笑え、シャイロック (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 277
レビュー : 22
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041099551

作品紹介・あらすじ

新卒行員の結城が配属されたのは日陰部署の渉外部。しかも上司は伝説の不良債権回収屋・山賀。憂鬱な結城だったが、山賀と働くうち、彼の美学に触れ憧れを抱くように。そんな中、山賀が何者かに殺され――。

感想・レビュー・書評

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  • 帝都第一銀行、入行3年目の結城真悟。
    新たな配属先は、渉外部、つまり回収係。

    そこで、凄腕の回収担当が上司の山賀雄平(38)。
    『この世で一番大事なものはカネ』と言い切る人物で、行内では、『シャイロック山賀』と噂される人物。
    果たして、結城は、山賀の下でやって行けるのか?

    途中までは、銀行内の物語と言うことで、池井戸ミステリーかと思われましたが、山賀が何者かに殺害され、一気に中山七里のミステリーになりました。

    様々な人物を通じて、不良債権の回収経験を重ねる結城。果たして、これら事案の中に、彼を恨んで殺害した人物がいるのか?

    最後の『どんでん返し』は、さすが中山七里氏ですね。なるほど。
    結城の成長振りも、今後の活躍に期待されます。

  • 金融ものなので、当然、池井戸潤と比較しちゃいますよね。中盤までは確かに同じ感じなんだけど、そこはさすがの中山七里。後半はこちらの方が格段に面白い。もちろん好みもありますけどね笑

  • 銀行の回収係の大変さと言ったら…。
    山賀さんが結構早い段階で殺されちゃったのが残念で、もう少し手際を見たかった感はある。でもその後を引き継ぐ結城の手腕がすごすぎ。そしてミステリ的にも最後が痛快でいい。

  • 銀行の渉外部、要は借金取り立て回収担当部門の話である。今回の主人公の結城は営業部から渉外部へ移動され左遷だと思ったところで「シャイロック山賀」に借金取り立ての極意を実践薫陶を受ける。 そうしているうちに山賀が何者かに殺害されてしまい、山賀の後任として結城は山賀が残した劣悪な債権を回収していく。その過程で刑事の諏訪に山賀の犯人らしき人を探すのを協力して欲しいと言われるが。
    新興宗教の借金、二代目ボンボンの会社の借金、選挙に落ちた国会議員、地上げ屋のヤクザとどんどん強敵に立ち向かう。最終的にいちばん怪しい地上げやの所で犯人らしき人が見つかるが、どうも結城にはその人が殺したとは思えず、その後に真犯人が見つかる。最後に真渉外部長に結城はあだ名を付けられた、「シャイロック結城」と彼は誇らしかったとしめられていてなかなか後味は良かったです。

  • 甘い審査の当然の帰結として焦げ付いた債権を回収する若き銀行員・結城君の活躍を描いた連作短編。

    部下に困難な仕事を振るだけで腰の定まらない上司、どんな状況になっても常に主人公を支えてくれる理解の深い恋人、凄腕の回収のプロでミステリアスな職場の先輩。

    で、この職場の先輩は最初の章が終わったあたりで殺されちゃうんですが、その後の展開も特になく、言わば殺されっ放しのまま結城君のお仕事が続きます。
    取って付けたように債権の回収が果たせる都度、関係者のアリバイを確認しますが、この先輩殺人事件の捜査がまるでお留守なので、もうちょっと盛ってもらうと二つのストーリーを同時並行的に楽しめたのになぁと残念に思った次第です。

    中山七里はやっぱり長編で読みたい。わ

  • 銀行のお話にミステリー要素が加味されてて面白かったです。毎回、お金を捻出のしかたの自由自在感が凄かったです。魅力を感じた登場人物は、すぐに退出したのが残念でしたが。

  • 弁護士、御子柴シリーズでは裁判についての知識を得ながら楽しく読み込めたように、本作では銀行業界のことを学びながら楽しめた。営業部と渉外部、融資と回収、いろいろな理念と現実との葛藤の中、上司の背中を追って一流の行員を目指しながら苦労を重ねていく主人公の姿は、どことなく御子柴弁護士と近いものを感じる。毎回の感想であるが、今回も読み応えのある作品であった。

  • 不良債権回収モノと聞いて、半沢直樹が一瞬浮かんだけど、回収のアイデアがどれもなかなか面白かった。ホントよく考えるなー。さすが。
    わりとあっさり山賀が死んでしまったので、もう少し山賀を見たかったかな。それにしても結城がどんどん肝が座っていくのが小気味よい。
    宏龍会と聞いてあの広報部長出てくるかと思ったけど、さすがに出番はなかったか。
    最終的な犯人もプチどんでん返しで良かった。続編出るといいな。

  • 不良債権回収を行う銀行渉外部のミステリ。

    ヴェニスの商人の金貸しシャイロックのように非情な回収を執行するとも噂される伝説の行員・山賀の下に配属された主人公・結城。
    回収の交渉に付き従ううちに、その手腕に畏怖と尊敬を覚えつつある時に山賀が殺されてしまう。
    上司が遺した難案件をそのまま引き継ぎ、戸惑いと恐怖の中、回収を成功させていく。

    山賀案件の難題さが金融素人にも判りやすく、回収手法も爽快でミステリ要素以外が主体でも面白い。

    人の上に立つ者、経営者としての資質というのはカネ勘定ではないが、カネ勘定ができなければどうしようもない。
    自分だけが可愛い、自分のメンツだけが大事、自分にとって都合が悪いことは全て悪。なんて人間って結構「人の上に立つ人」が多いんだよね。

  • 結城がいい意味で山賀化していく過程がよかった。大変な仕事だけど、まだまだのびしろがありそう。

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著者プロフィール

1961年岐阜県生まれ。2009年『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞しデビュー。幅広いジャンルを手がけ、斬新な視点と衝撃的な展開で多くの読者の支持を得ている。

「2021年 『ヒポクラテスの悔恨』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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