介護士K (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 103
感想 : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041099698

作品紹介・あらすじ

介護施設「アミカル蒲田」で入居者が転落死した。ルポライターの美和が虚言癖を持つ介護士・小柳の関与を疑うなか、第二、第三の事件が発生する――。介護現場の実態を通じて人の極限の倫理に迫る問題作。

感想・レビュー・書評

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  • 久坂部羊『介護士K』角川文庫。

    介護施設を舞台にしたミステリー・サスペンス。2014年に川崎の老人ホームで実際に起きた事件に着想を得ているようだ。

    介護という厳しい職場の闇と行き過ぎるマスコミの報道。老いて、身体が思うように動かなくなり、他人の手を煩わせてまで生きることに意味はあるのか。

    タイトルの『介護士K』とは主人公の小柳恭平のことであり、彼が働く介護施設『アミカル蒲田』で起きた入居者の転落死亡事故に彼が関与したのかということが物語の根幹を成している。なかなか真実は明らかにならぬままにストーリーは二転三転し、第2、第3の死亡事故が起きる。果たして恭平は……

    本体価格720円
    ★★★★★

  • 老後と長生きと介護。
    山積みの問題が目の前に晒された。
    自分の親の介護や施設の問題。自分の決定で変わる親の老後。
    私たちも子供の決定で変わる。
    介護とはする側の危険な快感と書いてあった、確かに否めない。
    親のいる人、老人になる人はこの作品を読むと読後に何かが変わるかも。

  • 綺麗事ばっかりいってられない介護現場の現実が見える作品だった。
    いつか自分も介護される立場になるなんて想像もつかないけど、できていたことが自分でできなくなる怖さを感じる。日本では安楽死は認められてないけど、自分が寝たきりになったときに、果たして生きがいを見つけられるのか…

  • 自分自身の介護問題は避けて通れんし、社会問題としても論議すべき点が多いなあ。
    確かに財源や人材を投与しても、高齢者を喜ばすだけで、社会の生産性が上がる訳でもない。医療とも関連するけど、点滴や胃瘻による栄養補給までして、延命させる必要性が本当に有るんかいね?
    小説としては、話を回している美和さんが最後に犯人である事が判明するなどのどんでん返しが有るんかと期待したが、そんなんやったら「五十嵐貴久」になっちゃうし。さすがにそれは無かったわ。

  • 介護、、難しい問題だと改めて思った。
    決して他人事ではなく親のことや自分自身のことを考えるととても不安になる。。
    だけど結局小柳が何をしたかったのかがよく分からず、、読後感はモヤモヤ。

  • 難しい問題だと思います。
    許されることではないが、当事者からしたら許してほしい問題ですから。
    ただ小柳はいったい何をしたかったのでしょう。
    意図が掴めぬまま…。

  • 謎が多く残る終わり方でした。結局、Kが望んだ事は何だったのか。
    なんとなく、現実の事件をいくつか混ぜ合わせたような印象でした。

    黒原医師と須知の関係性も上手く読み取れなかったので、あまり心地よい読後感はありませんでした。
    あとは言葉選びが知性的過ぎて、あまり馴染まない気もしています。

    介護に関しては同作者の「老乱」「廃用身」も興味深い作品となっています。

  • 2014年に起きた「川崎老人ホーム連続殺人事件」を題材に高齢者介護の現場で起きてるさまざまな出来事をできるだけ事実に基づいて描かれた物語のようだ。介護施設は現代の姥捨山なのか…「85歳になっても老いが受け入れられず不安と恐れに苦しみながらプライドを捨てられずにいる」の場面が我が家に重なった。長生きしたくなくなる読後感

  • 長生きは本当に良いことなのか。
    介護士による虐待はもう諦めるしかないのか。
    自分の親が虐待されたり、雑な扱いをされたら怒りが燃え上がるけど、それを非難することは誰にも出来ない気がする。
    久坂部さんの本は、皆一度は読んでおいた方が良いと思う。

  • ラストまで介護士Kに振り回されてる感が有る。
    完結しないミステリーでグレーな状態で終わっているのは、読者に想像させてより問題を考えて欲しいという作者さんの意図があるのか?
    巻末の対談、文庫版あとがきも興味深く読めました。

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著者プロフィール

久坂部羊(くさかべよう)
一九五五年、大阪府生まれ。医師・作家。大阪大学医学部卒業。二〇〇三年、デイケアや在宅医療など高齢者医療に携わりながら書いた小説『廃用身』でデビュー。第二作『破裂』が「平成版『白い巨塔』」と絶賛され、一〇万部を超えるベストセラーとなる。他の小説作品に『無痛』『第五番』『芥川症』『MR』等がある。一四年『悪医』で第三回日本医療小説大賞を受賞。小説外の作品として『大学病院のウラは墓場』『日本人の死に時』『ブラック・ジャックは遠かった』『医療幻想』『人はどう死ぬのか』等がある。

「2022年 『寿命が尽きる2年前』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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