人間失格 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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レビュー : 245
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041099124

作品紹介・あらすじ

「恥の多い生涯を送って来ました。自分には、人間の生活というものが、見当つかないのです」青森の大地主の息子であり、廃人同様のモルヒネ中毒患者だった大庭葉蔵の手記を借りて、自己の生涯を壮絶な作品に昇華させた太宰文学の代表作品。「いまは自分には、幸福も不幸もありません。ただ、一さいは過ぎて行きます」ほかに、家族の幸福を願いながら、自らの手で崩壊させる苦悩を描いた「桜桃」も収録。

感想・レビュー・書評

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  • われ、山にむかいて、目を挙ぐ。

    旧約聖書・詩篇第121の冒頭から始まる桜桃。

    互いのわだかまりや不安。
    口にすることで<現実>になることを
    恐れるかのように喧嘩もできず取り繕う夫婦

    人との交わりを絆にできず、
    それはたちまち重い鎖となり身を縛る。

    子供より親が大事。
    虚勢をはり、振り切ろうとするも
    涙の谷と父の寝汗。

    しかし現実に父は悩み、母は泣き、
    子は成長せずとも生きている。

    自らを罰し、消えてしまうことのみに
    救いを求める独りよがりの思いが哀しい。

  • 「恥の多い生涯を送ってきました」の有名な冒頭で始まる超有名な本を、今更ながら初めて読んでみた。
    主人公の葉蔵は、一見剽軽なおとぼけキャラで人(特に女性)から愛される人物で、時にヒモのように生活することも。だがその一方で内面では、自己肯定感が著しく欠如し、人と接するのを極度に恐れる繊細な一面を感じた。
    人見知りをしがちな自分が共感したのは、相手を「訪問」するのが苦手なところ。断られたら恥ずかしい、悲しいといった気持ちからなかなか腰が重くなってしまう。
    主人公は悲しいラストを迎えることになるが、幸せになるにはなにより自分が自分を認めてあげる、好きになることだったのではないだろうか。たとえ人から愛されても、自分の中で自分を愛しきれないなら、心は寂しいままだと強く感じた一冊だった。

  • 主人公の大庭葉蔵は青森の大金持ちの息子。
    苦労知らずの美男子。第1から第3の手記からなる。

    弱さを前面にだしながら、後でそれを客観視しているような、弱かった自分を振り返っているような。だから、主人公は弱くないのかも。
    お道化と言いながら気を使い皆を楽しませて、ヲンなにモテる。
    竹市の、ワザワザという発言。警官のほんとうかという発言。真実を見破られたと感じた時の主人公の気まずい場面が心に残った。

  • 堕落。
    人間失格とはよく言ったもので、
    救いようのない心があります。
    救いを求めるくせに救われる気はなく、
    孤独に堕ちる様は形容しがたいです。
    この美しく馬鹿げた闇に吸い寄せられた太宰も、
    孤独に溺れた一人なのかと、
    心が傷みます。
    一度は読む価値のある作品です。
    どう感じるかは各々ですが、
    私はこういった剥き出しの心が好きです。

  • 国語の先生から、ずっと「若いうちに読んでいた方がいい本」としてすすめられてきた1冊。
    親も先生も口をそろえて言うことが、
    「若いとき読むと、太宰に共感していろいろ考える。でも、大人になってから読むと、太宰が馬鹿に見える」と。
    「こいつ、こんなにこんなこと考えて、ただただ根暗なだけじゃねーか」って思うらしい。
    そう言われていたし、18才のうちには読んでおきたかったので、読みました。

    そしたら、まだ若いせいか前者でした。
    後者のようなことも思ったけど、
    やっぱりいろいろ考えてしまいました。

    この本を読む前に映画を観たのですが、
    あまり話がわからないところが何ヶ所もありました。
    本を読んでこーゆー背景だったのかと理解したので、
    映画も観る予定の方は先に本を読んでおいた方がいいと思います。
    映画はそれぞれの俳優さんの演技が上手いですし、
    そのころのかんじもでているのでいいですが、
    私的には本の方が当たりですね。
    この本はダラダラしてる印象があったのですが、
    短いせいか、軽く読めます!
    30代になってから、また読みたいと思いました。

  • 今更ながら。
    そして初太宰。

    なるほど、人間、失格。
    見聞きした程度の知識しか持ち合わせていないが、太宰の人生と重なる部分もあり、自殺前にこれが出たことは、まるで無関係とは言いたくない。

  • 2018/9/12 27冊目
    みんな人間失格だ。

  • 何度読んでもダメ人間。でもそこが、切なく面白い。

  • すげぇ濃いな…って思いながら読んでいたら何と葉ちゃんが27歳!若い!若いのに恥の多い生涯だとか、自分を失格だと言い切れるタフさに同年代ながら羨ましく思ってしまう。

  • ビッグコミックオリジナルで漫画が連載されているので、その影響で初めて手に取った太宰治。芥川竜之介や夏目漱石と言った近代文学もこれから読んでいきたい。

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著者プロフィール

1909年6月、青森県生れ。学生時代から小説の創作を始める。東大仏文科入学を機に上京。在学中に非合法運動に従事するもやがて転向し、以降、本格的な執筆活動を開始する。1935年に「逆行」が第1回芥川賞の次席となり、翌年、第一創作集『晩年』を刊行。1939年に結婚し、「富嶽百景」や「女生徒」、「走れメロス」などを発表。戦後には『斜陽』がベストセラーとなり、流行作家となる。「人間失格」を発表した1948年の6月に、玉川上水で入水自殺。織田作之助、坂口安吾らと共に「新戯作派」「無頼派」と呼ばれた。

「2019年 『太宰治 女性小説セレクション 誰も知らぬ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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