お電話かわりました名探偵です (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.22
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本棚登録 : 210
感想 : 21
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041098752

作品紹介・あらすじ

Z県警本部の通信指令室。その中に電話の情報のみで事件を解決に導く凄腕の指令課員がいる。千里眼を上回る洞察力ゆえにその人物は<万里眼>と呼ばれている――。ある日の深夜、通報に応答していた早乙女廉は『イエが盗まれた』という一報を受ける。思いもよらぬ訴えに動揺していると、割り込んでくる声が。その声の主こそ、<万里眼>こと君野いぶきだった。果たして事件の真相は? 電話越しに謎に迫る、新感覚警察ミステリ!

感想・レビュー・書評

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  • 通信指令室に次々かかってくる110番通報。その電話の内容だけで真相を推理し事件解決に導くという新鮮な設定。

    家を盗まれた、大根が一センチ減っている、空室のはずの部屋から大勢の足音がする、厳重に警備されている筈の屋敷内の壁に落書きがされていた…など。

    中にはいたずらかと思われるような通報もあるが、相手の話を丁寧に聞く中で何が起こっているのか、さらには通報者の心の中まで見通すのが君野いぶき巡査、二十八才。年齢よりも幼く見える顔と声のために通報者からは侮られることもあるがその印象は次第に覆っていく。

    設定としては面白かったし、内容も日常系に近い感じで読みやすかった。最後の話は違っていたが。
    ただ個人的にはキャラクターにどうにも馴染めなかった。
    主人公の早乙女廉と探偵役の君野いぶきのすれ違いな恋愛模様は少女マンガチックで若い読者なら面白がれるのかも知れないが、アラフィフには痛々しくてその場面になると作家さんには申し訳ないが読み飛ばしてしまった。
    続編がありそうな雰囲気の終わり方だが、この一作でお腹いっぱいになった。

    ただ通信指令室の大変さは伝わってきた。緊急性のある通報はわずか三割、大半は警察官が出動する必要すらない内容。
    いたずらもあるだろうし、寂しくて話し相手が欲しいだけの人もいるだろう。認知症や何らかの障害を持った人が掛けてくる理屈の通じない通報もあるだろう。
    しかしそうした大半の通報を雑に扱っていいとも限らない。その中に事件性や重大性のある通報が隠れている可能性もある。
    神経を使う仕事であることは間違いない。
    この作品のように緊急通報でナンパをしてくる輩もいるのだろうな。

  • 佐藤青南『お電話かわりました名探偵です』角川文庫。

    県警本部の通信指令室を舞台にした連作ミステリー。書き下ろし短編5編を収録。

    君野いぶきは、電話の情報だけで事件を解決する伝説の指令課員で、『万里眼』と呼ばれていた。『閻魔様』から今度は『万里眼』。安楽椅子探偵的な設定で、軽く読めるのに謎解きもあり、まあまあ面白い。しかし、ストーリーがあっさりし過ぎていて、『閻魔様』の方が面白いかな。

    『CACE 1 家を盗まれた女』。深夜に買い物に行き、帰って来たら家を盗まれたと言う老女。老女の代わりに県警本部の通信指令室に通報した若い女性。通報を受けた早乙女廉は『イエが盗まれた』という一報に動揺していると、先輩の君野いぶきが割り込んで来る。

    『CACE 2 誰かが大根を食べた』。留守中の部屋に忍び込み、大根を1cm食べ、炭酸水を飲んで、綿棒を1本使ったのは誰なのか。通報者の疑問に君野いぶきが挑む。

    『CACE 3 マンションに潜む幽霊』。マンションの上の部屋から聞こえる子供の足音の謎に君野いぶきが挑む。

    『CACE 4 幻の落書き魔』。セキュリティのしっかりした高級住宅地にある政治家の家で起きた落書き事件。誰がどうやって書いたのかという謎に君野いぶきが挑む。

    『CACE 5 人を呪わば』。男女の恋のもつれから……5編目となると少し厭きてきたな。

    本体価格680円
    ★★★★

  • 安楽椅子探偵モノとしてはサクサク読めて面白い内容です。
    合間にあるラブコメがどうも合いませんでした。なんでだろう、別にラブコメが苦手というわけではないのですが。

    それにしても110番通報ってかなりの頻度なことに驚きました。119も併せて適切に使用したいですね。

  • ややコメディタッチですが、推理のロジックはしっかりしています。シリーズ化しそうな雰囲気がありますが、探偵役が現場に出ないという制約を今後どうしていくかですね。

  • 通信司令室を舞台にしたミステリー。
    通報者との会話だけで真実に迫る...
    いわゆる『安楽椅子探偵物』でしょうか?

    『千里眼』を超える『万里眼』の異名を取る君野いぶき巡査長。

    そして、声と名前だけはイケメンの早乙女廉。実は、異性との会話もおぼつかない、優柔不断な軟弱者。

    通報内容は、不可思議なものばかり...
    ・家が盗まれた
    ・誰かが大根を食べた
    ・マンションの上の階に幽霊が出た
    などなど

    早乙女と君野は、不可思議な謎を解けるのか?
    2人のコミカルなすれ違いも、面白いですね。

  • 通信司令部を舞台にした新作。
    電話の通報内容だけで、真実を見抜く「千里眼」を超えて「万里眼」と呼ばれる君野いぶきの活躍を描く。
    出版社は違うだけで、内容はほぼ「楯岡絵麻シリーズ」と似たような感じ。取り調べ室が通信司令部になっただけで、若手でイケボイスの早乙女廉とのやり取りも、全く新鮮さが感じない。
    「イエが無くなった」「人が住んでいないはずの部屋から足音がする」など、問い合わせ内容はなかなか面白かったし、ラストを除き、大きな被害者がいないので、ライトな警察小説としては楽しめるかも。

  • 新シリーズの始まりか?内容はそんなに重くなくてスラスラ読み進められる。ところどころに入ってくるラブコメ的要素が邪魔な感じはするし、早乙女くんのキャラもかなりウザいし、いぶき先輩の普段のキャラも良く分かりにくい。
    ただし、安楽椅子探偵モノとしての鋭さは面白く、電話でのやりとりから解決していく流れはよくできている。
    今回は事件そのものも大したものではないので短編集としては成立しているが、次々回くらいには長編でも読んでみたいと思う(多分、次に出るとしても短編集だと思うので)。
    キャラと事件がうまく結びつくともっと面白くなるかも。

  • 110番通信指令室にかかってくる電話の中から緊急性ありなしの判断をしつつ、電話越しに小さな事件もその場でサクサク解決してしまうお話。

    短編5話。

    気軽に謎解きを楽しみたい人におススメの一冊。
    初心者・素人でもじっくり考えて頑張れば解けるかも・・・?と思わせてくれる仕上がりとなっております。
    (とはいいつつもなかなか難しいですけどね・・。)

  • 最後のは流石の私でも分かったぞ。

  • 気分転換には良いけど早乙女といぶきとの関係はドキドキよりイライラしちゃうな。通信司令室が舞台というのが少しユニークでその『少し』が良い。

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著者プロフィール

佐藤青南

1975年長崎生まれ。「ある少女にまつわる殺人の告白」で第9回『このミステリーがすごい! 』大賞優秀賞を受賞し、2011年同作でデビュー。16年に『白バイガール』で第2回神奈川本大賞を受賞。ドラマ化された「行動心理捜査官・楯岡絵麻」シリーズ、「白バイガール」シリーズをはじめ、著作多数。

「2021年 『連弾』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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