きみの傷跡

著者 :
  • KADOKAWA
2.96
  • (2)
  • (4)
  • (13)
  • (3)
  • (3)
本棚登録 : 131
感想 : 14
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041099896

作品紹介・あらすじ

どうしよう、私、先輩のことが好きなのかもしれない。男のひとを好きになることなんてないだろうと思っていたのに……。

===
大学の新歓祭、写真部のブース。目が合って、好きにならずにいられなかった。

大学2年生の星野は、男子校出身で女子に免疫がない。所属している写真部の新入生勧誘で、カメラを首から下げた女子と出会い、一瞬で心を掴まれた。
その1年生・花宮まいは、ある理由で高校に行けなくなった過去がある。男性が苦手なのも、その「傷」のせいだ。
写真部に入部した花宮は、新歓撮影会などを経て、少しずつ星野と仲良くなっていく。

やがてふたりはお互いへの恋心を自覚し付き合い始める。それぞれ初めての「彼氏」「彼女」だ。
ある日、星野は佳い雰囲気のままつい花宮を押し倒してしまう。その瞬間、彼女の身体は固まってしまい……。


『初恋料理教室』『ハルさん』の著者が描く、好きなひとをちゃんと大切にしての「初体験」まで。
不器用なふたりの、みずみずしい青春恋愛ストーリー!



装画/めばち

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  過去にトラウマがあり、男性に恐怖心を持つ花宮まい。そして、中高と男子校で女子に免疫のない星野公平。不器用な2人が少しずつ距離を縮めていく姿がホッコリする所もありましたが、まいのトラウマがとても痛くて…それを包み込んでくれる星野がとても良い男ですね!

     全編のシリーズを通して登場する星野の友人・笹川。「ぼくの嘘」では主人公でしたが、今回もナイスアシストでした。

     ゆっくり関係を深めて将来結婚までいきそうな2人だと思いました。

  • 星野先輩と花宮さんのやりとりがわりとリアルで、現実にもありそうだなぁと思う場面が多々あった。花宮さんは繊細だけど、ぶっとんだ一面もあって面白い。あとがきで、「性被害者に対して傷が消えないと決めつけるような言葉は呪いにもなる」ということが書いてあり、自分にはなかった視点だったので、考えるきっかけになりました。

  • ほんわり暖かい空気感ながらも
    語るべきは語る感じ。

    性について知ってもらう一助にもなりそうで
    中高生に読んでもらいたいな、と思いました。

    教育的で堅いわけではなく
    柔らかく読むことができると思います。
    主人公が法学部なのもあり、
    本格的な法律用語?が少量出てきますが難解にはなりません。
    想い合うこと、自分の気持ちを伝えることの大切さを感じられ、
    主人公たちのように素敵な関係を築くことに憧れます(*´ω`*)

    主人公の星野先輩はちょっと人として出来過ぎな感じもしますが(笑)
    この先の話も見てみたいな、と思える人達でした。

  • う〜ん。
    サクサク進む。

  • 中高と男子校育ちの大学生・星野と、ある過去を抱えた新入生・花宮まい。学内の写真部で出逢った二人は互いに意識し始め、やがて初めての「彼氏」「彼女」に。

    いわゆる「ムズキュン」な感じの、初々しい恋愛小説。まいが抱える過去は重く難しいものですが、配慮しつつも重くなりすぎないよう丁寧に書かれており、読んでいてこちらがしんどくなることはありませんでした(初読みの作家さんでしたが、児童文学・YA系を中心に書かれている方なんですね、納得)。
    何気ないやりとりなどでのドキドキ感や「どうしよう」みたいな気持ちの心理描写、二人が互いを真摯に思い合うところがとても良いなと思いました。
    ラストで椿先輩がまいの前で猥談……ならぬ鋭い分析をしていますが、星野のように恋人でも友人でも相手のことを深く考え、思いやれる人ってなかなかいないのではないでしょうか。

    初々しく読後感温かな恋愛物が読みたい人におすすめ。

  • 重たいテ―マがある中にも可愛い恋愛模様に癒される。星野くんのあられも無い姿が描かれるシ―ンに甘酸っぱい物を感じる自分は変態か(笑)

  • 男子校出身で女子という存在に免疫がない大学2年生の星野公平
    新歓祭で写真部に来た花宮まいに一目ぼれする

    お互いの気持ちが通じ合ってつきあい始めた恋愛初心者の二人
    星野の部屋でいい雰囲気になったそのとき、まいの体が強張り、固まってしまう

    ──まいは過去に遭った性被害がトラウマになっていた

    《好きだから、相手をちゃんと大切にして、触れ合いたい。
     不器用な二人のゆくえは……!?》──帯の紹介文

    「カドブンノベル」の連載(2019年9月号〜2020年11月号)に加筆修正して書籍化した甘酸っぱくてずっしり重い青春小説、2021年3月刊

    『わたしの恋人』に登場して『ぼくの嘘』で主人公になり、『ふたりの文化祭』にも脇キャラとして姿を見せる“笹川勇太”が本作でも星野の親友という重要な役割を担っていて、連作小説としても楽しめる

    《ゆるやかにつながるテーマで、また、つぎの作品を考えています。
     そこに「希望」を見つけたくて、私は本を読み、物語を書くのだと思います。》──「あとがき」

    星野がまいに一目ぼれするところ
      一瞬で心を?まれた。
      新歓祭のざわめきが消え、背景はぼんやりとかすみ、その女子だけがくっきりと浮かびあがっていた。
      [中略]
      ゆっくりと、こちらへ視線を向ける。
      そして、目が合う。
      好きにならないでいることなんて、不可能だった。

    まいが星野への気持ちを自覚するところ
      「美しい風景を見ると、胸の奥がきゅっと痛くなるんです」
      「ああ、わかる。俺も」
      星野先輩はうなずき、笑みを浮かべる。
      その笑顔を見た瞬間、胸が締めつけられた。
      美しい風景を見たときと、おなじだ。
      ここに、私の「好き」なものがある。

    若い二人の初々しい心の描写に惹き込まれてイッキ読み、まちがいなし

  • 星野先輩と花宮さんの視点が交互に切り替わる。よくある恋愛モノの構成だ。著者はあとがきで大学生の講座を担当したと記してあったが、等身大の大学生を描けていないのではないか。以下、気になった点です。

    ①……を多用し過ぎ。

     初めてという心情を表現したいのだろうが、星野先輩、花宮さん問わず、……を散りばめている。鉤括弧ないのみならず、地の文でも多く見受けられる。一辺倒で目障り。別の表現を試みてほしかった。

    ②……だがという口調

    星野先輩から醸し出される童貞感の演出が、…たがという会話の末尾に終始している。これも違和感でしかなかった。

    ③まいの成長

    トラウマの乗り越え方が唐突であっさりし過ぎている。そのせいで、まいへの感情移入がうまくできない場面もあった。秘密の吐露もあっさりしていて重みが感じられない。過去のトラウマを冒頭の方で出して共感を得られやすい構成にした方が良かった。私が想定していた過去とほぽ同じだったので、驚きがない。


    ④後出しエピソードからの蘊蓄

    法学部ならではの蘊蓄は良いが、肌隠し云々などの蘊蓄は後付け感が否めない。蘊蓄を言いたいが為のエピソードという印象。

    話し口調の移り変わりが見られなかったので、徐々に縮まる二人の距離を楽しみたい方にはおすすめできない。地の文では一定の距離を置き、接近しているようにも思える。しかし、実際にとる行動はどこか他人行儀で胸が高鳴っている二人を感じ取るには肉づけが薄い。

     唯一、良かった点は性交渉をする際に、男性が女性を半強制的にやらないことの大切さを表している点。

     イラストのポップさと手にとりやすさに免じた評価。

  • 20前後の初めて恋愛にフォーカスして、お互いの不器用さを第三者視点で眺め、ほっこりする物語です。

    いまのご時世、こんな恋愛をする人がいるのかどうかは置いといて、自身の初めての恋愛を懐かしめる一冊だと思います。

  •  男子高出身で彼女いない歴20年の星野くんは、写真部の活動だけの味気ない毎日に焦りを感じていました。そんな矢先、彼の目の前に新入部員の花宮さんが現れます。秒で恋に落ちた星野くんは、初めての恋に浮足立っています。しかし、花宮さんは男性に対して深刻なトラウマを抱えていました。
     お互いを意識し始めた2人は、花宮さんの大きな問題を乗り越えて恋を発展させることができるのでしょうか?
     恋に大まじめに向き合う2人の姿がなんともまぶしい。

全14件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1978年大阪府生まれ。2004年、第2回ジュニア冒険小説大賞を受賞した『ねこまた妖怪伝』でデビュー。児童文学のほか、ミステリーや恋愛小説も執筆する。著書に、「2013年 文庫大賞」(啓文堂大賞 文庫部門)となった『ハルさん』、『初恋料理教室』『おなじ世界のどこかで』『淀川八景』『しあわせなハリネズミ』『涙をなくした君に』、『きみの傷跡』に連なる青春シリーズの『わたしの恋人』『ぼくの嘘』『ふたりの文化祭』などがある。

「2021年 『きみの傷跡』 で使われていた紹介文から引用しています。」

藤野恵美の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

ツイートする
×