肝臓先生 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041100189

感想・レビュー・書評

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  • 「私は海を抱きしめていたい」がものすごい秀逸でした。
    私はこういう類の駄目人間達の話が好きみたいです。

    09.11.04

  • 表題の肝臓先生はカッコいい医者の生き様だったけど後のは男女の話でした。
    個人的に、その男女の話のほうがおもしろかった。
    ジロリの女とかわけわからんけどなんか面白いとおもわされた。
    この人の文体は好みやもしれません。

  • 最初に読んだ坂口安吾。当時映画化されたばかりだったような。

  • 堕落論が面白かったので古本屋で見つけて購入してみました。
    面白いというよりは読んだ後不思議な読後感をもたらすというか。語り手の心情に同感するわけでもないのですが不思議と嫌悪感はない。面白い作家だなあ、と思ったです。

    それにしてもタイトルがきれいですね。
    「桜の森の満開の下」も綺麗なタイトルだなあ、と思いましたが「私は海をだきしめていたい」とか。
    露悪的な表現も多いですがロマンティストだったのかな、なんて思いました。

  • 14冊目。

    表題作、他4編。『白痴』(新潮文庫)と収録作が2作被ります。

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    私はもはや恋をすることができないのだ。あらゆる物が「タカの知れたもの」だということを知ってしまったからだった。

    ただ私には仇心があり、タカの知れた何物かと遊ばずにはいられなくなる。その遊びは、私にとっては、常に陳腐で、退屈だった。

    満足もなく、後悔もなかった。(『私は海を抱きしめていたい』)

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    こう書いておきながら、一方で女に

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    然し、恋の病的状態のすぎ去ったあと、肉体だけが残るわけではありますまい。

    私は恋を思うとき、上高地でみた大正池と穂高の景色を思い出すのでございます。

    自然があのように静かでさわやかであるように、人の心も静かでさわやかで有り得ない筈はない、人の心に住む恋とても、あのように澄んだもので有り得ないことはなかろうと(中略)

    けれども、私の願いなのです。夢なのです。(『ジロリの女』)

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    こう自分の気持ちを仮託させる安吾が大好きです。

    最後に、再読して響いた『私は海を〜』の不感症の女にどはまりしていく男性の一節を。

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    肉慾の上にも、精神と工作した虚妄の影に絢どられていなければ、私はそれを憎まずにはいられない、私は最も好色であるからこそ、単純に肉欲的では有り得ないのだ。

    私は女が肉体の満足を知らないということの中に、私自身のふるさとを見出していた。

    満ちることの影だにない虚しさは、私の心をいつも洗ってくれるのだ。

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    こんな好色男になりたいや。

  • 全く覚えていない。
    要・読み直し。

  •  どんな患者も肝臓病と診断することから「肝臓先生」と呼ばれるようになった開業医。彼は肝臓病を撲滅するため、走り回る。

     梶井基次郎『檸檬』を読んだ時と同じ気持ちになりました。面白いのは分かるんだけども、楽しめないパターン。私の読書量不足です。読め!読め!読め!!

  • 赤城風雨先生がある年の恩師の謝恩会での挨拶で「肝臓肥大蔓延説」を説くと次々に賛同する大先生たち。この場面はちょっとした爽やかな感動があります。
    古い坂口安吾の作品の中に現代中南米文学の痴れ物ぶりを見て楽しめました。

  • 「真の退屈」「私は海をだきしめていたい」「行雲流水」良かった〜。この力の抜けた感じがたまらん。特に不感症の恋人の話「私は海〜」が最高だ。「ジロリの女」とかの女性関係のリアルな話は苦手。一番長かったけど。

  • 幾つか短編が入ってる中「私は海を抱きしめていたい」が特に好き。満足ができない人間の侘びしさと、女性の美しさの表現が素敵すぎて参りました。「魂の姿態」が美しいという惚け方は、なんかイイですよね。<br>「ジロリの女」のラストも愚かで綺麗で好き。

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著者プロフィール

1906年、新潟生まれ。評論家、小説家。おもな著作に『風博士』『堕落論』『白痴』など。1955年没。

「2019年 『復員殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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