女生徒 (角川文庫)

著者 :
制作 : くまおり 純 
  • KADOKAWA
4.16
  • (170)
  • (119)
  • (83)
  • (11)
  • (1)
本棚登録 : 1743
レビュー : 139
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041099155

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 一番面白かったのは『おさん』。浮気をしているであろう夫に対し、で〜んと構えた母ちゃんはかっこいい。それなのに夫ときたらまったく…これぞ太宰治。久しぶりの太宰もやっぱりだめんず。
    一番心に残ったのは『女生徒』。思春期の女の子が思いついた事を次から次へと語り続ける物語。ドキッとさせられる言葉も多く人気があるのも頷ける。

    「花の美しさを見つけたのは、人間だし、花を愛するのも人間だもの。」太宰らしい美しい文章だなと思う。ただ、『女生徒』を再読するのは凄く疲れる。

  • 女性視点の私小説風の短編でまとめられた一冊。
    表題作が描くのは、天使と娼婦に同時に憧れ、自らを愛しながら疎む、ザ・思春期…こういう言い方をすると安っぽくなってしまって申し訳ないのだけれど、それが安くなく非常に上手いのがさすが。
    他の作品もガラス窓をそっと爪で引っ掻くような、小さいけれど忘れられない音がした。
    特に、「おさん」がお気に入り。

    「男のひとは、妻をいつも思っていることが道徳的だと感ちがいしているのではないでしょうか。他にすきなひとが出来ても、おのれの妻を忘れないというのは、いい事だ、良心的だ、男はつねにそのようでなければならない、とでも思い込んでいるのではないでしょうか。(中略)ひとを愛するなら、妻を全く忘れて、あっさり無心に愛してやって下さい。」

    ため息が出るほど文章自体も中身も見事な一作だった。

  • 初めの何話かは面白かったのですが、次第に怖くなってきました。女を書く太宰、太宰の書く女。どちらにしろ女以上に女な描写ではっとさせられます。こわいなぁ。でももっと読んでみたいなぁというのも少し。

  • 「かわいい太宰を堪能できる」「角田光代さんや西加奈子さんら、女性作家に人気」という書評を新聞で見て以来、ずっと読みたかった作品です。

    繊細な女心が盛り込まれた14篇のうち、『女生徒』は名言のオンパレードで、全文を引用したいぐらいです。布団を持ち上げた時、「よいしょ」と言ってしまって落ち込む場面が何ともかわいらしい! 今や1日に何度も「よいしょ」と言う私ですが、懐かしくて照れくさくて、口角が上がりっ放しの作品でした。

    SFやファンタジーで、登場人物に人の心が読める能力があって、その苦しみは普通の人には理解されないというシチュエーションがあるけれど、もしや太宰治もそんな力を持っていた? なんて想像をしてしまうほど、男性が書いたとは思えない描写が多いのです。

    吹き出物に激しく悩む『皮膚と心』、親友に恋人が出来たと知った時の複雑な心境が秀逸な『誰も知らぬ』、おっちょこちょいで笑える『恥』などもお気に入りです。

  • 私小説としても面白かった。何より戦前から終戦直後の人々の生き方がどのようなものかがリアリティをもって伝わってきた。

    まさに名作。

  • 太宰、少女の心の描写が上手すぎて、笑った。

  • 友達に勧められて手に取りました。

    「美しさに、内容なんてあってたまるものか。純粋の美しさは、いつも無意味で、無道徳だ。」

    なるほど。

  • 時代というものの狂おしさが
    ただただ女性の視点から描かれて
    どれもそれ相応の可笑しさに満ちて。

    「十二月八日」が好きです。
    それに、まったく逆の意味で
    「恥」も。

    太宰治には、これほどまでに
    女性の心情を忖度できる才能が
    あったのだなあ。

  • この本を手に取るといつだって清らかな自分になれる気がします。時には毒だってちょこっと吐いちゃいます。気持ちはぐらぐら不安定にうつろいます。でも自分に嘘だけはつきたくない。美しく生きたいと思います。

  • 女の痛いところついてる。

著者プロフィール

1909年6月、青森県生れ。学生時代から小説の創作を始める。東大仏文科入学を機に上京。在学中に非合法運動に従事するもやがて転向し、以降、本格的な執筆活動を開始する。1935年に「逆行」が第1回芥川賞の次席となり、翌年、第一創作集『晩年』を刊行。1939年に結婚し、「富嶽百景」や「女生徒」、「走れメロス」などを発表。戦後には『斜陽』がベストセラーとなり、流行作家となる。「人間失格」を発表した1948年の6月に、玉川上水で入水自殺。織田作之助、坂口安吾らと共に「新戯作派」「無頼派」と呼ばれた。

「2019年 『太宰治 女性小説セレクション 誰も知らぬ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

女生徒 (角川文庫)のその他の作品

女生徒 (角川文庫) 文庫 女生徒 (角川文庫) 太宰治
女生徒 (角川文庫) Kindle版 女生徒 (角川文庫) 太宰治

太宰治の作品

ツイートする