人間失格 (角川文庫)

著者 :
制作 : 梅 佳代 
  • KADOKAWA/角川書店
3.75
  • (183)
  • (206)
  • (258)
  • (39)
  • (6)
本棚登録 : 2073
レビュー : 241
  • Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041099124

作品紹介・あらすじ

「恥の多い生涯を送って来ました。自分には、人間の生活というものが、見当つかないのです」青森の大地主の息子であり、廃人同様のモルヒネ中毒患者だった大庭葉蔵の手記を借りて、自己の生涯を壮絶な作品に昇華させた太宰文学の代表作品。「いまは自分には、幸福も不幸もありません。ただ、一さいは過ぎて行きます」ほかに、家族の幸福を願いながら、自らの手で崩壊させる苦悩を描いた「桜桃」も収録。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • われ、山にむかいて、目を挙ぐ。

    旧約聖書・詩篇第121の冒頭から始まる桜桃。

    互いのわだかまりや不安。
    口にすることで<現実>になることを
    恐れるかのように喧嘩もできず取り繕う夫婦

    人との交わりを絆にできず、
    それはたちまち重い鎖となり身を縛る。

    子供より親が大事。
    虚勢をはり、振り切ろうとするも
    涙の谷と父の寝汗。

    しかし現実に父は悩み、母は泣き、
    子は成長せずとも生きている。

    自らを罰し、消えてしまうことのみに
    救いを求める独りよがりの思いが哀しい。

  • 堕落。
    人間失格とはよく言ったもので、
    救いようのない心があります。
    救いを求めるくせに救われる気はなく、
    孤独に堕ちる様は形容しがたいです。
    この美しく馬鹿げた闇に吸い寄せられた太宰も、
    孤独に溺れた一人なのかと、
    心が傷みます。
    一度は読む価値のある作品です。
    どう感じるかは各々ですが、
    私はこういった剥き出しの心が好きです。

  • 国語の先生から、ずっと「若いうちに読んでいた方がいい本」としてすすめられてきた1冊。
    親も先生も口をそろえて言うことが、
    「若いとき読むと、太宰に共感していろいろ考える。でも、大人になってから読むと、太宰が馬鹿に見える」と。
    「こいつ、こんなにこんなこと考えて、ただただ根暗なだけじゃねーか」って思うらしい。
    そう言われていたし、18才のうちには読んでおきたかったので、読みました。

    そしたら、まだ若いせいか前者でした。
    後者のようなことも思ったけど、
    やっぱりいろいろ考えてしまいました。

    この本を読む前に映画を観たのですが、
    あまり話がわからないところが何ヶ所もありました。
    本を読んでこーゆー背景だったのかと理解したので、
    映画も観る予定の方は先に本を読んでおいた方がいいと思います。
    映画はそれぞれの俳優さんの演技が上手いですし、
    そのころのかんじもでているのでいいですが、
    私的には本の方が当たりですね。
    この本はダラダラしてる印象があったのですが、
    短いせいか、軽く読めます!
    30代になってから、また読みたいと思いました。

  • 2018/9/12 27冊目
    みんな人間失格だ。

  • 何度読んでもダメ人間。でもそこが、切なく面白い。

  • すげぇ濃いな…って思いながら読んでいたら何と葉ちゃんが27歳!若い!若いのに恥の多い生涯だとか、自分を失格だと言い切れるタフさに同年代ながら羨ましく思ってしまう。

  • ビッグコミックオリジナルで漫画が連載されているので、その影響で初めて手に取った太宰治。芥川竜之介や夏目漱石と言った近代文学もこれから読んでいきたい。

  • 再読。やはり太宰は面白い。
    主人公が人間に対して抱いている感覚は、人間、世間の本質を表しているように感じる。彼の考え方は、誰しもが理解できるものであり、それでもなお、我々は平然と生きている。人間という存在の、隠れた本質を眼前に示してくれる一作。

  • すごい作品。
    でも難しく、読みにくい。

  • 2017.7.30
    もう何度読んだだろうか。人間を信頼することを忘れ、自分は常に誰かにおぼやかされるのではないかとの思いに囚われ、道化を演じ、その道化である自分のことも自覚し、いつかバレるのではないかと怯え・・・。いたたまれない。そして最後にある、「神様みたいにいい子でした」これがまたもう。何も理解されていない。
    いつもはこの極度の対人恐怖的な描写に共感を覚えるが、今回は、妻が犯されてしまうところが印象に一番に残った。自分にとって、何よりも欲しかった価値。純粋なる無垢の信頼。疑うことを知らない心。その心の白さに憧れて、例えその先に絶望があってもそれを手に入れようとした。彼は彼女の心に、生きる真実を見たのである。しかしその真実が、その無垢の信頼故に、疑うことを知らぬが故に、犯されてしまったという事実。自分の信じた「神」が、神である故に無残に目の前で汚されてしまうことに対する恐怖。単なる男女関係における裏切りの話ではない。彼はようやく見つけた神を、理想を、価値を、目の前で犯されたのではないか。
    罪の対義語は何か。罪から程遠いように思える無垢な心もまた、その無垢さ故に罪を犯す。善良な優しさほど暴力的なものはない。そう考えると、一切は罪であるようにも思える。原罪。生きていること、何かと関係していること、そのものが罪か?では対義語は死ぬことか?いや、それによって関係を断つこともまた、罪である気もする。関係した瞬間、もう罪なのだ。故に罪の対義語は、無ではないか。

全241件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1909年(明治42年)、青森県金木村(現五所川原市)生まれ。本名、津島修治。東大仏文科在学中に非合法運動に従事し、やがて本格的な執筆活動へ。35年、「逆行」で第1回芥川賞の次席となり、翌年には処女作品集『晩年』を刊行。以後「走れメロス」「斜陽」など多数。

「2018年 『津軽』 で使われていた紹介文から引用しています。」

人間失格 (角川文庫)のその他の作品

太宰治の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
東野 圭吾
伊坂 幸太郎
有効な右矢印 無効な右矢印

人間失格 (角川文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする