笑え、シャイロック (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 559
感想 : 43
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041099551

作品紹介・あらすじ

新卒行員の結城が配属されたのは日陰部署の渉外部。しかも上司は伝説の不良債権回収屋・山賀。憂鬱な結城だったが、山賀と働くうち、彼の美学に触れ憧れを抱くように。そんな中、山賀が何者かに殺され――。

感想・レビュー・書評

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  • 帝都第一銀行の渉外部(不良化した債権の回収部隊)に勤める若手銀行マン 結城真悟を主人公とした、連作短編形式のミステリー(というか経済小説)。銀行マンの成長物語でもある。

    渉外部に配属された結城は、〈シャイロック山賀〉とあだ名される凄腕の回収マン 山賀に付いて回収業務のイロハを学んでいくが、その山賀が突然何者かに殺されてしまう。意地と浅慮から山賀案件を強引に引き継いだ結城は、困難な債権の回収に奔走する。債務者は、リストラされたデイトレーダー、大田区の町工場(ここまでは山賀が回収)、新興宗教(奨道館 =「ふたたび嗤う淑女」でターゲットにされた新興宗教団体)、元有力議員、暴力団フロント企業。

    扱うジャンルの割にシンプルなストーリーだった。どぎついところがなくて、単純に楽しく読めた。

    結城の上司の樫山渉外部長、微妙なキャラだった。悪役という程じゃないが、腹が括れておらず保身に走りがち。それでいて時々良いことや正論も吐く。女性登用ということで実力以上のポストに就いてしまった女性キャリアの悲哀を描きたかったのかな?

  • 『笑え、シャイロック』中山七里著

    1.物語の始まり
    シャイロックとは、小説/ヴェニスの商人に登場する金貸し屋。
    ------------
    主人公は国内銀行の入行三年めの男性。
    異動命令で債権回収部へ。
    その部には、難易度高い回収をダントツ実績で行う先輩がいた。
    同行してノウハウを、、、の矢先、先輩が何ものかに殺される。

    2.不良債権が生まれる。なぜ?!
    ①デイトレーダー
    追証が発生し、借入した挙句に、市況が暗転。
    返済できない。
    ②政治家
    選挙活動資金で借入。ただし不透明な取引とするため、絵画を担保に10億円。
    返済できない。
    ③不動産
    マンション用地を買い上げ。その後、不動産不況で開発中止。土地は塩漬け。
    返済できない。

    3.入行三年めがくりだす奇策とは?
    2.①②③。
    これらの回収。
    無理でしょ?が、できるでしょ!に転換されていく過程。
    奇策のなかにロジカルあり。
    犯人探しとは別の面白さあり。

    ------------
    中山七里さん。
    さよなら、ドビュッシー、ネメシスの使者とは、違ったバンカーの物語。
    圧巻でした。

    #中山七里さん好きな人と繋がりたい

  • 帝都第一銀行、入行3年目の結城真悟。
    新たな配属先は、渉外部、つまり回収係。

    そこで、凄腕の回収担当が上司の山賀雄平(38)。
    『この世で一番大事なものはカネ』と言い切る人物で、行内では、『シャイロック山賀』と噂される人物。
    果たして、結城は、山賀の下でやって行けるのか?

    途中までは、銀行内の物語と言うことで、池井戸ミステリーかと思われましたが、山賀が何者かに殺害され、一気に中山七里のミステリーになりました。

    様々な人物を通じて、不良債権の回収経験を重ねる結城。果たして、これら事案の中に、彼を恨んで殺害した人物がいるのか?

    最後の『どんでん返し』は、さすが中山七里氏ですね。なるほど。
    結城の成長振りも、今後の活躍に期待されます。

  • 金融ものなので、当然、池井戸潤と比較しちゃいますよね。中盤までは確かに同じ感じなんだけど、そこはさすがの中山七里。後半はこちらの方が格段に面白い。もちろん好みもありますけどね笑

  • 面白かった
    短編連作金融ミステリーで池井戸潤かと思ってしまった!

    銀行の日陰部署と囁かれる渉外部に異動してきた結城。落胆しながらも「シャイロック山賀」と言われる伝説の不良債権回収屋の山賀に薫陶を受けます。山賀の回収術・その矜持に引き込まれていきますが、その山賀が何者かに殺害されてしまいます。
    山賀の顧客を引き継ぎ債権を回収する結城。
    二代目のボンボン社長
    新興宗教の教祖
    国会議員
    そしてヤクザ
    と債権を回収していく結城
    その回収アイデアもすごい

    そして、最後の真犯人が明らかになります。
    真犯人これまたひねりがあってよい。
    さらにさらに、結城の銀行マンとしての矜持が熱い!
    後半はとてもよかった!

    お勧め

  • 銀行の回収係の大変さと言ったら…。
    山賀さんが結構早い段階で殺されちゃったのが残念で、もう少し手際を見たかった感はある。でもその後を引き継ぐ結城の手腕がすごすぎ。そしてミステリ的にも最後が痛快でいい。

  • 銀行の渉外部、要は借金取り立て回収担当部門の話である。今回の主人公の結城は営業部から渉外部へ移動され左遷だと思ったところで「シャイロック山賀」に借金取り立ての極意を実践薫陶を受ける。 そうしているうちに山賀が何者かに殺害されてしまい、山賀の後任として結城は山賀が残した劣悪な債権を回収していく。その過程で刑事の諏訪に山賀の犯人らしき人を探すのを協力して欲しいと言われるが。
    新興宗教の借金、二代目ボンボンの会社の借金、選挙に落ちた国会議員、地上げ屋のヤクザとどんどん強敵に立ち向かう。最終的にいちばん怪しい地上げやの所で犯人らしき人が見つかるが、どうも結城にはその人が殺したとは思えず、その後に真犯人が見つかる。最後に真渉外部長に結城はあだ名を付けられた、「シャイロック結城」と彼は誇らしかったとしめられていてなかなか後味は良かったです。

  • シャイロックって誰?って思ったが、ベニスの商人にでてくる取立ての人だった〜

  • 甘い審査の当然の帰結として焦げ付いた債権を回収する若き銀行員・結城君の活躍を描いた連作短編。

    部下に困難な仕事を振るだけで腰の定まらない上司、どんな状況になっても常に主人公を支えてくれる理解の深い恋人、凄腕の回収のプロでミステリアスな職場の先輩。

    で、この職場の先輩は最初の章が終わったあたりで殺されちゃうんですが、その後の展開も特になく、言わば殺されっ放しのまま結城君のお仕事が続きます。
    取って付けたように債権の回収が果たせる都度、関係者のアリバイを確認しますが、この先輩殺人事件の捜査がまるでお留守なので、もうちょっと盛ってもらうと二つのストーリーを同時並行的に楽しめたのになぁと残念に思った次第です。

    中山七里はやっぱり長編で読みたい。わ

  • 銀行のお話にミステリー要素が加味されてて面白かったです。毎回、お金を捻出のしかたの自由自在感が凄かったです。魅力を感じた登場人物は、すぐに退出したのが残念でしたが。

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著者プロフィール

作家

「2022年 『越境刑事』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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