ぜんしゅの跫 (角川ホラー文庫)

  • KADOKAWA (2021年1月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784041099568

作品紹介・あらすじ

妻が妊娠し、幸せいっぱいの日々を送るサラリーマン・田原秀樹は、ある日、知り合いの娘の結婚式に参列することに。
しかし、新婦の佐川知紗は思わず二度見してしまうほど器量の悪い娘だった。
式の最中、野崎という男性が知紗にある画像を見せたことから、彼女は錯乱し、鼻水を垂らしながら秀樹に縋りつき「お父さん」と呼ぶ。
こんな娘は嫌だ――汗がどっと噴き出た瞬間……。映画「来る」へのアンサー的短編!
――「鏡」

真琴と野崎の結婚式。姉の比嘉琴子は祝いに駆け付けるが、誤って真琴に怪我をさせてしまう。
猛省する琴子は、真琴に代わり、彼女が請け負っていた事件「見えない通り魔」の調査に乗り出す。
夜な夜な通行人を襲って引き摺り回し、建造物を破壊する巨大な化け物の正体とは……!?
論理的にして大胆な霊媒師・比嘉姉妹が活躍する、書き下ろし表題作!
――「ぜんしゅの跫」


造形制作/萬歳淑

みんなの感想まとめ

多様な怪異が織り成す短編集で、都市伝説や人間の内面に潜む弱さがテーマとなっています。作品は、比嘉姉妹シリーズの第5弾として、5つの短編から構成されており、それぞれが異なる視点で怪異を描写しています。特...

感想・レビュー・書評

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  • 比嘉姉妹シリーズ第5弾にあたる短編集。都市伝説や不意に忍び寄る怪異を5つの短編で。

    「鏡」 怪と幽
    鏡をめぐる都市伝説的怪異。“ぼぎわん”の自称イクメンパパが、覗いてはいけない鏡を覗き込んでしまう。
    「わたしの町のレイコさん」小説野生時代
     “ずうのめ”に登場した湯刈さんの姪・飛鳥。都市伝説の裏にあった哀しい誘拐事件の顛末。
    「鬼のうみたりければ」 幽
    野崎の同期女性の夫には双子の兄がいた。行方不明だった兄が帰宅し、弟の名を名乗って暮らし始める。山村ではあり得そう。
    「赤い学生服の女子」 怪と幽
    “ずうのめ”“などらぎ”の美晴を想う少年。入院中、周囲の患者が次々と謎の死を遂げる。
    「ぜんしゅのあしおと」書下ろし
     野崎と真琴の結婚式に現れた琴子が、真琴に怪我をさせてしまい、彼女に代わって除霊や調査を行う。ふたりの考え方や怪異に対する対応の違いが面白い。

    じわじわと精神を締めつける怪異から、ラストで突き落とす衝撃型まで、怖さが多彩。シリーズのファンにも、単発のホラー短編集としてもどうぞ。

    • おびのりさん
      ともちん
      良い子はマネしないでね
      ともちん
      良い子はマネしないでね
      2025/08/25
    • yukimisakeさん
      納涼祭り良いですね(≧▽≦)ちびる位の無いかなー
      納涼祭り良いですね(≧▽≦)ちびる位の無いかなー
      2025/08/25
    • おびのりさん
      yukimisakeさん
      すっごい怖いの読みたいよね

      文字だと難しいかな
      映像だと「呪怨」だったかしら
      シャンプーしてて 髪の中に別の手が...
      yukimisakeさん
      すっごい怖いの読みたいよね

      文字だと難しいかな
      映像だと「呪怨」だったかしら
      シャンプーしてて 髪の中に別の手があるシーン
      やめて!って思った
      一人暮らしのシャンプー怖くなるよね
      2025/08/25
  • 短編5つ
    「鏡」で田原?あれ?ぼぎわん?ってちょっと驚いたストーリーの胸糞悪さも田原なら仕方ないか…

    その他の話も今までの登場人物が出てるか気になるんだけど忘れっぽいからダメね笑
    ちょっと話に集中できなくなりそうで、相関図なんかが頭に入っている人が羨ましい。゚(゚´Д`゚)゚。

    ダンダダン読んだ後だったからカシマレイコが出てきてビックリした笑

    このシリーズは人の弱さや醜さが怪異を呼び寄せる怖さがあって単純なホラーじゃないところが魅力なんだろうなぁ。
    短編も好きだからこういう前日譜なんかを合間に出してくれるのは嬉しい。

    • Super8さん
      みんみんさん、一歩リードですか!?
      おびさんも、次本作!?
      みんみんさん、一歩リードですか!?
      おびさんも、次本作!?
      2025/08/23
    • みんみんさん
      たぶんおびさんもコレ〜‹‹\(´ω` )/››
      たぶんおびさんもコレ〜‹‹\(´ω` )/››
      2025/08/23
    • ultraman719さん
      もう、忘れてる…
      もう、忘れてる…
      2025/08/23
  • 比嘉姉妹シリーズ第5弾!
    短編集5編。

    まずは、真琴さん!野崎さん!ご結婚おめでとうございます〜パチパチ〜

    おめでたいけど、比嘉さんら…微妙に登場するだけで、ちゃんと登場するのは、「ぜんしゅの跫」だけなんで少し寂しい。゚(゚´Д`゚)゚。
    「鏡」なんて、「ぼきわんが来る」の前日譚か後日譚か知らんけど、知紗ちゃん可哀想過ぎ!
    「わたしの町のレイコさん」も男なら、そんな被害会うとツラいのは確かやし…

    何かイヤミスと言うか、救われん感じの終わり方のが多い短編の中、最強のお化けとは言え、「ぜんしゅの跫」は、最後は、ホッコリするというのが、逆に良い。
    お姉ちゃんは、キッチリしてるというか、頭が固いというか…何というか…それか何かええわ!

    ハイ、一気読みで終わりました!

  • 怪異の引き波、ぜんしゅの跫。

    「ぼぎわんが、来る」の前日譚が収録された『鏡』だけでも価値がある。

    ほかの短編も、終始、口をあんぐりしてしまう話ばかりだった。

    比嘉姉妹シリーズ第5篇。

  • ホラーでホッと和む一冊。

    五編どれもあの手この手でジワジワと怖面白かった。

    ゾワッと後を引くオチもたまらない。

    中でもやっぱり比嘉姉妹にがっつり出会えた表題作が良かった。

    かり、かり、がりっ…に、びく、びく、ひっ!とさせられる時間。
    巨大な化け物の正体は何?と怖さと想像に囚われる時間。
    そして探り当てた真相。

    あぁ、こういうの好き。
    なんだかせつなくて好き。
    良い方向に持っていこうというこの導きが好き。

    この比嘉姉妹の仲にホッと和むホラー短編集。
    そしてシリーズ再読させ姉妹に会いたくさせるこの読後感は澤村さんの作戦かしら。

    • くるたんさん
      sinsekaiさん♪こんばんは♪
      私も比嘉姉妹、記憶の彼方に…状態だったのでうれしかったです♪
      お姉さんのキャラが良いですよね✧*。(ˊᗜ...
      sinsekaiさん♪こんばんは♪
      私も比嘉姉妹、記憶の彼方に…状態だったのでうれしかったです♪
      お姉さんのキャラが良いですよね✧*。(ˊᗜˋ*)✧*。
      レリゴ〜♬にもクスッとしましたꉂꉂ ( ˆᴗˆ )
      2021/03/29
    • sinsekaiさん
      映画の「来る」を観た後は、小松菜奈と松たか子のイメージになってしまいました…
      映画の「来る」を観た後は、小松菜奈と松たか子のイメージになってしまいました…
      2021/03/29
    • くるたんさん
      ですよね(*≧︎∇︎≦︎)イメージが定着しちゃいましたね♬
      ですよね(*≧︎∇︎≦︎)イメージが定着しちゃいましたね♬
      2021/03/29
  • 最近澤村さん祭りなのはたまたまです。比嘉姉妹シリーズ短編集。後味の悪い話に相変わらずスパイスの様にじわりと黒い不気味さが足を掴んでくる。30年前に神隠しにあった兄が突然帰ってきた「鬼のうみたりければ」招かれた者が死に誘われる病院の怪異「赤い学生服の女子」が特にじわじわきた。表題作までは比嘉姉妹+野崎は脇役ポジションだけど最後の表題作では大活躍。足音だけの見えない怪異が起こす通り魔事件に立ち向かう話が単なる怪異退治で収まらない所が良き。最初の「鏡」冒頭結婚式に出席する男の妻に対する態度の苛つき、どうも覚えがあるな?と感じていたら名前が明かされてお前かー!しかし鏡が本当にあの能力のある鏡だとしたら未来がやるせないぞ。

  • 怖い。

    比嘉姉妹が活躍するシリーズ五作目のホラー短編集。
     
    と、言っても実際に比嘉姉妹が活躍するのは、巻末の表題作「ぜんしゅの跫」のみ。
     
    意外にも、この表題作が一番怖くなかった。面白くはあるし、納得もできたが、恐怖は感じない。
     
    むしろ他の四編の方がゾッとする。
    特に「鬼のうみたりければ」と「赤い学生服の女子」は印象深い。
     
    しかし、「赤い学生服の女子」のラストは嫌だな。
    怖がらせたいのは分かるけど、あのラストはいただけない。
     
    シリーズ三作目の「などらきの首」のときにも感じたことですが、この人の作品は短編の方がおもしろい。
    長編よりも締まっていて、コンパクトに纏められていながらも、ミステリーのようなカタルシスも感じられ、そのうえでもちろん怖い。
     
    怖い。

  • 比嘉姉妹シリーズ 5作目
    ホラー短編集

    澤村さんの作品の比嘉姉妹シリーズは、ホラーとしても怖いけど構成が良くて単純な話では終わらずにミステリー的な要素も楽しめるのですごく好きなシリーズ!今作も短編やのに怖くて一筋縄ではいかないミステリー的要素もあってエンタメ作品としてかなり楽しめた!

    「ぼぎわんが、来る」を読んだのが何年も前やったので1発目の「鏡」を読んでもすぐに気づかへんかったけど「ぼぎわんが来る」に出てきてたあの人やん!!って思って映画版「来る」を観ておさらいしたけど映画版も面白いな。でも結構内容変わってる?まあそれはそれで良かったけども

  • シリーズ第5弾の短編集。
    化け物の恐怖もさることながら、そこに人間の持つ負の感情を散りばめており、ただのホラーにしていないところが変わらず面白い。
    その設定上、どうしてもパッピーエンドにはなりづらいが、そんな中、表題作はこれまでの澤村作品とは異なる後味があり、これはこれでいいのかも、と思えた作品だった。

  • 比嘉姉妹乃短編集。読みやすいので待ち合わせの前とかにパッとよめます。
    シリーズを順番に読んでなくても読めますよ♪
    鬼の〜が好きでした

  • 「鬼のうみたりければ」のオチについてずっと考えてる。とても良くできてると思う。
    「ししりばの家」もそうだったが、自分の当たり前がひっくり返るのってとても怖い。

  • 妊婦が体が辛いって寝ようとしてるのに当然のように朝ごはん作れってクソだな…と思ったら前に出てきたあの人だったのか。

    最悪と言いながらも実は嬉しそう?距離が縮まると良いね〜

  • このシリーズは本当に面白い。
    くどくなく、すっと読めるし、怖さもしっかり。
    また、いろんな怖い話や都市伝説が出てくるため、懐かしさも感じれる。

  • 短編でしたがどの話も興味深く楽しめる内容だった。
    比嘉姉妹も野崎もしっかり絡んできたし、1話目の「鏡」なんかは読んでて嬉しくなっちゃいました。

  • 比嘉姉妹シリーズ5作目の短編集。やっぱり比嘉姉妹、それも3人共が出てくるのは良い。赤い学生服の女子は泣きそうになるわこんなん、と思ったら嫌な最後……。でもまたこうやってちょこちょこ彼女を出して欲しい。タイトルのぜんしゅの跫はメインに相応しい展開、ただし意外とほっこりするのが良かった。この流れで次の長編読みたいですね。

  • シリーズ5作目。現時点では最新刊。
    短編が五つ。やはりホラーかつ面白くてぐんぐん先を読まされてしまうのは澤村伊智さん。
    怖くまた悲しくも、その先を想像させる終わり方だったり、少し人間味も感じる話だったり、色々な楽しみ方ができると思う。
    こわいから夜読むのにぴったり…

  • 怖くておもしろかったです。比嘉姉妹シリーズもっと読みたいなぁ。

  • 今回はあまり真琴と琴子の活躍が感じられなくて、寂しい。
    そろそろ長編も読みたいなぁと思うファンです。

  • 披露宴に出席するホテルで見かけたー鏡
    どこにでもある町の怪談ーわたしの町のレイコさん
    神隠しって本当にあるんやー鬼のうみたりければ
    魅入られると必ず死ぬ病院の幽霊ー赤い学生服の女子
    姿の見えない通り魔の正体はーぜんしゅの跫

    比嘉姉妹シリーズの短編集。
    鏡は奇妙な味わい
    鬼のうみたりければは哀しい
    ぜんしゅの跫は野崎さんも真琴さんも相変わらず身を削っていて痛々しい。優しくて思いやり深い彼女は美しいですね。霊能者として格段に上の琴子さんはとても彼女を愛しているけど、真琴さんにとってのお姉さんはそれだけじゃない思い。次巻の「さえづち~」がどうにもきなくさそうなので読みたいけど読みたくないけど読みたい!

    表題作の「ぜんしゅの跫」が一番好きでした。

  • 2021年2月11日読了。

    比嘉姉妹シリーズ最新作。
    全5話の短編集。

    『鏡』
    仕事関係の知人の結婚披露宴に出席した田原秀樹は、会場で巨大な鏡を発見する。
    吸い込まれるように覗き込むと、鏡の中の自分の背後に何かが映り込んでいる。
    よく目を凝らして見ると、それは男の顔だった。
    顔の半分が欠損し、ぬらぬらと赤く照り光った血みどろの顔がぱくぱくと口を開いたり閉じたりしている。
    有り得ないものを目にし、愕然としている所を後輩に話しかけられ我に返る。
    男の顔が映っていた場所を確認するが、それらしきものは何も見当たらない。
    何かの見間違えだったのだろうと気を取り直し、秀樹は席に着いた。
    新郎新婦が入場すると、新郎は眉目秀麗であるのに対して、新婦は背が低く丸々と肥え、目は細く鼻は低く、首が全くないと見るに耐えない容姿の女性がのしのしと現れた。
    秀樹は『自分の娘にはあんな風にはならないで欲しいものだ』と思いながら、ふと会場のスクリーンを見た時、そこにある画像が映し出されていた。
    血で服が真っ赤に染まり、顔の半分が殆ど無くなっている男の凄惨な死体写真がそこに映っていた。
    一体これは何なのか…

    『わたしの町のレイコさん』
    オカルト雑誌の編集で働く弥生は、姪っ子の飛鳥に怖い話をせがまれ、都市伝説について話をしていた。
    『トイレの花子さん』の話の流れから『カシマレイコ』という話に移る。
    『カシマレイコさん』の特徴は"身体のどこかが欠損していて、話を聞いた人のところへ現れ欠損した部分を持って行く"というものらしい。
    その話を聞いた飛鳥は、自分達の周りでも『レイコさん』という話が広まっている事を思い出す。
    『レイコさんという名前なのに男の人で、男性器を欠損しているからオカマ。だから包丁でアレを切り取られて持って行かれる。昔、ある男の子が変質者に襲われてアレを切られてしまって、そのまま大人になったけどある日おかしくなっちゃって自殺した。その霊がレイコさんになったんだって。
    そして、最近この辺りを女装した男が包丁持ってウロウロしてるのを何人も目撃してるらしい。それがレイコさんなんじゃないかって噂』
    その話を聞いた弥生は興味を持ち、過去の事件を調べてみると、20年前に男の子が誘拐され、男性器を切り取られる事件が本当に発生していて、被害者の男の子は自殺していた。
    はたして女装してウロつく男の正体は…。

    『鬼のうみたりければ』
    オカルトライター・野崎の元に、10年以上連絡の無かった元同期の希代子が突然訪ねてきて、ある相談をされる。
    内容は"神隠し"について。
    希代子の旦那には双子の兄がいたのだが、9歳の時に兄弟で山に探検に行き、その場で謎の集団に連れ去られたのだと言う。
    神隠しなど信じられるはずもなく、その当時は北朝鮮の工作員に拉致されてしまったと話がまとめられていた。
    30年近い月日がたち、希代子の旦那は会社をリストラされ、再就職の為の面接はどれも不採用ばかり。
    義母は認知症が進行し、要介護の状態。
    何もかも上手くいかない状況の中、突然旦那の兄が帰ってきた。
    家族は大騒ぎになったが、とりあえずずっとどこに行ってたのかと尋ねると、
    『白い山みたいなとこで暮らしてた。いろんな生き物がおった。青い泥みたいなやつ、目玉の葡萄、黒いマネキンの群れ、赤い布団みたいなやつ…』と意味不明な事ばかり言っている。
    なぜ急に兄は帰ってきたのか…。

    『赤い学生服の女子』
    東京都 東村山市にある三ツ角学院大学病院に入院している古市俊介。
    車で下道を走っていたところ、真上の高速道路で大規模な玉突き事故が発生し、墜ちてきたワゴン車の下敷きになり、もう20日も入院生活を送っていた。
    入院している部屋は四人部屋の『307』
    割り当てられたベッドはD。
    同室の3人とは雑談を交わす仲になっていたが、ふと気付くとAのベッドが空になっている。
    話を聞くと、昨夜急に亡くなったのだという。
    入院理由が足の複雑骨折だったのに、それが死因とは考えにくい。
    Aのベッドの彼が亡くなる前に変な事を口にしていたのを、同室の1人が聞いていた。
    『これから赤い学生服の女子に会ってくるよ。食堂で独り寂しがってる』

    それから数日、Bのベッドが空になり
    それからまた数日、Cのベッドが空になった。
    2人とも『赤い学生服の女子に会いに行く』と言って亡くなっていった。
    次はD…自分の番。
    自分は大丈夫。そんな事が起こるはずがない。
    『だから今夜、赤い学生服の女子に会いに行こう。独りで寂しがっているに違いない…』

    『ぜんしゅの跫』
    野崎昆と霊能者・比嘉真琴の結婚式。
    そこに姿を現した真琴の姉・琴子。
    強大な力を持ち、壮絶な仕事をこなす霊能者である琴子が忙しい中祝いに来てくれた事に感極まる真琴。
    涙の再会も束の間、すぐに行こうとする琴子に取り縋る真琴だが、手を振り払われた勢いで転倒し怪我をしてしまう。
    怪我をさせてしまった事に深い後悔と罪悪感を感じた琴子は、真琴が働くBarデラシネのシフトを自分が代わりに出て働くと言いだす。
    有無を言わさず代わりに働き戻ってきた琴子は、店の客から真琴が依頼を受けている事件『見えない通り魔・足音の怪』についての話を持ち出した。

    東京都の一角。午前0時から5時の間にひとけの無い暗がりで、人々が引き摺り回されたり、投げ飛ばされるという事件が頻発している。
    被害者は今のところ7人。うち6人は軽症だが、1人は両足を折る重傷を負っていた。
    被害者は誰一人として加害者の姿を見ていない。見ていないのではなく、見えないのだという。
    ただ、猫でも犬でもない、もっと大きな獣の爪がアスファルトを掻く
    かり、かり、かり、かり、がりっ、がりっ
    という足音だけが聞こえ、それが段々と近付いてきて、奇妙に思った矢先、彼ら彼女らの体は吹き飛ばされていたらしい。

    一連のこの怪異の正体は何なのか。
    怪我をした真琴の代わりに、野崎と琴子は怪異についての調査を始める…。


    比嘉姉妹シリーズ第5弾。
    今回も安定の面白さだった。
    野崎・真琴・琴子のいつものメンバーはもちろん、『ぼぎわん〜』で登場したダメ男・田原秀樹の話や、比嘉家の次女・美晴が登場したりと特に過去作を読んできた人には楽しめる内容だったと思う。
    シリーズ全てに、ぼぎわん・ずうのめ人形・などらき・ししりば等、得体の知れない化け物が登場していて、今作もぜんしゅという怪異と比嘉姉妹との対決が描かれ、アクションホラー要素があり楽しい。
    それと共に、シリーズ通して一貫して描かれる人間のおぞましさ・怖さみたいなものも『わたしの町のレイコさん』『鬼のうみたりければ』で存分に描かれていた。

    原作を読んだだけでは分からないが、映画『来る』を見た人なら否が応でも反応してしまうであろう『アナ雪』のレリゴーをぶち込んでくる著者の遊び心には大いに笑わせてもらった笑
    それなら野崎は『WAになっておどろう』あたりか?笑

    短編集も確かに面白いのだが、多くの方がレビューで書いている通り、やはり長編作品が読みたい!
    次回作は『ぼぎわんが、来る』『ずうのめ人形』に匹敵するような長編を期待する。

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著者プロフィール

1979年、大阪府生まれ。東京都在住。幼少時より怪談/ホラー作品に慣れ親しみ、岡本綺堂を敬愛する。2015年に「ぼぎわんが、来る」(受賞時のタイトルは「ぼぎわん」)で第22回ホラー小説大賞<大賞>を受賞しデビュー。2019年、「学校は死の匂い」(角川ホラー文庫『などらきの首』所収)で、第72回日本推理作家協会賞【短編部門】受賞。他の著作に『ずうのめ人形』『などらきの首』『ひとんち』『予言の島』などがある。巧妙な語り口と物語構成が高く評価されており、新たなホラーブームを巻き起こす旗手として期待されている。

「2023年 『七人怪談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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