人間失格 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041099124

感想・レビュー・書評

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  • (完全にジャケ買いですが)
    他の生き物にはない生き様こそが人間なのでは
    5年後に再び読んだら共感が増えているでしょうか

  • とても有名な作品なのに初めて読みました。
    書かれていることすべてが太宰治の実体験ではないのかもしれませんが、自分で自分の首を絞めているような部分もあり、生きづらかっただろうと思いました。
    おこがましいのは承知ですが、思考回路が自分と似ていると感じました。それは自分にとっては嬉しいことで、こういう風に考える人もいるんだと思えるだけで、少し元気が出ました。


  • 最初は人間味のない葉蔵の感情や考え方、人とは違う自分に酔っているような感じから、読みづらさを感じた。でも、段々と人間味を帯びてきたような感じがした。人とは違う自分に苦しむことや、自殺未遂を繰り返したり、麻薬に依存するところは読んでいて苦しくなった。

  • 読んでみて初めは読みにくく
    だんだん読みやすくなっていくのは
    共感できる部分や理解出来るとこが
    あるからなのか

    何を考えさせられるのか分からないが
    反面教師にはなるのか

  • 病んだ時に読む本。

  • 太宰治の闇初めて知ったな

  • 冒頭はあまりにも有名な書き出しから始まる。
    おそらく学生の時に読んで以来の再読。この年齢になってまた違う印象を得る。この社会の中で何を信じて何を疑っても結局は報われないのか?テーマが深すぎて、言葉では言い表せない…

  • 太宰治、大庭葉蔵、酒、タバコ、女、モルヒネ、自殺願望、神経病院、裕福な家庭に育ったはず、自由、モテる男、寄ってくる女、どれひとつとっても太宰治にはならなかったんだろうなと。
    人間失格と言うほど荒れても、結局周りの人が手を差しのべてくれる。
    自ら助けてと言えない性格には共感する。

  • 『信頼は罪なりや?』というセリフが心から離れない。
    物事の意味を深く考えすぎてしまうところが少し自分と似ているかもしれないと感じた。
    歴史やキリスト教についての勉強をしてもう一度読み直してみたい。

  • 罪の対義語は何か。

    その問いが深く残りました。

    人は生きているだけで罪深く愚かで、だけどそれでも生きていかなければならない。

    世間に認められなければ、世間の中で生きている大切な人を傷つけてしまう。

    でも本当はそんなもの捨てて自分のやりたいように生きたい。

    生きるとは何か、人間とは何か。
    考えさせられました。

    共感と反感の連続で面白かった。

  • さすがは今の時代まで残った小説の一つになるだけある、と思わせるほど人の心を書くのがうまいと感じた
    どこか主人公に共感できることがあったり、主人公を応援したくなったりと、読んでいるこちらの心も動かされた
    女性が読むよりも男性が読んだ方が共感できる内容かもしれない

  • 人間では無く狂人になった主人公。
    つくづくたいへんな人生だと思う

  • こういう本を書くべき人が書いたと思う本。文才がすごく、自分の繊細さを他人に押し付けない人柄がすごい。もろくて残念。

  • 何度読んでもダメ人間。でもそこが、切なく面白い。

  • すげぇ濃いな…って思いながら読んでいたら何と葉ちゃんが27歳!若い!若いのに恥の多い生涯だとか、自分を失格だと言い切れるタフさに同年代ながら羨ましく思ってしまう。

  • 再読。やはり太宰は面白い。
    主人公が人間に対して抱いている感覚は、人間、世間の本質を表しているように感じる。彼の考え方は、誰しもが理解できるものであり、それでもなお、我々は平然と生きている。人間という存在の、隠れた本質を眼前に示してくれる一作。

  • すごい作品。
    でも難しく、読みにくい。

  • 2017.7.30
    もう何度読んだだろうか。人間を信頼することを忘れ、自分は常に誰かにおぼやかされるのではないかとの思いに囚われ、道化を演じ、その道化である自分のことも自覚し、いつかバレるのではないかと怯え・・・。いたたまれない。そして最後にある、「神様みたいにいい子でした」これがまたもう。何も理解されていない。
    いつもはこの極度の対人恐怖的な描写に共感を覚えるが、今回は、妻が犯されてしまうところが印象に一番に残った。自分にとって、何よりも欲しかった価値。純粋なる無垢の信頼。疑うことを知らない心。その心の白さに憧れて、例えその先に絶望があってもそれを手に入れようとした。彼は彼女の心に、生きる真実を見たのである。しかしその真実が、その無垢の信頼故に、疑うことを知らぬが故に、犯されてしまったという事実。自分の信じた「神」が、神である故に無残に目の前で汚されてしまうことに対する恐怖。単なる男女関係における裏切りの話ではない。彼はようやく見つけた神を、理想を、価値を、目の前で犯されたのではないか。
    罪の対義語は何か。罪から程遠いように思える無垢な心もまた、その無垢さ故に罪を犯す。善良な優しさほど暴力的なものはない。そう考えると、一切は罪であるようにも思える。原罪。生きていること、何かと関係していること、そのものが罪か?では対義語は死ぬことか?いや、それによって関係を断つこともまた、罪である気もする。関係した瞬間、もう罪なのだ。故に罪の対義語は、無ではないか。

  • 再読。高校の時読んだから10年ぶり。
    その時は盗み読むみたいにこっそり読んで、衝撃を受けた。道化を演じ、人の顔色を伺い、人間社会に恐怖する感覚が、初めて私の前に提示された瞬間で、人間多少なりともこういう面があるものなんだな、と自分を肯定されたような感覚になったというか。演じることに息苦しさや罪悪感を抱いたことのなる人なら、共感するのではないでしょうか。
    今は主人公が同い年なことに衝撃を受けた。

  • 太宰治の傑作とでも言おうか。

    ちょっと前「人間失格」が流行ったそうな。
    僕自身は太宰の心境を十分理解できる。

    人は本当に諦めと皮肉の世界に生きていると今改めて思う。
    本音と建て前がある日本ではなおさらじゃないかな。
    自分のありのままというのを隠し演じ続けると、必ずどこかで破綻する。
    それを太宰が証明している。

    太宰自身は生涯苦しんだのではないか。
    一見モテモテのヒーローのように見えるけど、
    これほど人生に絶望して生きた人は珍しいと思う。

    そんな太宰が伝えたいことは、人生に絶望してもいいんだよという事か。
    大変だよな、人生は。

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著者プロフィール

1909年〈明治42年〉6月19日-1948年〈昭和23年〉6月13日)は、日本の小説家。本名は津島 修治。1930年東京大学仏文科に入学、中退。
自殺未遂や薬物中毒を繰り返しながらも、戦前から戦後にかけて作品を次々に発表した。主な作品に「走れメロス」「お伽草子」「人間失格」がある。没落した華族の女性を主人公にした「斜陽」はベストセラーとなる。典型的な自己破滅型の私小説作家であった。1948年6月13日に愛人であった山崎富栄と玉川上水で入水自殺。

「2022年 『太宰治大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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