女生徒 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041099025

感想・レビュー・書評

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  • 高校生の時にこれに出会ったらどんなになっただろう。
    思春期特有の思考のぐるぐる。
    もう子どもではなくて、でも大人でもないから「おつきあい」や「それなり」というのができず、そんな半端な状態が汚ならしく感じてわざと無邪気にふるまってみせたり。自分以外を軽んじたかと思うと持ち上げて自分を卑下してみたり。
    空や草や花で気分がコロリと変わるけどそれも長続きしない。

    この苦しい感じ、なんで太宰治は少女だったこともないのにこんなに占い師みたいに見事言い当てるんだろう?

  • 太宰治で持っているのはこれだけなのだけれど、おもっている太宰作品イメージとは違う。他のを読まないのは、きっと太宰作品でこれが一番好きだろうと予感するから。せっかくなので他の作品も読んでみた方がいいだろうか…
    ちなみに1997年は改版の発行年で持っているものも改版だけれども、初版は1954年発行。1939年に書かれた「皮膚と心」には”私だって、二十八のおばあちゃんですし”との記述がある。八十二の間違いでもおばちゃんの間違いでもないあたりが時代を感じる。

  • 幸福は一生、来ない。
    待って、待って、待ちきれなくて家を飛び出した次の夜にやってくる。一夜遅れて。
    そんなことわかっているけれど、眠りに就く前に、明日の幸福を願わずにはいられない。
    そういったいじらしさ、愚かさを、少女の成長の葛藤を交えて描いている。

    心の成長というと、スポーツや青春ものが多くヒットするような気がするけれど、これも成長の一種だと私は思う。
    むしろ、スポーツとも青春とも縁遠い中学高校時代を送った私からすれば、
    こういった、誰も答えを教えてくれない、正しい道も、抜け出す術も教えてくれない、
    ただ「大人になれば笑い話として懐かしむことができる、今はそういう時期なんだ」とだけしか助言を得られない壁を
    よじ登ろうと躍起になって足をかける話こそ、思春期の成長を表現できているんじゃないか、と思ったりも。

    少女の、正しくありたい、世間さまから「いいお嬢さん」と思われたい、という願望と、
    それに伴わない自分の狡猾さへの嫌悪、女であるから知っている女の醜さへの嫌悪、
    本能によって、自分だけを一生は愛せないこと、感情やら理性やらを貪りながら自分を見失ってしまうこと、の哀しさ、
    子どもであった時の自分の純粋さと恥じるべきわがまま、
    大人になっていく自分の、いろいろな知識を得て、思春期に振り回される感情。
    それらをぜんぶごちゃごちゃにかき混ぜて、どろどろな少女の世界、思考を描いている。
    それなのに文体はとても美しく感じてしまう。たとえるなら千代紙みたいな。

  • 女性目線で書かれた太宰治の作品です。
    非常にシニカルで好きです。

  • 一人称で書かれた作品が集まっています。です。
    特に「きりぎりす」は、最後のページが心に残ります。
    そして、「待つ」は、、、時が経つほどに自分の中で何度も考えさせられています。

  • 難しい年頃の女たちの、日々のもんもんとした思いを描いた短編集。
    自分の気持ちとそっくりな彼女たちの内面に驚いてしまう。

    でも私はすきじゃない。ぐちぐちしていて退屈。

  • 私が読んだ本は、同じISBNだけど表紙が違った。
    鳥(?)の絵が描かれた箱と、左下に枝。

    表題作「女生徒」他、「皮膚と心」「待つ」「貨幣」「饗応夫人」がなんとなく印象深かった。
    女性視点の話し言葉だからか、短編だからか、全体的に読みやすくおもしろい。
    「待つ」は工藤直子さんの詩「ねがいごと」に通ずるものがあると思う。「あいたくて あいたくて あいたくて あいたくて ・・・」わたげを飛ばすという詩。

  • 表題の『女生徒』は太宰らしいナヨナヨした文体を堪能できる短編となっている。

  • 太宰治は暗いみたいな、勝手な印象を持っていたけど、これは素晴らしい。すごい。瑞々しさをかんじるし、簡単な言葉で女生徒の日常が語られるだけでこんなにも風景が見えてくるなんてすごい。

  • 【引用メモ】

    ・いまに大人になってしまえば、私たちの苦しさ侘びしさは、可笑しなものだった、となんでもなく追憶できるようになるかも知れないのだけれど、けれども、その大人になりきるまでの、この長い厭な期間を、どうして暮していったらいいのだろう。誰も教えて呉れないのだ。

    ・ぽかんと花を眺めながら、人間も、本当によいところがある、と思った。花の美しさを見つけたのは、人間だし、花を愛するのも人間だもの。

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著者プロフィール

1909年(明治42年)、青森県金木村(現五所川原市)生まれ。本名、津島修治。東大仏文科在学中に非合法運動に従事し、やがて本格的な執筆活動へ。35年、「逆行」で第1回芥川賞の次席となり、翌年には処女作品集『晩年』を刊行。以後「走れメロス」「斜陽」など多数。

「2018年 『津軽』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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