- Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041099063
感想・レビュー・書評
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読後、日記の提供者である太田静子の半生を読む。
限りなくノンフィクションだと思うと切なくもなるが、かず子は恋と革命を掲げ道徳を破り上原の子を授かった。
一方で貴族精神を貫いた弟は恋の革命を起こさず自殺。
生き方と言うか、
それもまた人生の選択なんだろう。
面白かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
これはとてつもなく暗い作品です。
零落した貴族というのも悲しさが漂いますし
母親が弱り、あっけなく死に行く様も暗いと来ています。
主人公もとかく悲しい目に遭っています。
そう、離婚という。
そして行き着いた先は傷つく恋…
全部に陰鬱が漂います。
この作品は死の1年前に書かれたそうで。
きっとこの時期から彼の死の渇望は
あったのだとおもいます。 -
太宰に少し苦手意識を持っていた私が、すんなりと読めた作品。この本のおかげで、ほかの作品も読んでみようという気になった。
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遂に挑戦した『斜陽』
文章の書き方が本当に少女らしくて
太宰は才能豊かだと実感しました。 -
読んだのと表紙が違うがおそらくこれであっていると思う。
ヨイトマケ、とは土方で地ならしをする仕事の事のようだ。
「斜陽族」という言葉を生むほどのブームが起きたという事が現代を生きる私には俄に信じがたい。
しかし考えさせる節々がありおもしろかった。
財産を食いつぶしていく没落貴族。
滅びの美学。
お嬢さまだった私の祖母ら、本書が刊行された頃、かず子に近い年齢であったはずだ。若い頃の逸話を聞く事はあったが戦後どのように思いながら生きたんだろうとふと思った。そういう人たちにとって斜陽の受け取り方は私とは異なるであろうことに興味がわく。 -
没落する生活と、胸の中の革命。
子宮を持っている女は強いです。
直治の文章が痛切です。 -
途中、ヤンデレの話かと思いきや、意外にも最後まで気丈に生き、それなりにハッピーエンド。
いや、思いを遂げはしたけど、ハッピーではないか。 -
何年か前に、文学を読もうと思って買ったのに、読んでいなかった本。2年くらい前かな。
09年3月19日15時2分26秒より更新
直治の自殺の告白の遺書は、こころに出てくる先生の告白に似ている。
辞書を見ながら読んだので時間はかかったが、読んでいていろいろ感じた。
まず、お金について。お金がないと生きて行けないと思った。・・小説を今まで読んでこなかったので、こんな凡庸かつ的外れなことしかかけなくて情けない。
直治の気持ちに少し共感を覚えながらも、自分もそうなるのではないかと思い怖くなった。
太宰治昇天:
これもとても興味深い。行き詰まりなどないのにそういう言葉で一括りにしてしまう新聞や人。
短編とはいえ、一回ではよくわからない、感じ取りきれない。
ただ、安住さんはこういう文学を読んできたからこそ、豊富な語彙や言葉遣いに対応ができるのだという風には思えた。
女性は怖いなと感じた。そして、男性にとってはよくわからないところがあると思った。 -
不器用な生き方しか知らず、時代に翻弄される貴族の一家の悲壮に満ちた物語。
ポツダム宣言受諾、そして昭和天皇の人間宣言により、日本国民は旧来の倫理観の転換を余儀なくされました。中でも古い道徳の只中にあった貴族(皇族)の心の葛藤は、現在に生きる僕らの想像を絶するものであったに違いありません。
最期まで貴族を貫くか。
現実と向き合い戦うか。
死か。
どちらにせよ、辛い選択には変わりないのです。