見仏記 ぶらり旅篇

  • 角川書店 (2011年10月31日発売)
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  • 本 ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041100332

作品紹介・あらすじ

ぶらりと寺をまわりたい……今回向かったのは遷都1300年にわく奈良、法然800忌で盛り上がる京都、そして不思議な巡り合わせを感じる名古屋。すばらしい仏像たちを前に2人の胸に去来したのは……。

感想・レビュー・書評

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  • ミニコメント
    仏像ブームを牽引してきた2人がまたもや出かけた見仏の旅。人間は現れては消え、仏像は長い時間をかけて生き永らえる。消えゆくものの拠り所としてあるのが仏像――そんなことを思いながら、ぶらりぶらりと2人旅。

    桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/volume/770077

  •  奈良京都愛知を行ったり来たり。奈良京都は平城遷都1300年や光明皇后遠忌1250年の秘仏開帳にふたりの上人ブームが合わさりなかなかの密度。そこに神社に古墳、さらに愛知の円空仏、鉄地蔵が加わり、観光地を中心に巡っているのにいつも以上に濃密な見仏になっている。美術的な視点と信仰の視点の双方から見ることができるというのは20年以上見続けてきたからこそだろう。一方で今になって上人像の存在に気づくというのも興味深い。もちろんこの二人が上人像を知らないわけがないのだが、上人像の美術的な面ではなく仏教的な面を理解するのに20年かかったということなのかもしれない。そして、そのことに心乱されることなくありのまま受け入れてしまう二人もまたすばらしいと思う。

  • ふむ

  • 平成23年10月31日、初、並、帯付
    2017年1月5日、伊勢BF

  • 祖母が他界したその翌週、どういう理由だったか見に行ったのが、東博の特別展「法然と親鸞ゆかりの名宝」だった。
    おそらく唯一、肉親としての親密さを感じる祖母の遺骸に触れた後だからこそ感じた、ままならぬ死がただそこにあるというリアリティの中で、上人像という故人の形をした物体の存在が目の前にある、ただ奇妙な感覚。
    彼の人が生きていた空気を残したのは、後の世に向けてではなく発願した人自身が欲した何かによるものだろう。
    物として存在していることの力。
    何らかを経験するために、実体の無いものさえ固定させる名辞の力。
    翌日、図書館からこの本の取り置きしていますというメールが来た。
    つまり僕にとって、この本は何らかタイムリーだった。

  • 仏像いいわ。

  • 今回は東大寺や唐招提寺・興福寺などが出てきて、一度は目にした事のある仏像の話が出てくるので入りやすいかもしれません。お二人の旅が何かに導かれていくかのように進むのが凄く印象的でした。相変わらずやり取りも面白いですけど。このぶらり旅編を読んだら、雑誌「一個人」の2013年3月号「仏教美術入門」と5月号「奈良‐古寺の謎を旅する」なども見てみるとより分かりやすいかもしれません。テレビ版も気になってきました。このシリーズ仏教好きな方にはやっぱりおススメです。

  • 見仏してみたいな~

  • 長講堂(京都)にあるお腹に阿弥陀様が入っていて、下半身が金のグラデーションになっている善導大師像が見たい。あと最近お気に入りの山越阿弥陀図も見たくなり、京都に帰りたくなった。

  • 前回見仏記を読んでいるのがH17年だから7年ぶりである。
    なんだかいとうせいこうさんの情景描写が気取ってる割りには伝わってこないそんな文章でした。いとうせいこうさんのみうらじゅんさんにたいしての歎息も聞こえてきそうでした。みうらじゅんさんはいとうせいこうさんになついてるんですけどねぇ。


    もうすぐ當麻寺の練供養。奥の院の来迎像がすきなので見に行きたいが…
    まだ上人に惚れるほどのレベルには達してませんが、仏像 いいですね 好きです。

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著者プロフィール

1961年生まれ。編集者を経て、作家、クリエイターとして、活字・映像・音楽・テレビ・舞台など、様々な分野で活躍。1988年、小説『ノーライフキング』(河出文庫)で作家デビュー。『ボタニカル・ライフ―植物生活―』(新潮文庫)で第15回講談社エッセイ賞受賞。『想像ラジオ』(河出文庫)で第35回野間文芸新人賞を受賞。近著に『「国境なき医師団」になろう!』(講談社現代新書)など。

「2020年 『ど忘れ書道』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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