おどろしの森 (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 51
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041099599

作品紹介・あらすじ

尼子拓真は新築一軒家を購入し幸せの絶頂だった。だが家の中でお香の匂いや女の笑い声がし出すように。なぜかそれは拓真にしか感じられず、霊能者にも異常ないと言われてしまう。この家に隠された秘密とは。

感想・レビュー・書評

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  • 好印象、の一冊。

    念願の新築一軒家を購入した直後、始まった怪異。

    お香の匂い、うふふ…の笑い声、そしてついに着物姿の女が…と、掴みはバッチリ。

    前作ほど一気読みとはいかないまでも、謎という散りばめられた要素は興味津々、その謎が回収されていく過程はなかなかのスッキリ感を味わえた。

    そして何よりも家という場をホラーに仕立て上げ、安心感から恐怖心へと変える設定は面白い。

    哀しみも溢れる対決シーン。せつなさにも対峙するかのようなこの霊能者コンビが好印象。

    明るい明日へと心疼かせるような心地良い読後感、これまた好印象。

  • 楽しく読めた。 今回はカステラの国。
    感染経路が接触性の中でもキスを選んでいるのが何とはなしに目新しく感じた。家に巣くっている理由も早い段階で勘づいてはいたが、彼女(彼)の名前の違いは良い意味で裏切られた。
    これもシリーズ化するのだろうか?
    呪いには悲しく辛いモノが奥底に沈んでいる。

  • ホラーだけど怖くない。面白いには面白い。
    禁足地の森がある。村が廃村となり、そこの樹木が建築材として使用されてしまう。
    森は江戸時代の岡場所の娼婦が捨てられた場所で、そこで怨霊(呪い)と化した娼婦が森から出るために呪いを拡散していく。
    幼少期にその森の入っていった美女の外見を持つミヤという青年が呪われている。キスをすると呪いが感染する。
    恋人のアキラも霊能力者。この二人の関係が普通の男女と思ったら、BL的なものだった。アキラが女だという仕掛けがあるのかな?と思ったらそうではなかった。
    そうすればいいのに。
    ただ、このキャラがよく立っていたと思う。
    物語は、禁足地の森から伐採した木材で作った家を買ったサラリーマン一家が呪いに襲われ、ミヤ、アキラが助けるというもの。
    サブストーリーとして、父、娘の関係。娘の葛藤、パパ活など、複層的な展開になっている。
    このあたりが巧み。
    文章がすっと頭に入ってくる読みやすさがある。ただ、この読みやすさが、恐怖を軽くしているような気もするのでなんともいえない。
    ホラーと言うより、キャラ小説として面白かった。続編、シリーズ化されるのではなかろうか?

  • 家に憑く霊、と思いきや正体は……

    悪い奴は死んで、ちょっと迂闊だったけどそこまで責めることもできない感じの人は生き残る、ある意味安心な読後感のホラー。

    個人的には美也の性別まわりの設定の必然性がよくわからなかった。すごい霊能者っぽい彼氏については「まぁそういう世界観なのね」と呑み込み可能。

  • 前作のお孵りが怖かったので書店で見つけてすぐに購入。序盤から怖い描写満載で楽しかった。
    ただ、ホラーパートよりも、おどろしとの対決パートの方が長く感じる。お孵りの陰湿な怖さが好きだったので少し残念。

  • 怖いかと云うとそこまで怖くないし、家に憑く霊に悩まされる設定はありがちで独創性もホラー度も前作の方が上かなと思うが、ページがスイスイ進む疾走感は軽やかでさっぱり読みやすい。
    伝染する呪いの緊張感や交差する人間関係の行方、悪霊との息詰まる対決の起伏は深みを与える良いスパイス。
    尼子もアキラも美也も皆基本良い人なので、その誰かが途中で死んでしまわないかという畏れが“おどろし”の恐怖を上回って最後まで消えなかった。
    美也はシマの子孫で血縁だったということ?その部分が曖昧に終わってしまったのはやや消化不良な感じ。

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著者プロフィール

滝川 さり:1992年生まれ、兵庫県神戸市出身。2019年、「お孵り」で第39回横溝正史ミステリ&ホラー大賞〈読者賞〉を受賞して、デビュー。現在大学職員。

「2020年 『おどろしの森』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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