走れメロス (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 86
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041099131

作品紹介・あらすじ

妹の婚礼を終えると、村の牧人メロスはシラクスの市めざして走りに走った。約束の三日目の日没までに暴虐の王のもとに戻らねば、自分の代わりに友セリヌンティウスが殺される。メロスは約束を果たすことができるだろうか?日はすでに傾いている。メロスよ、走れ!-身命を懸けた友情の美しさを描いて名高い表題作のほか、「富嶽百景」「駈込み訴え」「東京八景」など、執筆活動の充実ぶりを示す、太宰中期の佳作9篇を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 学生の頃、読んだあまりにも有名な表題作。
    最近、又吉直樹さんの解説動画を見て、めちゃめちゃ面白くて、もう一度読みたくなった。
    メロスのあまりの破茶滅茶ぶりに笑ってしまった。いろいろと突っ込み所満載で、大人になって読むと、感じ方が変わり楽しかった。

    一方で、その他の短編は、私小説が多く趣きが違う。(「走れメロス」が異質なのかもしれないが)行き当たりばったりの生活が描かれていて、太宰治の姿が伺える。いろいろと弱さがあったのだなぁ、と憐憫の気持ちを抱いた。
    ただ、苦しさばかりではなく、ユーモアもある。(「畜犬談」には笑った)男女問わず支えてくれる人が多く居た事から、凄く魅力もあったに違いない。
    才能も魅力もあったのに、なぜ、あのような最後に至ったのか、その日を迎えるまでに、どのような人生をたどったのか、残した作品を読み進めれば、少しはわかるのだろうか。

  • 比較的明るい内容の作品が集まっていると思います。
    生と死やダメな人間であるという自覚があるものの、それでも何とかしてやろうといったもがきながらも前向きに生きる(生活する)人達の話が身近に感じました。
    何となく気持ちがわかる、代弁してくれている感が太宰作品の面白いところでしょうか。

  •  以前読んだ「走れメロス」は、ギリシャかどこかの国の友情を題材にした物語としか思っていなかった。しかし、「人間失格」を読んでからの「走れメロス」は全く持って違う話に感じた。

     人を信じることに恐怖を抱いていた太宰の葛藤と転落の人生。とにかく人への恐怖に悶え苦しんだ太宰が、信実を果たす結末を描きたかったのではないだろうか。それが人生という長い旅路の中では果たせぬ理想だからこそ、物語にして表現したのではないかと思った。メロスに降りかかる苦難や迷い、そしてボロボロになりながら走り続ける苦しさは、読者にも息が切れそうなほど伝わってくる。これが、人生何度も這いあがろうとした太宰の苦しさなのかと、それを味わいながら読ませてもらった。

  • なぜか図書館の新刊コーナーに置いてあったので、読んでみた。そういえば、太宰治の作品は教科書以外で読んだことはない。表題作は誰もが知っている作品なので解説は不要だろうが、きちんと読んだのは初めてだ。「走れメロス」は収録されている他の作品と比べるとトーンが異なる作品だ。他は太宰治の私小説のような作品である。本書としては、こちらのほうがメインである。作品では太宰治自身の作家としてやっていくための苦悩が垣間見られるが、なんか現代の我々よりいい生活をしているような気がするのは、時代の差という言葉で片づけるものだろうか。たまには明治から昭和初期の文豪作品を読むのも新しい発見があってよかったと思う。

  • 表題の「走れメロス」は教科書に必ず載っているので知っていたけど、太宰ってこんなにいろいろ書いてたんだ…。知らなかった。
    どうしても「人間失格」の暗いイメージが強くてあまりいい印象はなかったけど、思いの外明るい話もあって少し見方が変わった。

  • 高校生の時に読んだメロスは、もっと長く必死に走っていた気がするのだけど、大人になって読むと、けっこうあっさりとゴールしてしまった。
    走ってる間のメロスの台詞は、まっすぐで自分も友達も信じていて、素晴らしい。

    富士山にかなわないと思ったり、卵くれたお姉さんのいるそば屋に行かないことにしたり、現国の例題がたくさん出てきて、懐かしい。そして笑える。
    お金入れの口金のところに映った自分の顔を見て、他の人とは違う心構えをする女生徒の心情を、誰か教えてほしい。

  • とてもくらい
    暗いけれど引きずり込んでくる暗さではない
    太宰に令和でも本屋で沢山売っててみんな知ってるよ、と伝えたい

  • 富岳百景
    富士には、月見草がよくにあう。
    駆け込み訴え
    ほんとうに、その人は、生まれて来なかったほうが、
    よかった。
    走れメロス
    正義だの、信実だの、愛だの、考えてみれば、くだらない。
    太宰の言の葉は美しい。

  • 夏フェア本。太宰治は暗いイメージしかなかったが改めて読むと、そうでもない。本質もおそらく、小心者で、田舎者で怠惰で見栄っ張り。それは随所にあらわれているが、私小説なのかはたまた全くの作り物なのかは不明ゆえ。東京八景の地図を手に入れ、開き、思いをはせる姿が妙に可愛らしくも微笑ましくもあった。

  • お風呂本はのぼせない程度にゆっくりつかりたいからキリのいいところで上がれる短編集ってなって、で、中でも太宰治が一番ちょうどいいです。太宰はいろいろな短編集が出てるけど、角川では「女生徒」が一番好き。
    この短編集の中だと「老ハイデルベルヒ」と「東京八景」かな。
    あと読むたびに思うんだけど、メロスは寝過ぎ。

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著者プロフィール

1909年〈明治42年〉6月19日-1948年〈昭和23年〉6月13日)は、日本の小説家。本名は津島 修治。1930年東京大学仏文科に入学、中退。
自殺未遂や薬物中毒を繰り返しながらも、戦前から戦後にかけて作品を次々に発表した。主な作品に「走れメロス」「お伽草子」「人間失格」がある。没落した華族の女性を主人公にした「斜陽」はベストセラーとなる。典型的な自己破滅型の私小説作家であった。1948年6月13日に愛人であった山崎富栄と玉川上水で入水自殺。

「2022年 『太宰治大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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