人間失格 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 2436
レビュー : 255
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041099124

作品紹介・あらすじ

「恥の多い生涯を送って来ました。自分には、人間の生活というものが、見当つかないのです」青森の大地主の息子であり、廃人同様のモルヒネ中毒患者だった大庭葉蔵の手記を借りて、自己の生涯を壮絶な作品に昇華させた太宰文学の代表作品。「いまは自分には、幸福も不幸もありません。ただ、一さいは過ぎて行きます」ほかに、家族の幸福を願いながら、自らの手で崩壊させる苦悩を描いた「桜桃」も収録。

感想・レビュー・書評

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  • われ、山にむかいて、目を挙ぐ。

    旧約聖書・詩篇第121の冒頭から始まる桜桃。

    互いのわだかまりや不安。
    口にすることで<現実>になることを
    恐れるかのように喧嘩もできず取り繕う夫婦

    人との交わりを絆にできず、
    それはたちまち重い鎖となり身を縛る。

    子供より親が大事。
    虚勢をはり、振り切ろうとするも
    涙の谷と父の寝汗。

    しかし現実に父は悩み、母は泣き、
    子は成長せずとも生きている。

    自らを罰し、消えてしまうことのみに
    救いを求める独りよがりの思いが哀しい。

  • 高校の頃、国語の先生が言ってた。
    人間失格を読んで「自分のことみたいだ」って後味が悪くなる人と「さっぱり分らない」って首を捻る人。
    私は完全に前者で、自分の浅ましい部分や卑しい部分が言語化されてて、気持ちが悪かった。これは自分だけじゃなくてみんな持ち得る根本的な“部分”かと思うくらい正確な描写だった。

  • ネガティブすぎて読むのがしんどいと思われる方もいるかと思いますが、この世に生きることは苦しくてしんどくて大変なのが実情です。もちろん楽しいことも沢山溢れていますが、それもまた誰かが一生懸命頑張ってくれていることの裏返しだと思うのです。本書は太宰自身の苦悩を書き綴っていると言われていますが、人間として生まれ落ちてしまったばかりに、嫌でも真っ当に人間らしく生きなければならないことへの問題提起を感じ取りました。人道に反すること、人様に迷惑をかけることは勧められることではありませんが、普遍的な人間らしい生き方にどうしても対応できない人が一定数存在するのも事実なのだと思います。

  • 「恥の多い生涯を送ってきました」の有名な冒頭で始まる超有名な本を、今更ながら初めて読んでみた。
    主人公の葉蔵は、一見剽軽なおとぼけキャラで人(特に女性)から愛される人物で、時にヒモのように生活することも。だがその一方で内面では、自己肯定感が著しく欠如し、人と接するのを極度に恐れる繊細な一面を感じた。
    人見知りをしがちな自分が共感したのは、相手を「訪問」するのが苦手なところ。断られたら恥ずかしい、悲しいといった気持ちからなかなか腰が重くなってしまう。
    主人公は悲しいラストを迎えることになるが、幸せになるにはなにより自分が自分を認めてあげる、好きになることだったのではないだろうか。たとえ人から愛されても、自分の中で自分を愛しきれないなら、心は寂しいままだと強く感じた一冊だった。

  • 主人公の感情を細かく書いているのがとても良い
    自分は主人公と似ているところがあるので、ダメにならないように自分を確立していかなければいけないと思った

  • 漫画版の人間失格を読んだ後にこちらを読みました。
    周りの目を気にしすぎ、道化として生きることの愚かさを知ることができました。自分の生き方を改める機会になった本です。

  • 主人公の大庭葉蔵は青森の大金持ちの息子。
    苦労知らずの美男子。第1から第3の手記からなる。

    弱さを前面にだしながら、後でそれを客観視しているような、弱かった自分を振り返っているような。だから、主人公は弱くないのかも。
    お道化と言いながら気を使い皆を楽しませて、ヲンなにモテる。
    竹市の、ワザワザという発言。警官のほんとうかという発言。真実を見破られたと感じた時の主人公の気まずい場面が心に残った。

  • 堕落。
    人間失格とはよく言ったもので、
    救いようのない心があります。
    救いを求めるくせに救われる気はなく、
    孤独に堕ちる様は形容しがたいです。
    この美しく馬鹿げた闇に吸い寄せられた太宰も、
    孤独に溺れた一人なのかと、
    心が傷みます。
    一度は読む価値のある作品です。
    どう感じるかは各々ですが、
    私はこういった剥き出しの心が好きです。

  • 国語の先生から、ずっと「若いうちに読んでいた方がいい本」としてすすめられてきた1冊。
    親も先生も口をそろえて言うことが、
    「若いとき読むと、太宰に共感していろいろ考える。でも、大人になってから読むと、太宰が馬鹿に見える」と。
    「こいつ、こんなにこんなこと考えて、ただただ根暗なだけじゃねーか」って思うらしい。
    そう言われていたし、18才のうちには読んでおきたかったので、読みました。

    そしたら、まだ若いせいか前者でした。
    後者のようなことも思ったけど、
    やっぱりいろいろ考えてしまいました。

    この本を読む前に映画を観たのですが、
    あまり話がわからないところが何ヶ所もありました。
    本を読んでこーゆー背景だったのかと理解したので、
    映画も観る予定の方は先に本を読んでおいた方がいいと思います。
    映画はそれぞれの俳優さんの演技が上手いですし、
    そのころのかんじもでているのでいいですが、
    私的には本の方が当たりですね。
    この本はダラダラしてる印象があったのですが、
    短いせいか、軽く読めます!
    30代になってから、また読みたいと思いました。

  • ダメ人間の話。
    もう少しこうしたらいいのに、って思うこともあるけれど、それができないからこうなるんだろうな、と思った。

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著者プロフィール

1909年(明治42年)〜 1948年(昭和23年)日本の小説家。代表作に『斜陽』『人間失格』『走れメロス』『富嶽百景』など多数。

「2019年 『女神 太宰治アイロニー傑作集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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