ヘルメースの審判

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 125
感想 : 15
  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041098813

作品紹介・あらすじ

家電商品の発火で死亡事故が発生し、マスコミから経営体質を批判された世界的電気メーカー・ニシハマ。ハーバード大を卒業し、創業一族に婿入りした梶原賢太は政界のフィクサーから、ニシハマが窮地を脱するための極秘計画を持ち掛けられる。それは、モンゴルでの使用済み核燃料の最終処分場建設という、政官財を巻き込む一大プロジェクトだった! 交錯する利権と思惑。賢太はある賭けに打って出るが――。

感想・レビュー・書評

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  • 長編あるあるだが前半は舞台設定と状況説明メインのためなかなかページが進まないが中盤以降はグッと引き込まれる。島耕作と半沢直樹を足したようなスカッとする読後感。

  • 読み応えもあって面白かったですね。
    でも上手く行き過ぎな感じがします。
    もう少し波乱があっていいように思いました。

  •  日本の総合電機メーカーニシハマのニューヨーク副社長の肥後賢太は、アメリカの原子力設備会社IEの買収によって将来的に莫大な損失が発生してしまう事を憂慮していた所、政府筋と日本本社の上層部からモンゴルへの液化天然ガス輸出と使用済核燃料処分をセットで受注する構想を指示される。折下、東北震災の影響真っ只中で事業の主力の一つで有った原発事業は収益が見通せず、新たな事業戦略が必要だった。
     創業家としてのプライドと本社上層部の権力争い、政権争いが渦巻く中で、更に粉飾決算という信じられない事態が発覚する。

     ストーリーは日本の総合電機メーカーでかつてはパソコンでシェア1位だった家電から原子力関連設備迄を製造販売していた東芝の事件を小説にした物だと思います。2017年に原子力メーカーで米国子会社のWHが破産し1兆円の負債を抱え込んだ。またパソコン事業では期末の押し込み、買取前提での前利益操作等、本来なら日本の冠たるメーカーが技術や物創りに邁進するべき所、当時の経営陣のノルマ必達方針の下、モラルが崩壊してしまった。

     小説は、ニシハマの社風が学閥有りき会長・社長は雲の上の人、上司命令は絶対服従等年功序列の短所を突いている。かと言って年俸制でスキルだけで生き馬の眼を抜く様なビジネスを繰り返すアメリカ的なやり方も納得出来ないです。この手の経済小説では金額や登場人物が別世界、エリート世界過ぎて感情もあまり湧かないのでサラッと読めてしまいます。

  • どうなっちゃうのかな、実際の◯芝

  • 大企業にとって切っても切れない粉飾、癒着、学閥。熾烈な闘いを生き残るには、運や人脈、度胸に先見の明があってこそなのだと思った。権力にいつまでも縋る旧態依然の経営陣には嫌気が差した。

  • 巨大企業ニシハマの創業者に連なる系譜を持つ主人公梶原賢太。毛並みの良さとハーバード大学出身という能力を武器に会社改革に乗り出すが挫折、国籍や所属企業に拘泥せず国際企業社会で生き抜く決意をするが…。大企業病に陥った会社に商人の守護神ヘルメースの審判は下る!

  • 東芝をモチーフにして書かれたお話だったとは。
    日本はこうやって外国からおいていかれてるのかと思うととても悲しい気持ちになったが
    国民感情というか、人を信じてビジネスを行うとかやはり譲れないものもあるのではと思ったりもした。学閥や海外経験のある主人公の歯がゆさも充分過ぎるほど感じたが、立場を変えて描くと全然違った物語になりそう。ラストのどんでん返しには思わずうまく行きすぎと笑ってしまった。世の中そんなに甘くないような気がするけど。会社は立ち直ってほしいから○だね。

  • 面白かった。
    内容が東芝の事例をモチーフにしているだけにある程度先が分かってしまうのがちょっと残念だった。

    著者の著作は社会問題を批判してビジネスプランで解決すると言う手法だが今回は日本の経営体質に関する批判が主で解決するビジネスプランとしては弱かった。と言うより解決しようがないんだと思う。
    著者の元米国勤務と言う海外からの日本企業に対する視点がよく出ていた。

  • 楡周平さんの企業小説はいつも楽しんでいる。
    今回は某大手家電メーカーを模した内容。老舗の家電メーカーの凋落を描いている。
    日本企業がここまで学歴やら「失敗を恐れる」体質になっているとはあまり思えないが、しかし多くの企業がGAFAになりきれなかったのも事実。
    昨今のベンチャー成功者と比してXX連合会やらXX同友会が大企業の老人を中心に運営されていることを見ると変化が必要なのは誰が見てもわかる。
    そういった日本企業のアンチテーゼでもある作品。
    最後は楡さんお得意のどんでん返しが面白かった。

  • 明るい終わり方かな。

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著者プロフィール

楡周平(にれ・しゅうへい)1957年生まれ。慶應義塾大学大学院修了。米国企業在職中の1996年に発表した初の国際謀略小説『Cの福音』がベストセラーに。翌年から作家業に専念、綿密な取材と圧倒的なスケールの作品で読者を魅了し続けている。主な著書に『象の墓場』『プラチナタウン』『ドッグファイト』『レイク・クローバー』『バルス』などがある。

「2021年 『サリエルの命題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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