- 本 ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041098868
作品紹介・あらすじ
遠島からの赦免を受け、鹿児島に戻った吉之助。しかし不在の間にふるさと薩摩は異国の砲撃を受け、国内には尊皇攘夷の風が沸き起こっていた。そして吉之助は、政のただ中へ。新しき時代、維新編!
感想・レビュー・書評
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西郷どんの真っ直ぐで人懐こい性格に惹かれた。薩摩弁、雰囲気があって良かった。
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西郷隆盛が明治維新に重要な役割を果たしたということは教科書の歴史で知っていたのですが、ここまで中心にいたというのは知りませんでした。最後のほうは薩摩に下野して百姓として生きようとしましたが、それでも最後は日本の将来のために死んでいく。現代の日本に多大な影響を与えていたのがわかりました。
隆盛が下野すると薩摩出身の男たちがみんな辞任して帰還したといいます。隆盛の人望の厚さを息子の菊次郎が隆盛を「ハーメルンの笛吹き」に例えていたのが印象的でした。
この小説では、西郷隆盛の性格や感情を描いているのがとても興味深く、勝海舟のなめらかな標準語が気に食わずその言葉で斉彬の話をしてほしくないと思ったり、男尊女卑がとても強い薩摩人だけど、妻や妾を大事にしたり。聖人とは違うけども人間臭い隆盛の人柄を味わうことができました。
薩摩は鹿児島、長州は山口県、土佐は高知県。江戸からだいぶ離れている場所で維新は盛り上がっていたのだなとしみじみ感じました。小説内でも西郷隆盛はちょくちょく薩摩から京都や江戸に移動している印象です。新幹線も飛行機もない時代に移動も大変だったのでは。。。と思いましたが、
薩摩藩は幕末期には多くの蒸気船を所有していたので、移動は短時間で済んだみたいです。
https://www.kagoshima-kankou.com/feature/segodonguide/history
西郷隆盛から明治維新を理解するのもいいものですね。巻末の対談も面白かったです。 -
今まで、西郷さんについてあまり知らなかったけど、この本を読んで彼の人生がより分かった気がする。(小説ではあるが、彼の姿に迫っている気がする) 明治時代初期に対する見方がかわった。(理想郷のように思っていた)
個人的には、ここはもう少し書いて欲しかったというところもあったが(月照とのことや、愛かなとのこと)そうすると長くなりすぎるのだろう。
西郷さんが亡くなったのは、祖母が生まれるほんの30年前であることを知り、歴史は自分の人生に繋がっていることを感じた。
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私の時代は、歴史の近代史は、触れてはいけないが如く、3学期になった途端、ササさっとと、終わって、余り理解出来ないまま過ごした。
戦争を知らない子供達・・・と、言う歌の流行った時である。
西郷隆盛が、どうして、あの姿で銅像があるのかが、この本で、理解出来る。
西郷隆盛の写真は、実物でないと、昔読んだ本には、書いてあったけど、やはり、薩摩男子の眉が濃く、ぎょろ目で、彫が深かったのだろう。
この物語は、西郷隆盛の息子 菊次郎が、過去を回想して、著述している。
奄美大島ヘ流刑された隆盛と愛加那との間に生まれた子。
長男であるのに、菊次郎。
太郎は、本土の妻の子に付けるため、次郎になっている。
奄美大島の者は、日本であったのに、島から抜け出せないなんて、・・・・想像もしなかった事である。
菊次郎は、隆盛の意思を次いで、若くして17歳で、背男戦争で、戦い、右足切断という傷害をも持ちながら、京都市長になっているのには、・・・・
そして、父 隆盛同様に、質素倹約をモットーとして、現在でも、自宅場所が、わからないとの事。
広大な海を眺めながら、過ごしたのなら、大きな家に住んでも良かったのでは・・・・???と、思ってしまった。
最後の「仮装舞踏会」で、隆盛が、最初に結婚して、とても苦労したのに、離婚した須賀が、再婚して今幸せに暮らしていて、この鹿鳴館に来れる地位の男性と生活を共にしている事に、少し、安心めいたものを感じた。
隆盛という人柄の良さや好奇心や正義感、等、素晴らしい人物であり、それを受け継いでいった子孫等、素晴らしいと、思って、本を閉じた。 -
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著者プロフィール
林真理子の作品





