂っているものはある。
     一体、何が狂わせてしまうのか。
     つか、狂ってしまうときに、理性は歯止めにならないのか。

     と、人間の根本的な問題を考えてしまうのである。

     面白かった。

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著者プロフィール

1961年、東京都出身。法政大学文学部卒業。93年、『履き忘れたもう片方の靴』で第30回文芸賞佳作を受賞し、デビュー。『アンダー・ユア・ベッド』『殺人勤務医』『絶望ブランコ』『愛されすぎた女』『裏アカ』など、著書多数。2019年には『殺人鬼を飼う女』『アンダー・ユア・ベッド』が立て続けに映画化され、話題に。

「2022年 『魚影島の惨劇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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