白日

  • KADOKAWA
3.11
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感想 : 51
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041098844

作品紹介・あらすじ

 千日出版の教育部門で課長を務める秋吉に衝撃的な情報が入った。事業を率いる梶原局長の中3の息子が、謎の転落死を遂げたというのだ。部署が一大プロジェクト――大手進学塾と合併し社を独立、IT企業との提携のもと、最新技術を駆使した[引きこもり・不登校対策]を打ち出す新時代の高校を開校――に臨んでいたときだった。
 プロジェクトは一時中止になり、事故ではなく自殺という噂が社内では急速に広まる。秋吉は部下の前島と調査を開始するが、人事課の飴屋から警告される。以前から、社長派と専務派が対立する社内。会社の上層部は秋吉に隠蔽を働きかける。少年の死という状況のもと、彼らが気にするのは自社の利益追求と保身だった。

 信頼できない上司、暴走する部下、情報戦の様相を呈す社内派閥抗争……。もはや社内に信用できる者はいない――。

 子どもたちの未来のために新しい学校をつくる、その志を持って教育事業を推進してきた秋吉の運命は。少年の死の真相は。
 現代社会の欺瞞を暴き希望のありかを探る、明日のサラリーマン・エンタメ!



===
会社組織の中で生きる者として、
そして、一人の父親として、
いかに「人間」でいられるか――。

第10回〈山田風太郎賞〉受賞作家の会心作!

感想・レビュー・書評

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  • どうやら月村さんが描く作品には
    スケールの大きい問題提示を求めているようです、個人的に。読んできた順番の影響も大いにあるとは思いますが。

    本作は出版社の教育部門が手掛ける私学創設を中心に、日本の会社組織のしがらみと昨今の不登校などの問題提起が軸となっています。
    しかしいずれも中途半端に感じられ、半分以上義務感で読んだと言っても過言ではないかな。
    中途半端に登場人物が多いこと、争点がぶれることが私が思い当たる大きな理由です。

  • 面白かったけれど、会社での生き残り合戦のような感じで深みに欠けるような気がした。

  • 出版社が、引きこもり・不登校対策を打ち出す新時代の学校を設立しようという一大プロジェクトに邁進していた最中に局長の息子の死。
    謎の転落で事故か自殺か…
    社内では派閥抗争が…という展開で一気読み。
    いかにも現代に起こり得る社会的展開だった。

    以前、「欺す衆生」を読んだがこちらは豊田商事を彷彿とさせる物語でテレビニュースを見ていた者として胸にくる生々しさがあった。

    この「白日」にしてもいかにも現代にありそうな題材で頭の中でカメラが回っているかのような描写が鮮明に浮かんでくるのは不思議な気分だ。

  • 率直に、もうひとひねり(もうひと展開)あると締まったエンディングになったような気がする。

    社内権力抗争をする大人とは対称的に、生きづらく繊細な思春期を過ごす子供たちが描かれていて、大人になることってなんだろうな…と考えさせられた。

  • 今回も作者の切り口に驚かされた。組織で生きていくためにはしたたかさや抜け目のなさは必要なのかもしれないが、1本の芯が入っていなければ意味はないのかなと感じた。作中のターニングポイントは悟の行動だが、かれを連れてきた敦史が影の殊勲者であろう。

  • カドブンノベル2020年1〜8月号掲載のものに加筆修正し、2020年11月KADOKAWAから刊行。学校特区を使った斬新な通信制高校を創ろうとする企業プロジェクトのリーダが、突然のプロジェクト延期の原因を探る企業サスペンス。月村さんの筆力で、ラストまで、どきどきしながら、引っ張られました。あらためて考えると、荒唐無稽さが過ぎるというか、いくら何でもこんな風にはならないんじゃないかなと考えたいです。これってある意味、冗談なような展開です。

  • 面白かった。
    けど、最後みんないい人っぽく終わるのは物足りない感じだったかな。

  • 面白かったけど、機竜警察の方がおもしろかったかな。それぞれの人のキャラが立っており、わかりやすい。

  • 結局そうなるのね…

  • 一気読みしたが、納得は出来ないなぁ〜

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著者プロフィール

1963年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部文芸学科卒。2010年『機龍警察』で小説家デビュー。12年『機龍警察 自爆条項』で第33回日本SF大賞、13年『機龍警察 暗黒市場』で第34回吉川英治文学新人賞、15年『コルトM1851残月』で第17回大藪春彦賞、『土漠の花』で第68回日本推理作家協会賞、19年『欺す衆生』で第10回山田風太郎賞を受賞。近著に『暗鬼夜行』『奈落で踊れ』『白日』『非弁護人』『機龍警察 白骨街道』などがある。

「2021年 『ビタートラップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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