- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041099704
作品紹介・あらすじ
向島で箱屋をしている二十八歳の新吉は、役者のような色気がそこはかとなく漂っている、女たちの目を引く男だった。
ある日、向島で「桜家」の主人・仙太郎の絞首体が見つかった。同心は自死と決めつけていたが、新吉は、死体の近くに手ぬぐいが落ちており、さらにその切れ端が死体の口にあったことから、殺されたとみて、犯人を追う。一方、南町定町廻りの同心・扇太郎が、花街で起きている連続殺人事件を捜査していると、次に起こると考えられるのは、向島ではないかと推測する。そこで、対岸まで噂が広がっている向島の芸者・お葉に事情を聴きに行くと、そこで新吉と出会うが……。事件に隠された、驚くべき真相とは!?
花街と向島を舞台に、繰り広げられる、時代小説ミステリ。
感想・レビュー・書評
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新シリーズが、スタートしました。
向島・箱屋の新吉シリーズの1作目
2020.08発行。字の大きさは…小(字の大きさは中だが、字が薄いので小)。
役者の菊五郎に似た陸奥の仙北藩の近習番士だった油木新次郎は、吉原の「大菱屋」の花魁小紫と恋仲になり脱藩して浪人になります。同じく小柴に熱を上げていた旗本五百石勘定組頭の幡多忠兵衛の弟・忠次郎たちに襲われて逆に斬り殺し姿を晦ます。
そして8年ぶりに江戸に戻って来た新次郎は、名を新吉と改めて小柴にそっくりな妖艶な向島芸者お葉の箱屋として暮らしています。箱屋は、芸者の三味線の箱を持つことから箱屋と呼ばれています。
そんなとき、大変世話になった料理屋桜屋の主人仙四郎が首を吊って死んだのを発見した新吉は、他殺を疑い独自に探索します。
【読後】
新吉が、小気味よく動きます。役者の菊五郎に似た新吉を挟んで芸者同士の争いが有ったり、頭がよく、剣は仙北藩随一の遣い手であり、人当たりが良い新吉を見ていると。
い、いいな――と思います。その新吉に、謎があります。
こうなれば、次作を読みたくなります。
2021.02.06読了詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
題名の 「向島」 そして「箱屋の新吉」と、・・・・
「箱屋」って…どんな商売?と、思いながら、本をめくった。
以前、祇園の舞妓さんの着物の着付けをしているシーンで、ササっと、帯を結んでいる男性をテレビで、見たのを思いだした。
この本では、芸者さんの身の回りの世話をしている男性を「箱屋」という仕事と理解出来た。
主人公の新吉は、仙北藩 近習番士で、油木新次郎で、8年前に藩を辞めた自分の生い立ちを隠して、箱屋になっているのだが、・・・・
南町定町廻り同心の梶井扇太郎と岡っ引きの伝八に素姓を知られてしまい、事件の手伝いをすることになる。
先ず、辻斬り事件、そして、世話になった桜屋の仙四郎が、首つりと見せかけた殺人事件。
同心の梶井に 新吉は、事件の不審な点を次から次へと、話をする。
辻斬りなのに、財布を盗まれなかった点とか・・・
本当に、被害者は、大金を持っていたのか?・・・
辻強盗をしたと思われる大江惣兵衛が、金をとる事をしなかったのなら、どこで、向島で、遊べる金が、出ているのか?と、疑問を投げかける。
亡くなった仙四郎の腹違い弟の仙次郎は、事件に関係あるのか?
仙四郎は、何を悩んでいたのか?
武蔵屋の大旦那へ、その疑問を聞いてみると、向島という土地柄、風光明媚な景色に田舎料理、そして年期の入った芸者。
そんな盛りの過ぎた芸者の中に、一人だけ若くて美しい芸者を・・・という事で、向島を盛り立てたと・・・
それを、深川のような街にしたいと願うも者が居る事に…悩んでいたらしいと。
小さな事件の塊だと思っていたのだが、最後には、増上寺の修繕工事の公金の話に。
水増し分は、誰の手に・・・不正は取り調べに。
最初第4章迄あって、1章づつ完結していくのかと思って読み始めたのだが、ついつい、話が続いて、読んでしまった。
さてさて、これからこのシリーズも目が離せなくなって来た。 -
全般的になんだか薄い感じ。
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新シリーズ
新吉は誰なのか? -
内容(「BOOK」データベースより)
向島で箱屋を生業にしている新吉は、芸者の身の回りの世話をして生活を送っていた。ある日、目をかけられている料理屋の旦那が首を吊った。新吉は現場に手拭いが落ちていたことから、他殺として調べ始める。一方、南町定町廻り同心の扇太郎は、連続辻強盗を追っていた。次に狙われると定めをつけた向島で聞き込みをしていた時、別件で探していた男と瓜二つの新吉を見かける。向島と花街を舞台に繰り広げられる人情時代小説開幕!
令和3年3月22日~23日