六人の嘘つきな大学生

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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041098790

作品紹介・あらすじ

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■■各種ミステリランキングで話題沸騰中■■

『このミステリーがすごい! 2022年版』(宝島社)国内編 8位
週刊文春ミステリーベスト 10(週刊文春 2021年 12月 9日号)国内部門 6位
「ミステリが読みたい! 2022年版」(ハヤカワミステリマガジン 2022年 1月号)国内篇 8位
『2022本格ミステリ・ベスト10』(原書房)国内ランキング 4位


成長著しいIT企業「スピラリンクス」が初めて行う新卒採用。最終選考に残った六人の就活生に与えられた課題は、一カ月後までにチームを作り上げ、ディスカッションをするというものだった。全員で内定を得るため、波多野祥吾は五人の学生と交流を深めていくが、本番直前に課題の変更が通達される。それは、「六人の中から一人の内定者を決める」こと。仲間だったはずの六人は、ひとつの席を奪い合うライバルになった。内定を賭けた議論が進む中、六通の封筒が発見される。個人名が書かれた封筒を空けると「●●は人殺し」だという告発文が入っていた。彼ら六人の嘘と罪とは。そして「犯人」の目的とは――。

『教室が、ひとりになるまで』でミステリ界の話題をさらった浅倉秋成が仕掛ける、究極の心理戦。

感想・レビュー・書評

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  • 何度ひっくり返せば気が済むんですか・・・。
    就活生×密室×ミステリー。

    ひっくり返されまくって、こちらの感情もあっちこっちへ。高低差あり過ぎて耳キーンなるわ!とツッコミたくなるほどだ。

    とにかく手に取り、是非とも読んで欲しい。
    事前に情報を入れない方がより直接に、胸に迫るものがあるはず。

    就職活動とか就活生という狭い括りではなく、人間て何だろうと思わせられる。

    読後あなたが胸に抱くのはどんな感情だろうか。
    そんなもんだろうという諦念か、そんなに捨てたもんじゃないという希望に似た何かだろうか。

    • きたごやたろうさん
      またまた私の本棚に「いいね」をありがとうございます。
      この本もいいですよね!
      またまた私の本棚に「いいね」をありがとうございます。
      この本もいいですよね!
      2024/09/19
    • Tomoyukiさん
      きたごやたろうさん
      面白かったです!
      きたごやたろうさん
      面白かったです!
      2024/09/19
  • ストレートなミステリーかと思いきや、かなりコンセプトを練り込んだ作品で、そこに驚かされた。これから読む方もいると思うので、多くは書けないが、これを読むと、人なんて簡単に評価もできないし、完璧な人なんて存在しないと改めて感じる。最近のSNS叩きとかにも通ずるものがある。
    いま就職活動をしている新卒の方は読みたくもないかもしれないが、実際のところはこんなものだと思って、あまり深刻にならないで自分らしく頑張って欲しいと切に願う。 ★4.2

  • 事実とは何か。欲が働くとき、一面的な自分に都合の良い捉えになりがち。捉え方は人によって様々、それが合わさって、事実に近づく。鵜呑みにせずに、物事を捉えることの難しさ。

  • いやー、これは面白かった!
    文句なしに面白かった!
    題名の通り、就活中の六人の大学生の裏の顔がどんどん見えてくるというお話。
    でも、ここまでで本の半分しか進んでいないのです。
    大事なのはここから先。映画の『カメラを止めるな』ではないか!と思ってしまいました。
    前半だけ読んでもそれはそれで面白い話。でも、作者が伝えたいのはここから先。
    見事なまでに読者を騙し、翻弄してくる物語だと思います。
    前半を読んでいると就活の難しさ、怖さがこれでもか!というほど描かれていて、自分はその年代をとっくに通り過ぎているおばさんで良かったよ〜、こんな思いしたくないよ〜と思ったり、我が子の就活の時を想像すると気が遠くなってしまったり‥‥汗汗汗
    でも、この後の二転三転で読者の気持ちも変わってくると思います。
    『月の表と裏』ですね。表と裏をひっくるめて月。
    裏を見てショックを受けることもあるだろうけれど、また表が見えた時には、きちんと自分の中の月のイメージを更新すること、これが『フェア』なんだと思います。
    前半を読んでいた時には、これは我が子に読ませるのは酷だ‥‥と思っていたけれど、読み終わった今は是非とも読んでもらいたいかもしれないです。

  • 最近読んだ本の中では、ダントツ一番面白かった。

    まずは読みやすさ。
    どんどん話が進んでいく為全く飽きさせない。

    これでもかという伏線回収。これは推理小説読みには心地良いはず。

    物語そのものがとても惹きつけられる。

    就職活動中の6人の物語なのだが、朝井リョウ先生の何者を読んでいた為、一人称の人間に兎に角注意を払ってしまう自分に笑える(笑)
    どいつもこいつも、疑いの眼差しを向けてしまう。はてさて、これは犯人探しの物語なのか??


    著しく成長しているIT企業、
    スピラリンクスが初めて行う新卒採用の最終選考に残ったのは6人。

    彼ら6人の大学生に与えられた最終課題は、一ヶ月後までに6人でteamを作り、ディスカッションすること。
    このディスカッションが上手くいけば、6人全員の内定が決まるということで、6人の絆が深まる。
    それぞれに得意分野を活かし、情報を集め、議論し合う。
    最終選考に残るだけの人材だけあって、誰もがそれぞれの長所を活かし、良い仕事をする。素晴らしいチームが出来上がっていく。

    そんな時、突然ディスカッションの課題の変更が全員に告げられる。

    最終選考に残った6人が、この中で誰が内定に相応しいのかを議論することになったのだ。
    相応しいと判断された者は内定、それ以外の5人は落とされることになる。

    前向きに議論が始まるが、議論の途中、不可解な6通の封書が発見される。

    それには各々の罪が告発されていた。。。


    この物語には色々な面白さがある。
    単なる犯人探しでは終わらない、気持ちの奥の問題。
    私には突き刺さった。
    心臓ぶち抜かれた感がある。

    何者を読んだ時もそうだったのだが、この本は逆の意味で凄い衝撃を受けた。




    ちょっと学習した。
    誰にでも一つや二つ、人に言えない罪があったり、悪いところがあったりするけど、それってそれが全部その人の本質じゃないよね??
    ほんの一部だよね??

    そのほんの一部見て、人を判断してない??
    結局その人の本質なんて、何にも見抜けてないんだよ。

    って、自分に言いたくなった。
    凄く良い本に出会えた。

  • 騙された…
    てっきり、パスワードは
    「jasmine tea」だと思ったし、
    犯人も嶌さんだと思ってた。
    主人公は「犯人の嶌さん」に
    手紙を書いたんじゃなかったなんて。

    森久保君のインタビューを
    聞くまで、内定をとったのは
    主人公だと思っていた。

    まさか、
    死んだのは、
    主人公だったなんて。

    好青年のふりをした
    腹黒大魔王さん、
    あなたは全てを
    見抜いていたのですね。

    でも、好青年というのも
    腹黒というのも、
    ただの一面でしかない。

    なぜ、あんなに芸能人が
    出てくるのかと思ったら、
    …ああ、そうだったのか。


    全てを裏切られた気分

  •  とっても楽しく読めました。
     現在と過去、構成が巧み、というか、すべてについて、切り貼り、言葉の使い方が絶妙。犯人、全く分かりませんでした。

     この本、伏線がすごいとか。たしかに本書の画像にも「すべての伏線を見破れ」と書いてあります。
     自分はどれだけ見破ったのか?自己採点は100点満点の、おまけの10点くらいかな。みなさんはどうでしょうか?
     伏線って、後から「あゝ!あれが伏線でこれが回収か・・・」と楽しむのか、伏線らしき一文を見つけたらどう回収するか予想して楽しむのか。初心者の自分には、楽しみ方が今一つ掴めていないように思います。ミステリのパーソナルトレーナーにコーチをお願いしたいです。

     就活のお話なので、自分の新卒・転職時のことを思い出し、ちょっと重い気持ちで読み始めました。しかし、読み進めるほどに、自分にはゲーム感が強く感じられ、楽しさが上回っていました。
     就活生のみなさん、大変だと思うのですが、それに向き合う人事の皆さんも大変ですよね。
     正論振りかざされて、悪く言われっぱなしで、本当にお気の毒です。

     人事の方なら涎が出そうなほど優秀で、それぞれの試練を乗り越えた、彼らが、いつか再開したとき、何かがスパークして、すごいビジネスが生まれそうな予感を、感じさせてくれたラストにも感動しました。

  • ◇◆━━━━━━━━━━━━
    1.あらすじ 
    ━━━━━━━━━━━━◆
    スピラリンクス内定に向かって、最終選考に残った6人。
    その優秀な6人を中心として、物語は展開していきます。
    序盤は波多野の視点で展開していきますが、49ページから一気に流れが変わっていきます。


    ◇◆━━━━━━━━━━━━
    2.感想
    ━━━━━━━━━━━━◆
    いろいろな人にオススメされて、図書館で2月に予約したのが、ようやく手元に届きました。待っていた期間とは違って、サクッと読み終わってしまいました。

    とても読みやすく、登場人物も少ないので、すんなり物語に入り込んでいくことができました。
    ウソとホントが入り混じって、何が真実なのかわからなくなるような感じがあり、とても読み応えのある作品でした。

    読後感に気持ちよさのようなものはないですが、とても面白い作品でした。


    ◇◆━━━━━━━━━━━━
    3.主な登場人物 
    ━━━━━━━━━━━━◆
    スピラリンクス

    鴻上達章 たつあき 人事部長

    6人
    ①波多野翔吾 
    立教で経済学
    目立って成績が良いわけでない
    笑い上戸

    ②嶌衣織 
    女性 色白、小柄 
    早稲田で社会学
    下戸
    勤勉

    ③九賀蒼太 
    クガ イケメン 
    慶応で総合政策学
    リーダーシップに長けている

    ④袴田亮 
    大柄 187センチ 
    高校時代は野球部キャプテン 
    明治大学
    まとめるのがうまい
    体育会系、お酒飲める
    明るい

    ⑤矢代つばさ 
    美人 
    お茶の水女子大学 国際文化
    酒が強い
    視野が広い

    ⑥森久保公彦 
    縁なしメガネと鋭い目つき 
    一橋大学
    酔うと卑屈になる
    優秀


  • 2011年に就活でスピラリンクスという急成長中のIT企業を受けて五千人以上の学生の中から選ばれた最後の六人はチームディスカッションをすることによって全員内定の可能性があると人事部長の鴻上に言われますが、前言は撤回され、採用枠は一つになりグループディスカッションで「六人の中で誰が最も内定にふさわしいか」を議論することになります。

    そのディスカッションの場に皆が知らぬ間に六人全員用の告発写真が入った封筒が何者かの手によって用意されていて、皆の絶対に知られたくない秘密が暴かれていきます。

    前半の主人公波多野翔吾は、あまりにも軽い罪と写真が撮られた日のアリバイのなかったことから、封筒を用意した犯人にされ、内定は波多野が好きだった女子学生、嶌衣織に決定します。

    それから8年後、波多野が悪性リンパ腫によって亡くなり、嶌は8年前のメンバーを一人一人訪ねて行きます。
    すると、一人の元学生に「犯人は波多野君じゃなく嶌さんだったのでしょう」と言われ真相を調べ出します。

    以下私の感想ですが、ネタバレしていますので、お気をつけください。



    波多野が病気で亡くなっていたけれど、真犯人をとっくの昔に突き止め告発せずにいたことはよかったです。他の超一流企業で働いていたことも救われた気がしました。
    他の学生も告発されたことは、事実とはかなり違っていたことがわかり、内定者も嶌さんでよかったと思いました。
    波多野が使用していたパスワードは『フェア』でした。

  • 浅倉秋成さんの作品を初読み。
    就活ミステリーという斬新なテーマと先の読めない展開に、読む手が止まらないおもしろさだった。

    就活のグループディスカッションから、人の表と裏、光と闇を描くストーリー。
    就活を経験した社会人なら、誰もが共感できる内容だと思った。
    人の闇を描きつつも、最後は光を描いていたところがすばらしかった。

    こんなにおもしろい小説と出会えてうれしい。
    著者の最新作"俺ではない炎上"を早く読みたい。

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著者プロフィール

1989年生まれ、小説家。関東在住。第十三回講談社BOX新人賞Powersを『ノワール・レヴナント』で受賞しデビュー。『教室が、ひとりになるまで』で推理作家協会賞の長編部門と本格ミステリ大賞の候補作に選出。その他の著書に『フラッガーの方程式』『失恋覚悟のラウンドアバウト』『六人の嘘つきな大学生』など。

「2023年 『六人の嘘つきな大学生』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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