向日葵のある台所 (角川文庫)

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  • KADOKAWA (2020年10月23日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784041099810

作品紹介・あらすじ

森園麻有子(46歳)は、中学2年生の葵と二人暮らし。ある日、自分勝手な姉から、倒れた母を引き取って欲しいと電話があった。実家と折り合いが悪く、極力関わらないようにしてきたのに――。不安が募る中、疎遠な状態だった母親との生活が始まる。唯一の救いは、自分の味方である葵が、祖母の扱いが上手なこと。しかし、目をそらしたい現実はすぐそこにあって……。肉親だからこそ許せなかった過去に、麻有子は決着をつけられるのか。

みんなの感想まとめ

家族の複雑な関係を描いた物語は、主人公の麻有子が母親との同居を余儀なくされるところから始まります。疎遠だった母との再会に葛藤しながらも、娘の葵がその関係を和らげる役割を果たします。麻有子は、過去のトラ...

感想・レビュー・書評

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  • どんなに親に後悔されても、自分の子供時代は戻らない…

    1番親に愛されたい時期に、ひたすら家事をし、学校の成績が良くても、何かで表彰されても褒められることのない主人公。
    褒められることもなければ、失敗すれば、舌打ちされる。
    46歳になっても、きゅうりの塩揉みに気をつかう麻有子。きゅうりを切る度に思い出す親へのトラウマ。
    それを何とか乗り越えながら、生きて来たのに、いきなりトラウマの原因となった実母との同居。
    面倒を見たくないからと押し付ける自分勝手な姉もムカつくし、葛藤しながらも結局母親を迎え入れてしまう主人公にも、結局いいようにしか描かれないものなんだな、と思った。
    実際、物語はほぼ和解して終わってる。
    もっと母親の病気が進行してから、終わるのかと思ったから、意外とあっさり終わった感じ。
    一貫して主人公の麻有子と母、そして麻有子の娘の葵との母娘の話が描かれる。
    葵は凄い良い子だし、母親が苦労してたら、自分もしっかりしなきゃって気持ちも分かるけど、あまりにも良い子過ぎて、ちょっと出来過ぎ。
    それ以上に子供の頃に母親に受けた傷は簡単に消えたりしない。
    親がこっちが子供だったからと、自分が子供の時の言い訳をすることを鵜呑みになんか出来ない。
    物語としては、とてもいいのだけど、毒親を許せるか許せないか、と言う点では主人公に共感することが出来なかった。

  • 毒親との関係って重たい。結局その親も酷い目にあってたりして同情しそうになるけど断ち切れる人もいるのだからどうなんだろう。
    葵ちゃんはホントにいい子で考え方が大人すぎる。こんなできた子を持った麻有子は幸せですね。

  • 親の介護、そして母と娘の確執…
    そんなありがちな家族の問題について描かれた小説。

    主人公は中学生の娘を持つシングルマザー。ある日、母親と同居している姉から連絡があり、母親を引き取って一緒に住んで欲しいと懇願される。
    主人公は以前から姉には甘いのに自分には辛く当たる母親が嫌いで、断るつもりがうまく丸め込まれ、同居を受け入れる…

    当然うまくはいかないが、だんだんと中学生の娘が潤滑油になり、母親との間にある壁もなくなってゆき、母と和解できる…特に母親がこれまで辛くあたってきたことの理由を話し、心から詫びるシーンは感情が揺さぶられるものがあった。

    ちょっと理想的すぎるエンディングではあるが、ほっこりする話でした。

  • 今でいう”毒親”から虐待されて育ったシングルマザーの麻有子がその母と同居することになった物語
    家族だから全て分かりあえるわけではなく、一人ひとり別の人格をもった人間同士だよなとしみじみ思った
    育児中、母・正恵には正恵の気持ちや理由があったのが後半に描かれている…んだけどそれをやっぱり子どもである麻有子にぶつけたのは違うだろと思う
    自分の都合を人にぶつけるんじゃないよ~!!
    姉の鈴子が割りとイヤな人間だった…ので登場シーンは読んでて少し疲れます
    麻有子の娘・葵が優しくて健やかでホッとする!
    最後はこれからへの明るい希望を感じて終わる、少しずつでも前に進めそう

  • 家族というのを考えさせられますね。
    話せばわかる。
    その話をするのが難しいですね。
    この本を読めば少しは伝わるのかな。
    母と娘の話だから父親や息子だったらどうなるのか。
    考えられますね。

  • 葵の性格が明る過ぎてちょっと着いていけないところもあったが、主人公の割り切れないグレーな気持ちには共感できた。
    情景や人物の気持ちの描写が丁寧に表現されていて、読みごたえがあった。

  • ひとり旅日和のようにサラッと読めて美味しい食べ物が登場する話だと勝手にイメージしていたので、心理的虐待をされて育ったシングルマザーの麻有子と娘の葵が2人で助け合いながら幸せに暮らしていたところに、まさかの母親との同居が始まるという話の重さが意外だったけれど、「向日葵のある台所」という意味に納得の葵の性格の明るさと健気さに暗い話が暗いだけで終わらなかった。
    母娘、姉妹、女同士は何かと難しいこともあるけれど、感謝の気持ちを忘れないこと、そして「ありがとう」という言葉をしっかり伝えていきたいと思った。

  • タイトルでは【美味しい小説】かな?と思って、手に取りました。
    結果、確かに食卓風景は出てくるけど、家族小説ですね。人情物のようで、問題提起作品な気もする。
    面白いのが、1人の女性が主体ですが、娘の立場になった場合と、母の立場になった場合で、親娘として築き上げた関係がまるで違うこと。
    自分の母親とは、親娘というより主従。認めない、褒めない、束縛、姉との明確なえこひいき。読んでいて息苦しさがありました。
    対して、自分の娘とはまさに両思い親娘。お互いに助けあって甘えあって、拠り所としてるのがわかる素敵な関係です。
    ずっと絶縁に近い状態だった母親を引き取って欲しいと姉に言われた麻有子は一緒に暮らし始めます。
    初めは擦り込み現象で、母の言葉に怯えて構え、言葉の裏を探ろうとしてましたが、だんだんと母の態度が昔と違うことに気づいて行きます。
    とにかく、娘の葵ちゃんが聡明で優しい子です。
    この子がいなければ、この物語は完結まで至らないか、悲劇で終わるのかもしれない。
    葵ちゃんのおかげで、母親から昔の話を聞いた麻有子は、許せないながらも、母親と今までとは違う関係を築けるかもしれない、と希望を持つところで終わります。
    なんとなくですが、児童書の「ハッピーバースデイ命輝く瞬間」青木和雄著、を思い出しました。
    こちらは子供時代のうちに娘の精神面が大きく成長することで早めに関係修復してますが、、。
    これは、それができなかった親娘の、死に分かれる間際のギリギリのタイミングというか、、手遅れ手前な感じ。母が70過ぎ、娘46歳の設定なので( ̄^ ̄)
    母の作る鳥そば、葵ちゃんの作るおでん、麻有子の作る鮭グラタン、、こちらの小説もちゃんと美味しい食卓が出てきます。読んでいてところどころでホッとするのは、ゴハンの描写が美味しそうだからかな。
    諸々葛藤もあり、辛い表現もあるけど、女性の強いとこと弱いとこを散々出して家族関係を書いた、読み応えある小説です。

  • シングルマザーの麻有子。
    娘の葵との穏やかな生活の中に、相容れない虐待をしてきた母が引越してくることに。

    まず姉の身勝手さに苛立つ。
    なぜ母がああ麻有子を育てたのか、母娘であり、知らない母の側面を知り、ただの毒親だったのか。
    葵が良いコ。

  • 母娘の確執。三つ子の魂百迄
    と言う通り、3歳迄に受けた心の傷は大人になっても癒えない。
    子供の頃から姉の方を可愛がる母。姉より何でもできるのに褒めてもらえない、賞状 トロフィー等も飾ると姉がかわいそうだからとしまい込まれ(捨てられていたかも)頑張りに対して全く称賛がなく大人になった。
    そして、今更 介護が必要になった母を見てくれと姉から頼まれる。
    一緒に暮らし始め、母からなぜ辛く厳しく育てられたかをあかされる。

  • こんなふうに変われたらいいなあと思いながら

  • 庭の向日葵はこの先きっと綺麗に咲くんだろうな。主人公の細かな感情の動きが伝わってきました。

  • 「ひとり旅日和」の著者である秋川滝美さんが初めて書いた家族関係の小説である本書を読了。
    言葉による虐待はいけない。
    だが、『あなたのためを思って』というセリフは、誰もが本当に思っているつもりで言っているのではないか。
    「本当はあなたのためじゃなくて、自分のことしか考えてなかったのよ」
    そして、誰もが結局自分のためてあるのではないか。
    だから、その匙加減ひとつなんだと思う。
    その加減を間違えた時、違うことに気づけたら良いのに。

    p284
    「…ただ、家事は誰かがやらなきやならないことだって教えたの。…気持ちよく暮らすためには、家事は大事なことなんだって」
    p285
    さらに、家事をしている間はなるべく楽しい会話を心がけ、終れば必ず『ありがとう』や『助かったわ』という言葉を口にした。
    p296
    お母さんのような親になりたいーその言葉こそが、母としての勲章だ。

    自戒の念を込めて、この言葉を刻んでおく。

    この著者の料理の描写が堪らない!ミートソーススパゲティ、わらび餅、炒りごま…。
    やはり、料理と美味しいものを一緒に作るのは楽しい。

  • 母と子。葵が屈託無さすぎて…。私もちゃんとしよう。

  • 自分に過度に厳しく接するいわゆる毒親の母からほぼ絶縁状態で暮らす麻有子。娘の葵と楽しく充実した日々を送る母娘の家に、あの母と同居することになり、、、。という話です。

    言いたいことをズケズケ言ってしまう私には、「言いたいことを言わずにやり過ごす」麻有子が理解できず、姉の鈴子に母との同居を押し付けられても強く自分の意見を主張しない麻有子の振る舞いにモヤモヤしながら読みました。

    一方、母の立場を理解しつつ祖母や叔母の気持ちにも配慮でき、明るく活発で努力家の娘・葵のある意味スーパーマンのような存在にスッキリしたり、ホッとする。

    このモヤモヤとスッキリの行き来をしながら一気に読める小説です。ちなみに表紙のパンが乗ったお皿の絵が気になって読みました。

    物語の最後の方で、なぜ麻有子に厳しくしたのか理由が母から語られるのですが、「そうなんだ、じゃあ和解しましょ」とはならない、母は自分を正当化させているだけだ。心に傷を負っても頑張って生きてきた麻有子の意地と、そんな母から生きる知恵と力ををもらっていて、葵にも同じように教育してきたと気づかされ、混乱する気持ちが擬似体験できました。

    母と麻有子の「娘」に対する最大の違いは、「感謝の気持ち」なんですね。

    毒親はどこまでも毒親なのかと思っていました。母・正恵はテレビの毒親の子に対する接し方を観て自分が毒親だと気づき、「変わり」ましたがこれはなかなかのファンタジーなのでは。自分の死が迫っていると知ると、長年の自分思考や態度を変えられるものなのでしょうか。

    最後に、読み終わってタイトルを改めて目にして、葵の存在によって今後の3人の生活が、少しづつ明るいものになっていくことをしみじみと想像しました。

  • なかなかハードな内容…
    ぼったくり続きで読んで.
    表紙からも同じ様に軽い感じで料理の話かなーって思ったけど…
    前半…読むの辞めたいなーって思ったけどなんだかんだで一気読み
    .
    うーん.
    とにかく葵ちゃんが良い子すぎだわ.
    まさしく向日葵

  • 毒親と自分勝手な姉と、この人のでもでもだってなヒロインのパターンの組み合わせは、もう最悪にイライラする予感がしたけれど、拍子抜けする程あっさり話が進んだ

    恐らく最大の問題は、母親と姉が自分達が間違っている事を自覚してないので、それを理解させた上で、過去のトラウマを克服する事だろうなぁと思いきや、母親は既にそこを自覚済

    他にも麻有子は職場では同僚達の心ない発言には上司が対応、葵は金持ち喧嘩せずみたいなスタンスで、従弟やクラスメイトの悪口も華麗にスルー

    主人公が相手をやり込めて、改心させて的な、お約束な展開にならないので、最初に心配していた程イライラもしない代わりに、すかっともせず、肩透かしの印象は否めない。

  • 母親と姉の態度に最後までイライラ
    読後感がスッキリしなくて残念

  • 学芸員の麻有子は、娘と二人暮らし。ある日、
    折り合いが悪い姉からの電話によって、平穏な
    日常が崩れていく。倒れた母親を引き取るものの、
    過去のトラウマから逃れられず…。
    「家族」の違和感を描いた衝撃作。

  • sg

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著者プロフィール

2012年4月よりオンラインにて作品公開開始。2012年10月、「いい加減な夜食」にて出版デビューに至る。他著書に「居酒屋ぼったくり」(アルファポリス)他、「幸腹な百貨店」(講談社)、「放課後の厨房男子」(幻冬舎)などがある。

「2020年 『居酒屋ぼったくり5』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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