誘拐リフレイン 舞田ひとみの推理ノート (角川文庫)

  • KADOKAWA (2020年11月21日発売)
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本 ・本 (640ページ) / ISBN・EAN: 9784041099773

作品紹介・あらすじ

引きこもりの少年、馬場由宇は、近所に住む大久保家の幼児虐待を疑っていた。
ある日、件の幼児、真珠を炎天下の車内から助け出し、弾みで自宅に連れ帰ることに。
だが、目を離した隙に、何者かが真珠を連れ去ってしまった! 
困り果てた由宇は、いくつもの難事件の解決に関わった友人、舞田ひとみに助けを求める。
しかし、ひとみの推理で一度解決したかに見えた事件は思わぬ形に変貌していき……。
(『コモリと子守り』改題)

感想・レビュー・書評

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  • 臆病な性格の主人公馬場由宇と元同級生の舞田ひとみが連鎖的に発生する誘拐事件を解決する物語。

    いい意味で言うと読みやすいさらっとした内容だった。読者の想像を裏切他ない結末と多少強引さもあるようなトリック、表面しか追わない登場人物たちの心情、どれをとってももう少し物足りないという印象が残った。
    家族の愛情をテーマにしているということは伝わったが、そこまで胸に響く読後感はなかったように感じて少し残念だった。結局物語の中で活躍するのは強い意志をもったひとみだけで、周りはただぼんやりと時を進められているような印象があって感情移入がしにくいせいもあるのかもしれない。

  • かなり厚い本でしたが一気読みでした。
    こんなに都合よくと思うところもありましたが、タイトルどおり相次ぐ誘拐にドキドキしました。
    気軽に物語に身を委ねて読むには最適でした。

  • 大久保夫妻がクズすぎるし、
    あの人達では、こんな計画考えられないと思う。

    まあ、面白いけど長いなぁ。

  • 幼児虐待疑惑から連続誘拐事件へと発展し、その誘拐事件の犯人や動機について何度もどんでん返しが起こる良くできたミステリー。それに加えて高校生になったひとみちゃんは、複雑な育ちの影響を受けたヘンテコな少女から地に足がついて格好いい女性へと成長してきており、1冊で2度美味しい作品でした。
    続編が上梓されていないようですが、いつか大人になったひとみさんの活躍を読んでみたい。

  • 誘拐トリックは面白いけど、それを納得させるには無理があったようにも感じた。
    あと、プロローグとエピローグが本当に長い

  • 結構な速度で読み切ってしまった
    すごく読みやすい
    二日もかからなかったな
    丁寧で簡潔な文だけど物語がどんどん進んでいくテンポ感すごくいいなっておもった
    病みバイトみたいなネットを使った犯罪の末端 から 虐待から 殺人 脱法ハーブ
    こんなに旬の犯罪が一つの大きな事件に綺麗にからんでいくのすごい
    シリーズ三冊持っているのになぜか三冊目から読み始めてしまった
    次は一作目かな

  • 行き当たりばったりであんなに作戦立てられるかしらと思うけど、誘拐事件は最後までどんな構造なのかわからずハラハラ。違和感あったところが伏線だったなあー。絡み合った家族のあれこれはなかなかほどくの難しいよね。ぱっとみ怖くて付き合いたくないような人も元はそうしたくなくてもそうとしか生きられない人たちなのかもしれない。どうかみんな健やかであってほしいなと祈ったり。


  • 二重三重に入り組んだ誘拐もの。真相は胸糞ではあったが思いもよらぬものですっかり騙された。

    由宇のキャラには若干イライラするが、家庭環境と彼の置かれた状況を考えると仕方ない部分はある。それ以上にひとみの親はどうかしていると思ったが、弟の世話はビジネスでやっているということなのでまだ救われる。あんな家は飛び出して父親のことは全部後妻に押し付ければいいと思ってしまった。

  • シリーズの最初は小学生だった、舞田ひとみも高校生。元々個性的な性格だったが、そのまま成長しているよう。推理力は、ますます磨きがかかって、誘拐事件を解き明かす。
    このシリーズは好きなのだが、次回ひとみは大学生だろうか?

  • 序盤のテンポは素晴らしかったが…中盤にかけて失速感が…終盤の展開に関しては、ちょっと蛇足。
    全体的な構図としては面白かった。

  • オチは想像通り。
    ちょっとツライ展開。

  • 主人公は引きこもりの少年。ある時、自室の窓から見える隣のアパートのベランダに小さな子がいる事に気付く。それから何度もベランダでその子を見かけるうちに、虐待を疑うようになる。
    4つの誘拐が絡み合うミステリです。読みながら期待していたラストでなかったのは少し残念でしたが、面白かったです。しかしながら、探偵役の舞田ひとみは危なっかしいですね。本人には自信や勝算があるのかもしれませんが、読んでいる方はハラハラしてしまいます。

  • 改題前のタイトル『コモリと子守り』からも分かるが、
    引き「コモリ」の馬場由宇と、「子守り」をする舞田ひとみの二人が主人公の誘拐もの。
    ただし、そこに馬場家、舞田家のそれぞれの家庭の事情が三つ目の「子守り」の要素として加わり、
    600ページを超えるボリュームのある、「誘拐+子守り」作品となっている。

    誘拐パートの真相はよく考えられており、論理的で面白い。
    しかし、ステレオタイプの描写が巧いのに、
    意外な賢すぎる犯人像にステレオタイプとのズレを感じたのが個人的には残念。
    また、子守りパートは終わり方の爽快感のなさも含めて、冗長に感じた。
    それでも、抜群の読みやすさで600ページが長く感じない筆致はさすがだと思う。

  • 舞田ひとみと言えば、たしか...と思いつつ読み始めるも、
    最初にひとみ嬢が登場する際に度肝を抜かれる(^ ^;
    一体何があった!?(^ ^;

    実際にいろいろあったり、ところにより叙述トリック、
    出だしから作者のサービス精神が遺憾なく発揮され(^ ^

    本作は、二つの誘拐事件と一件の失踪事件とを
    力業で合体させたような構成となっている(^ ^
    幼児誘拐が二軒続けて起こり、どうやら同一犯で、
    相互に重要な役割で絡んできて...というメインの話は
    とても新鮮で興味深く読めた(^o^

    が、いかんせん長い(^ ^;
    正直「欲張りすぎ」な感じは否めなかった(^ ^;
    謎解きの説明も、ものすごく「説明くさい」(^ ^;
    その辺が気になって★一つ減(^ ^;

  • 誘拐事件についてはかなり面白い内容だったと思います。最初の事件で違和感を覚えたところが二つ目の事件真相の布石みたいになってて、上手く考えたものだと感嘆します。真相が分かったときは、かなり驚きました。ただ、これを頭があまりよくなさそうな大久保夫妻が考えた、というのには疑問が……(実は地頭が良かったりするのかな)

    あと、馬場由宇の兄が良い奴だったらその疑いを晴らすことに共感できたのですが、過去に不幸があったとはいえ、途中まではただの嫌な奴だったので、由宇が兄を助けようとする動機がちょっと理解しづらかったです。

    それもあって、由宇の家庭の事情関連のお話は蛇足気味に感じてしまいました。真珠&陸斗のW誘拐事件が面白かっただけに、そちらにフォーカスを当てて兄との絡みは少し端折ってくれたほうが、全体的なボリュームも丁度よくなって読みやすくなるんじゃないか、なんて思っちゃいました(素人考えですが……)。

  • 前半の1このヒントからあれよあれよと、解き明かしていったのは、爽快だった

    後半の仕掛けにもスゴいびっくりしたし。

    探偵のキャラも私はとても好きだった

    歌野晶午は、コレと多分いちばん有名なアレしか読んでないけど、私の中でブームが来そうだ

    あと、これシリーズものなんだね、過去の本少し調べたけど手に入る気がしない……
    紙ベースがホントは良いけど、電子書籍でもいいから、やってくれないかなぁ……


    次は歌野晶午の短編読むぞー


    追記
    このシリーズの前のが、装い新たにでてるじゃないかー(嬉)



  •  新しい誘拐のかたち。


     うーん消化不良。
     主となる誘拐事件自体はとてもよく出来ていて、それが解けていく爽快感もあるんだけれど、ちょっと余分な要素が多すぎて集中できませんでした。
     推理ノート、なんてサブタイ付いてるからそっちメインかと思っちゃったのはオレが騙されただけなんだけどさ…あとJK探偵、なんてさ、作中で絶対に探偵役の彼女が云われたくないだろうことを帯の煽りで使うのってどうなのさ。いつも思うんだけど帯文書いてるひとって裏表紙のあらすじしか読んでないよねきっと。

     …怒ってない、怒ってないよ?


     登場人物がどことなく不愉快? というか、流石に話通じなさ過ぎだろうとか緊張感なさ過ぎだろう、とか、その設定別に要らないだろうとか、無駄口多すぎだとか、なんだろうちょっと面倒なキャラ付けがされているのも余分、の続きで、
     その上主人公はいつまで経っても頼もしくならないし、その割になんだか偉そうだし、
     探偵役ももうちょっとあるだろ、という感じもし、
     犯人に至ってはサイコパスかっていうくらい演技が上手すぎる。というか周囲が疑問に思わなすぎると云うか。
     いちばん人間らしいの兄貴だと思う。

     …あれ? 怒ってんのか?


     いや面白くないわけじゃないんだよ? なんだろな全体的に装丁とか煽り文句と内容が合ってない感じがいちばんの違和感。なのでキツ目に☆2.4。せっかくの歌野晶午なんでね。

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著者プロフィール

1988年『長い家の殺人』でデビュー。2004年『葉桜の季節に君を想うということ』で第57回推理作家協会賞、第4回本格ミステリ大賞をダブル受賞。2010年『密室殺人ゲーム2.0』で第10回本格ミステリ大賞をふたたび受賞。

「2022年 『首切り島の一夜』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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