堕落論 (角川文庫)

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レビュー : 116
  • Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041100202

感想・レビュー・書評

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  • 新潮文庫版と表題が同じだが、収録されている作品は7割がた異なっている。新潮の方が、割と長めのものを多く収録するのに対し、こちらは比較的短いものが多い。
    「デカダン文学論」「恋愛論」が特に良かった。

    なかなか同じ作品を繰り返し読むことのない僕だが、「堕落論」「日本文化私観」などは新潮とダブって収録されているので、自然と二度読むことができて良かった。

  • 人間は堕落する。義士も聖女も堕落する。それを防ぐことはできないし、防ぐことによって人を救うことはできない。第二次世界大戦において、正しい道を歩もうとして間違った道を歩んだ日本を批判し、堕落することによって救われるという坂口独自の考えを中心に書かれたエッセイ集。

     「堕ちる道を堕ちきることによって、自分自身を発見し、救わなければならない。」

    坂口安吾の視線がとても斬新、そして納得させられてしまう。
    堕落を受け入れることで、人は追い詰められることなく健全に生きられるのだろうと思ったし、堕落を受け入れる心を持ちたいと思った。

  • ”この戦争をやった者は誰であるか、東条であり軍部であるか。そうでもあるが、然し又、日本を貫く巨大な生物、歴史のぬきさしならぬ意志であったに相違ない” このフレーズどこかで見た事がある、、誰?日本人じゃなかったような気はする

    ”朝儀を盛大にして天皇を拝賀する奇妙な形式が大好きで、満足していた。天皇を拝むことが、自分自身の威厳を示し、又、自ら威厳を感じる手段でもあったのである”

    ”人間は永遠に自由では有り得ない。なぜなら人間は生きており、又死なねばならず、そして人間は考えるからだ”

    ”美しいものを美しいままで終らせたいということは一般的な心情の一つのようだ”

    天皇制、武士道は必要に迫られて出来上がったもの。システムに頼るのではなく、人は落ちるところまで落ちたときに自分を見つけ、自分を救う。

  • 僕が持っているこの本は、古本屋で140円で買った角川文庫。昭和五十五年 改版三十四版発行、とある、全体日焼けして茶色に染まり、破れかけた表紙をセロテープで補強し、それもはがれてきている年期もの。
    買った22、3の頃、読んでみてもまったく受け付けなかったのだが、その後ニーチェの本を読みふけったのち、まだまだ自分の中に大きなわだかまりがあった頃、改めて読んだ時の衝撃・・・。
    ホント人生観が大きく変わった気がした。
    大げさに言えば、「罪と罰」のラスコーリニコフが「空気が必要だ」と言われた、その空気だったように。
    その現実という大地(それがいいのか悪いのかではなく、それそのものとして)に足をつけて立つということを教わった。

  • 「孤独は、人のふるさとだ。恋愛は、人生の花であります。
    いかに退屈であろうとも、この外に花はない。」

  • 青春論がよい

  • 人間は何処まで落ちようと完璧に落ちきることはできない。そしてそれこそが人間のあるべき姿なのだ。
    てなことを言っておられて、なんか救われた。
    だからこそ、落ちた後は、這い上がる道しか残されていないのだ

  • 坂口安吾の短編エッセイ集。
    短編といってもひとつひとつ読み応えがある。

    一度だけでは読みたいない。
    何度も何度も読み返し、少しでも自分の血肉に変えて行きたいと思う。

  • たまには古い人の作品でも読まねばなるまいと思って手に取ったのが本書である。坂口安吾については、「白痴」を読んだことがあるくらいで、他は何も知らない。そういえば高校時代に、国語便覧で戦後文壇の寵児だったと書いてあったような気がするが、ともかく彼がどういう人生を送り、どういう思想を持っていたかについては、何の予備知識もなかった。そんなバチアタリが一時の気の迷いの末に本書に飛びついてみたみたら、これが結構面白かったのである。言葉尻を捕まえれば、いくらでも矛盾を指摘することはできようが、そんな野暮なことはするまい。本エッセイには、坂口安吾という人物の世界観が、そのまま紙面に飛び出してきたようなところがある。安吾の孤独に関する洞察は徹底しており、他の何がぶれようが、その孤独に関する記述にだけはぶれがない。しかし、そんな魂の孤独を引き受けながらも、彼は他者に対する温かい眼差しを捨ててはいないのだ。本書の最後のエッセイに、安吾の真髄を見た気がする。

  • 16歳で出会う。
    工芸室の裏で読む。土の匂いと会談の雑草。
    風と光と二十の私に重ね合わせる。野心は、悲しくない。
    ゼミの提出課題に選んだ。
    16歳で読んだあの時の衝撃や興奮が忘れられず本を読む。

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著者プロフィール

1906年、新潟生まれ。評論家、小説家。おもな著作に『風博士』『堕落論』『白痴』など。1955年没。

「2019年 『復員殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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