不連続殺人事件 (角川文庫クラシックス さ 2-3)

著者 :
  • KADOKAWA
3.32
  • (10)
  • (24)
  • (75)
  • (3)
  • (2)
本棚登録 : 281
感想 : 23
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041100134

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 不朽の名作との呼び声が高い本作。期待して読み始めました。

    終戦間もない山奥の豪邸に招かれたさまざまな男女。そして殺人事件。
    とにかく登場人物が多くて、序盤はなかなか把握しきれません。
    中盤以降も、「雰囲気はあるけど、なんだか普通の推理小説だなぁ」なんて思いながら、頑張ってコツコツ読み進める感じでした。
    しかし終盤、探偵役が犯人の企みを明かすあたりからグッと面白くなり、犯人の仕込みに唸り、探偵の洞察に納得しました。
    「まあまあ楽しめたな」
    そう思っていたら、巻末の高木彬光の解説が良く、僕の本編の読解はすこし浅かったのかもしれないと反省しました。

    読了後に知ったことですが、雑誌連載時に毎回書かれていた「読者への挑戦」がカットされているそうです(東京創元社版にはあるらしい)。これがあるとないとでは面白さが断然違うという意見もあり、ちょっともったいないことをした気がします。

    長々と書きましたが、ラストが素晴らしく、胸に迫るものがあります。推理小説として★3つをつけてしまいましたが、殺人事件にまつわる、ひと夏の群像劇として読めば、また違った味わいがあります。再読したいです。

  • 2017/01/23-02/03

  • なぜこの表紙なのかは考えないとして…

    ラストがとてもスッキリしててきれいだった。
    説明しすぎないで、かつ納得できる良い終わりだった。

    自分は、ナイル殺人事件の解説か何かを読んで不連続殺人事件に興味を持ったはずだったが、そのことを忘れて読んだことで、結末に驚くことができた。良かった。

  • 【236】

  • おもしろかったよ。
    解説までよかったね!

    でも、期待のしすぎはよくないね〜。

  • ・言葉通りの推理小説
    ・『扉を糸に結んで自然にしまる装置をするとか、密室の殺人を装うとか、そういう小細工は小細工自身がすでに足跡というものでさア。すでに一つの心理を語っているではありませんか。』-p181

  • Kindle Paperwhiteで小説を読んでみたくて、でも中々読みたい本がKindle化されていなくて、一度読もうと思いながら読めていなかった古典が、格安で発表された当時のスタイルでKindle化されていたので、買ってみました。
    小説そのものは古典だし、いまさら言うまでもないでしょう。
    坂口安吾氏がミステリー好きが興じて読者への挑戦付きの懸賞推理小説として発表したものです。時代の古さは否めませんが、作品自体は面白かったです。
    推理小説には現場の屋敷の見取り図とか、時刻表などの図表がつくものが多く、この作品も見取り図や簡単な地図が数点ついています。
    それ自体はちゃんと見ることができたのですが、最近のスマホやタブレットを使用している見としては、2本指のピンチアウト操作で拡大表示される事を期待したのですが、それは駄目でした。ソフトウェアでどうとでもできることだと思うので、ソフトのバージョンアップで図表の拡大表示に対応してほしいですね。
    あと、これは日本作品だから付いていないかもしれませんが、海外作品なら登場人物の一覧が巻頭に付いているのもよくある話。小説を読みながら、時々巻頭の登場人物一覧を見返して、「ああ、こいつはヒロインの元恋人の奴か」とか思い出す事が多々あります。そういう、ページの移動がどこまでスムースに出来るかを、次は海外作品をKindleで読んで試してみたい。
    ほとんど本の感想ではなく、Kindleの感想になってしまった。

  • 非常に複雑な小説でした。
    登場人物の多い事。
    読んでいても絡み合いすぎていて、ついつい読みながら人間関係を何度も確認してしまいます。
    その上、次々と人が殺されていくので最後には誰が残っているんだかと混乱気味です。
    名作なんですよね。

  • 古臭くて非常に読みにくい。心理トリックはなかなかだけど。それにしても人が死に過ぎ。探偵、防げよ。

  • 終戦後間もない、ある夏。詩人・歌川一馬の招待で、山奥の豪邸に集まったさまざまな男女。
    作家、文学者、詩人、画家、劇作家、女優などいずれ劣らぬ変人・奇人ぞろい。
    邸内に異常な愛と憎しみが交錯するうちに血は血を呼んで、世にも恐るべき八つの殺人が生まれた。
    <不連続殺人>―その裏に秘められた、悪魔の意図は何か?

    この作品も十数年ぶりに再読。やはりすっかり忘れていました。
    坂口安吾といえば「白痴」「堕落論」と授業で習いましたが、推理小説も書いていたと知ったときは驚きました。
    おそらく誰かの著作の中かあとがきで触れられていて手に取ったはずですが、もう覚えていません。

    今回再読して改めてその緻密さに驚きました。
    登場人物が変人だらけなのでそちらに引きずられがちですが、謎解きはとても論理的。
    これだけの人数が殺されてしまう理由も納得です。

    ずっと読まれている「名作」といわれる作品には、言われるだけの何かがあるのだなぁという単純なことを再認識しました。

    • graziemilleさん

      これ、面白いよね。坂口安吾好きで私も読みましたよ。
      これでコメント出来たのかな?

      これ、面白いよね。坂口安吾好きで私も読みましたよ。
      これでコメント出来たのかな?
      2010/09/30
    • ともさん
      ぽんちゃん??
      コメントどうもありがとう!
      ホームからコメントを見られるんだけど、すぐにその本に飛べないからちょっと使いにくいかも・・・...
      ぽんちゃん??
      コメントどうもありがとう!
      ホームからコメントを見られるんだけど、すぐにその本に飛べないからちょっと使いにくいかも・・・。

      2010/10/01
全23件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

(さかぐち・あんご)1906~1955
新潟県生まれ。東洋大学印度倫理学科卒。1931年、同人誌「言葉」に発表した「風博士」が牧野信一に絶賛され注目を集める。太平洋戦争中は執筆量が減るが、1946年に戦後の世相をシニカルに分析した評論「堕落論」と創作「白痴」を発表、“無頼派作家”として一躍時代の寵児となる。純文学だけでなく『不連続殺人事件』や『明治開化安吾捕物帖』などのミステリーも執筆。信長を近代合理主義者とする嚆矢となった『信長』、伝奇小説としても秀逸な「桜の森の満開の下」、「夜長姫と耳男」など時代・歴史小説の名作も少なくない。

「2022年 『小説集 徳川家康』 で使われていた紹介文から引用しています。」

坂口安吾の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ヘミングウェイ
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×