さくら、うるわし 左近の桜 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 93
感想 : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041099681

作品紹介・あらすじ

小旅館「左近(さこん)」の長男・桜蔵(さくら)は、母と弟が暮らす家を離れ、父・柾(まさき)の元から大学に通っている。柾の庶子ではあるが特に不自由はなく、柾の本妻である遠子(とおこ)とは、気軽に連れ立って出かけられるほどだ。複雑な家族関係に不満はないが、誰からか継いだ、不可思議な体質は困りものだ。見えないはずのものを見てしまうだけでなく、その者たちに魅入られ、身体をほしいままにされてしまう。それも、集まってくる者たちはいずれも桜蔵を「いい女」と呼んではばからないのだ。
耳を求めさまよう犬、男か女か判然としないマネキン――この世ならぬものたちが桜蔵の身体を求め……。生と性、死の気配が絡み合う珠玉の連作幻想譚。

感想・レビュー・書評

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  • この世とあの世、現と夢が入り交じる幻想的な左近シリーズ3作目。
    今回も、いつあちら側へ踏み出したのか境界が定かではなく、途切れることなく流れていって、気付いたら夢の中を漂うような心地よさだ。
    しばらく醒めたくない。

  • この世とあの世を無意識に行き来してしまう桜蔵の不思議でこわい体験。

  • 学生(らいすた)おすすめポイント
    『長野まゆみ先生の現代をテーマとした幻想譚シリーズの3作目で主人公が大学生になり親近感がわいたから』

    桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/book/645239

  • 長野まゆみさんの作品初読み。美しい表紙絵に惹かれてシリーズ物であることにも気づかず購入。でも大丈夫、問題なく読めた。そしてすっかりこの幻想的な夢小説のすっかり魅入られてしまった。
    どこからが夢?どこまでが現?いつの間にか不思議な世界を桜蔵と共に歩いている。こういう幻想的なものは時に置いてきぼりを食らうことも多いのだが、この本は短い章がいくつも積み重ねられているせいか、とても読みやすく没入できると感じた。風や花や水が美しく、静かでそしてちょっと怖い。
    この左近の桜シリーズ、他2冊もぜひ読んでみたい。

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著者プロフィール

東京都生まれ。1988年『少年アリス』で文藝賞を受賞。2015年『冥途あり』で泉鏡花文学賞、野間文芸賞を受賞する。『新世界』『となりの姉妹』『箪笥のなか』『よろづ春夏冬中』『メルカトル』『カルトローレ』『45°』『ささみみささめ』『兄と弟、あるいは書物と燃える石』『フランダースの帽子』『銀河の通信所』、「左近の桜」シリーズなど著書多数。

「2021年 『その花の名を知らず 左近の桜』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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