六人の嘘つきな大学生

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 16370
感想 : 1378
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041098790

作品紹介・あらすじ

成長著しいIT企業「スピラリンクス」の最終選考。最終に残った六人が内定に相応しい者を議論する中、六通の封筒が発見される。そこには六人それぞれの「罪」が告発されていた。犯人は誰か、究極の心理戦スタート。

感想・レビュー・書評

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  • いやー、これは面白かった!
    文句なしに面白かった!
    題名の通り、就活中の六人の大学生の裏の顔がどんどん見えてくるというお話。
    でも、ここまでで本の半分しか進んでいないのです。
    大事なのはここから先。映画の『カメラを止めるな』ではないか!と思ってしまいました。
    前半だけ読んでもそれはそれで面白い話。でも、作者が伝えたいのはここから先。
    見事なまでに読者を騙し、翻弄してくる物語だと思います。
    前半を読んでいると就活の難しさ、怖さがこれでもか!というほど描かれていて、自分はその年代をとっくに通り過ぎているおばさんで良かったよ〜、こんな思いしたくないよ〜と思ったり、我が子の就活の時を想像すると気が遠くなってしまったり‥‥汗汗汗
    でも、この後の二転三転で読者の気持ちも変わってくると思います。
    『月の表と裏』ですね。表と裏をひっくるめて月。
    裏を見てショックを受けることもあるだろうけれど、また表が見えた時には、きちんと自分の中の月のイメージを更新すること、これが『フェア』なんだと思います。
    前半を読んでいた時には、これは我が子に読ませるのは酷だ‥‥と思っていたけれど、読み終わった今は是非とも読んでもらいたいかもしれないです。

  • 2011年に就活でスピラリンクスという急成長中のIT企業を受けて五千人以上の学生の中から選ばれた最後の六人はチームディスカッションをすることによって全員内定の可能性があると人事部長の鴻上に言われますが、前言は撤回され、採用枠は一つになりグループディスカッションで「六人の中で誰が最も内定にふさわしいか」を議論することになります。

    そのディスカッションの場に皆が知らぬ間に六人全員用の告発写真が入った封筒が何者かの手によって用意されていて、皆の絶対に知られたくない秘密が暴かれていきます。

    前半の主人公波多野翔吾は、あまりにも軽い罪と写真が撮られた日のアリバイのなかったことから、封筒を用意した犯人にされ、内定は波多野が好きだった女子学生、嶌衣織に決定します。

    それから8年後、波多野が悪性リンパ腫によって亡くなり、嶌は8年前のメンバーを一人一人訪ねて行きます。
    すると、一人の元学生に「犯人は波多野君じゃなく嶌さんだったのでしょう」と言われ真相を調べ出します。

    以下私の感想ですが、ネタバレしていますので、お気をつけください。



    波多野が病気で亡くなっていたけれど、真犯人をとっくの昔に突き止め告発せずにいたことはよかったです。他の超一流企業で働いていたことも救われた気がしました。
    他の学生も告発されたことは、事実とはかなり違っていたことがわかり、内定者も嶌さんでよかったと思いました。
    波多野が使用していたパスワードは『フェア』でした。

  • 浅倉秋成さんの作品を初読み。
    就活ミステリーという斬新なテーマと先の読めない展開に、読む手が止まらないおもしろさだった。

    就活のグループディスカッションから、人の表と裏、光と闇を描くストーリー。
    就活を経験した社会人なら、誰もが共感できる内容だと思った。
    人の闇を描きつつも、最後は光を描いていたところがすばらしかった。

    こんなにおもしろい小説と出会えてうれしい。
    著者の最新作"俺ではない炎上"を早く読みたい。

  • ◇◆━━━━━━━━━━━━
    1.あらすじ 
    ━━━━━━━━━━━━◆
    スピラリンクス内定に向かって、最終選考に残った6人。
    その優秀な6人を中心として、物語は展開していきます。
    序盤は波多野の視点で展開していきますが、49ページから一気に流れが変わっていきます。


    ◇◆━━━━━━━━━━━━
    2.感想
    ━━━━━━━━━━━━◆
    いろいろな人にオススメされて、図書館で2月に予約したのが、ようやく手元に届きました。待っていた期間とは違って、サクッと読み終わってしまいました。

    とても読みやすく、登場人物も少ないので、すんなり物語に入り込んでいくことができました。
    ウソとホントが入り混じって、何が真実なのかわからなくなるような感じがあり、とても読み応えのある作品でした。

    読後感に気持ちよさのようなものはないですが、とても面白い作品でした。


    ◇◆━━━━━━━━━━━━
    3.主な登場人物 
    ━━━━━━━━━━━━◆
    スピラリンクス

    鴻上達章 たつあき 人事部長

    6人
    ①波多野翔吾 
    立教で経済学
    目立って成績が良いわけでない
    笑い上戸

    ②嶌衣織 
    女性 色白、小柄 
    早稲田で社会学
    下戸
    勤勉

    ③九賀蒼太 
    クガ イケメン 
    慶応で総合政策学
    リーダーシップに長けている

    ④袴田亮 
    大柄 187センチ 
    高校時代は野球部キャプテン 
    明治大学
    まとめるのがうまい
    体育会系、お酒飲める
    明るい

    ⑤矢代つばさ 
    美人 
    お茶の水女子大学 国際文化
    酒が強い
    視野が広い

    ⑥森久保公彦 
    縁なしメガネと鋭い目つき 
    一橋大学
    酔うと卑屈になる
    優秀


  • とても面白かった~。
    就活で起こった事件の、謎を解く新感覚な、ミステリー。こんな本を書ける浅倉秋成さんは、着眼点鋭いなぁ…!!って思って興味深く思って読みたかった本。
    そして、(いつものように)タイトルからして気になって手に取り。思った通り面白くて正解でした―
    こちらの気持ちが二転三転させられそれ以上にたくさん翻弄され、散りばめられた伏線を最後にちゃんと回収してくる、スッキリ見事な構成で面白くて、
    一気読みだった。読後感も、とても良かった。

    この本を読んでいろいろ考えさせられた。
    自分自身だって、いろんな面を持っていて、私なのだから、一面だけで判断されるのは悲しい訳で。
    だから私も、人の一面だけをみて、その人を全てわかったつもりになったり、決めつけることはしないようにしよう。(この本の登場人物達の一面をみて、いい人だとか、クズだ、と決めつけて読んでしまったからね、反省。)
    気を付けようということを改めて感じた。

    ミステリーでありながら、いろいろとメッセージ性ある作品だと思った。この本は作者からの就活生に対する励まし、エールの本だと感じた。
    就活って本当に本当に大変だと思う。
    自分の人生、この就活にかかっている!!って
    心身ともにすごーく大変な思いをして頑張っているすべての人に。私もエールをおくりたいな、と思った。
    「お祈りメール」ばかり届いたとしても、人格を否定された訳では、決してない!!
    就職試験の、短い期間で会社が、人を選ぶ事は難しすぎる事なのだから。

    ただ、運が悪かっただけ。
    気落ちせずに頑張れ~!!

  • 騙された…
    てっきり、パスワードは
    「jasmine tea」だと思ったし、
    犯人も嶌さんだと思ってた。
    主人公は「犯人の嶌さん」に
    手紙を書いたんじゃなかったなんて。

    森久保君のインタビューを
    聞くまで、内定をとったのは
    主人公だと思っていた。

    まさか、
    死んだのは、
    主人公だったなんて。

    好青年のふりをした
    腹黒大魔王さん、
    あなたは全てを
    見抜いていたのですね。

    でも、好青年というのも
    腹黒というのも、
    ただの一面でしかない。

    なぜ、あんなに芸能人が
    出てくるのかと思ったら、
    …ああ、そうだったのか。


    全てを裏切られた気分

  • 就活心理ミステリーというのかな。話の内容も展開も構成も読んだことのないタイプで面白かった。面白すぎて一気読み。読後感も良い。
    レビューするのは難しいので印象に残った言葉を引用すると、
    ーー嘘つき学生と嘘つき企業の意味のない情報交換、それが就活。就活って本当に機能しているのか?人の見極め方は?人生は運なのか?ーー
    色んなことを投げかけられた思いだ。企業の採用担当の方にも読んでもらいたいと思った。

    (余談)
    ブクログの“本の詳細”の“詳細を見る”をクリックすると、登場人物6人のエントリーシートが出てくることを発見。本書を読んだ後に見ると面白いかも(本には掲載なし)。
    みんな嘘っぽい^^;また人に読ませたいと思うなら書字は大事。みんな字が汚くないか^^;?
    辛口ごめんなさい。

    • ポプラ並木さん
      なおなおさん、この本は人気本ですよね。朝井リョウ、何者のような感じかな?就活は自分ロンダリングですよね。自分は就職氷河期だったのですが、大学...
      なおなおさん、この本は人気本ですよね。朝井リョウ、何者のような感じかな?就活は自分ロンダリングですよね。自分は就職氷河期だったのですが、大学院に進学したので、就活らしいことはしたことありません。今思うと、自分を売り込むこと、大学生でできただろうか?怖くなります。
      2022/08/21
    • なおなおさん
      ポプラ並木さん、コメントをありがとうございます。
      私も職種が企業ではないので就活らしいことはしたことがないです。
      私だったらもう無理、めげそ...
      ポプラ並木さん、コメントをありがとうございます。
      私も職種が企業ではないので就活らしいことはしたことがないです。
      私だったらもう無理、めげそう、…というかまず最終選考まで残れないと思いながらも読みました。
      就活中に起こるミステリーであり、就活話、採用話、色々な要素が詰まっていて、しかも二転三転してとにかく面白いです。(朝井リョウさん、読んだことなくて例えられなくてすみません)
      ネタバレしてしまうの詳しくは話せないのですが、犯人探しを楽しむポプラ並木さんも楽しめるのではないかなと思います(^^)
      2022/08/21
  • 就活している人に読んでほしい本。

    採用面接の本質をよく突いていると思う。

    採用面接なんて、所詮騙かし合いのゲーム。
    でも、「ゲーム」と思っていないと採る側も採られる側もやってられない。
    ゲームだからこそまだ笑っていられる。

    採用される側は、自分の本質を見極められた上で「不採用」なら「死ね」と言われているようなものだし。

    採用する側から見ると、最近はみんなよく訓練されていて、同じ仮面を被っているから、信じられるのは自分の直感だけなんですよ。
    この人なんとなく嫌いとか好き、とか。

    そういうことがよく描かれていてリアルだと思いました。

    人の裏の顔、汚い部分をこれでもかと描きながら、読後感が悪くないのは素晴らしいな、と。
    面白かった。



    今年最後の方は諸事情により読書量もブクログへの投稿も失速しましたが、なんとか150冊読めました。

    これも、いいね!くれたり、コメントくれたりしてくださる皆さんのおかげです。
    ありがとうございました!
    また、来年もよろしくお願いいたします!

    それでは、良いお年をー!

    • たけさん
      naonao さん、あけましておめでとうございます!

      お言葉に甘えて、今年もからませていただきますね笑
      いろいろ楽しいお話しできると嬉しい...
      naonao さん、あけましておめでとうございます!

      お言葉に甘えて、今年もからませていただきますね笑
      いろいろ楽しいお話しできると嬉しいです。
      よろしくおねがいします!
      2022/01/02
    • くるたんさん
      たけさん♪あけましておめでとうございます。

      ナイスレビューです!
      ちょっとガツンとやられた気分でした。

      今年もよろしくお願いします。
      たけさん♪あけましておめでとうございます。

      ナイスレビューです!
      ちょっとガツンとやられた気分でした。

      今年もよろしくお願いします。
      2022/01/03
    • たけさん
      くるたんさん、あけましておめでとうございます!

      レビューお褒めいただき恐縮ですが、とても嬉しいです。

      今年もお互い、たくさん本が読めると...
      くるたんさん、あけましておめでとうございます!

      レビューお褒めいただき恐縮ですが、とても嬉しいです。

      今年もお互い、たくさん本が読めるといいですね!
      今年もよろしくお願いいたします!
      2022/01/03
  • 比喩でも何でもなく、ただただ騙され続けた!!
    悔しいけど作者の手の中で転がされ続けた!
    二転三転どころじゃない、何十回も何百回も!(さすがに何百回は言い過ぎかもしれないけれど、そのくらい何度も転がされた)
    でもそれが快感!笑

    最初から最後までひたすら激しいジェットコースターに乗っている感覚だった。

    展開が、持って行き方が、ズルイ。
    続きが気になるような話の運び方だった。これはズルイ!!(※褒めてます。笑)


    「こういう作品はだいたいこの人が犯人なんだよなー」と思いながら読み進め、順調に犯人が絞られていき、「ほらほら、やっぱり……」となって。
    だけど途中で「………え!??」となって、頭の中で組み立てていたものが全部壊されてごちゃごちゃになって、一旦冷静になろうと本を閉じた。笑
    そしてその後も「………は…?!?」となり、冷静になろうと本を閉じたタイミングがあった。数回。笑


    本当に面白いミステリーを読んだときって感想が詳細に書けない。ネタバレも含まれてしまうし。
    読んだ人とこの興奮と面白さを共有したい。
    そしてとにかく読むのをお勧めしたい。

    ミステリーってもういろんなトリックや伏線が使われ尽くしたと思っていたんだけど、まだまだ切り口や引き出しは無数にあるんだなと思わせられた。

    本当にジェットコースターのように、最後の最後までワクワクさせられた。脱帽。
    これをまた、全く何も知らない状態で読みたい。
    何も知らずにこれから読む人たちがうらやましい!笑


  • 面白さの穴に落とされた一冊。

    とある企業の新卒採用。最終選考で残った六人。

    なのに選ばれるのはただ一人。

    誰もが採用を獲得したい密室にぶち込まれた過去の黒い情報満載の白い封筒。

    緊迫感溢れる心の闘いに鼓動の高鳴りはいつしか完全色眼鏡の世界へ。

    今が全て?
    流れる時と共にまるで作者のあざ笑いをBGMに色眼鏡の世界が裸眼の世界へ。

    浮き彫りになる六人のあの時には思わず涙さえも滲んだ。

    人が人を選ぶ就活の"現実"も見せられながら、反転していく面白さ、人の多面性が魅せる面白さ、思い込みがもたらす穴に心は見事に落とされた。

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著者プロフィール

1989年生まれ、小説家。関東在住。第十三回講談社BOX新人賞Powersを『ノワール・レヴナント』で受賞しデビュー。その他の著書に『フラッガーの方程式』『失恋覚悟のラウンドアバウト』など。

「2021年 『ノワール・レヴナント』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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