星やどりの声

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (311ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041100356

感想・レビュー・書評

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  • キャラクターひとりひとりがとても生き生きしていて、頭の中で映像みたいに動いていた。
    小説だけどドラマを見ているみたいに、景色や表情が見える、呼吸が聞こえる、そんな感じ。

    へんな終わりかもしれないけど、わたしは小説だからこそこういう終わり方でいいと思う。窓の捉え方が変わった瞬間に泣いてしまった。
    孝史さんがイケメン過ぎた。

  • 実家に帰ると、今まで当たり前のようにいた家族なのに、もう自分の居場所はここではないというか、何か違うなと感じてしまう。
    家族がどんどん生まれ変わっていくことは寂しいけど、両親もその前には別の家族があったんだなと。
    そして自分も今は新しい家庭を築いている。
    その繰り返しか…。
    でも、琴美のように、自分の親に自慢の娘だ、大好きだと言われたら、こんな幸せなことはないな。

  • 個性的な6人のきょうだいの話が、亡くなった父の思い出を軸に展開します。それぞれのきょうだいの世界で、みんな悩みや葛藤を抱えながらも…話の最後は、じいんとあたたかい気持ちになりました。名前も意味も思いも全部がひとつにつながり、「あっ」と気付いた瞬間…ものすごい快感でした…!きょうだいが何だかんだみんな仲がいいので、読んでいて楽しかったです。作者の言葉や表現も面白くて…「ああ、夏の電車の中ってこういう空気だな」とか。好きです。そして桐島の時も思いましたが、この人の書くキャラクターはみんなリアルと言うか、すぐ隣にいそうな生々しさがあってドキドキします(笑)個人的に…「自転車の二人乗りがうまい人って、人生のいろんなことをうまく操れる気がする」がストンと来ました。

  • 最終章・琴美を残し 焼鳥→焼肉→とんこつラーメンと自分の胃袋の限界に挑んだ飲み会後、アルコールでふらふらの状態で駆け抜けるように最終章を読みました。いいお話だった。アルコールの魔力と飲み会終わりの深夜2時のテンションも相まって泣きました。家族には、どうぞ優しく。

  • どれだけお父さんが好きなんや~ってぐらい
    兄弟みんなの心には、亡くなったお父さんの存在がどーんと大きい。
    多分それは、家族みんなが仲が良くて
    居心地のいい場所にしてくれている人がいるおかげだと思うんだけど、
    それぞれの気持を聞いていると、ちらほら出てくる我儘に
    甘いぞ!って苦い気持ちになってくる。
    人をうらやましがるんじゃないって言いたくなる。

    だけど、そんな気持ちも最後に吹っ飛んだ。
    琴美ちゃんの不思議な話がすとんと落ちてきたからかも。

  • 父親が亡くなった6人兄弟それぞれの想い。
    最後の章ですべてが繋がって気持ちよく終わってます。

    小路さんの「ナモナキラクエン」と若干似ています。

  • いい家族です!
    友達も、みんないいやつだらけです!
    星やどりの秘密もいいです!
    ぜひ読んでみてください!

  • 凌馬とあおいちゃんの話に出てきた「校庭からホイッスルの音が飛んできて、二人を通り越してそのままどこかへ飛んでいった」の一文がとても好き。

  • くうっ。
    朝井さん、やっぱりいいなあ。
    お得意の章ごとに語り手がリレーされていくなかで、家族の、それぞれの優しさが紡がれていく。
    そして、きっちり、前へと進む。
    変えたくない大事なものと、移ろいゆくそれぞれの思い。その二つに切ない祈りをこめた優しい折り合いをつけていく。
    出来過ぎとか、そんな風に言わせない穏やかな温かさや楽しさを織り込んで。

  • とても良かった。四半期1番のお気に入りの作品になりました。 家族がいる、兄弟がいるその幸せの中で登場人物たちが成長していき、巣立っていく。その根底には、家族への愛情と尊敬がある。 とても幸せな気持ちになれる作品でした。 小説なんだから、みーんなイイ子でいいじゃない。って私は思います。

  • やっぱり浅井リョウさんの表現のしかたはきれいだと改めて思った本でした

    こんな家族っていいなーと思いました

  • わたしは 朝井さんの本の中でこの作品が一番好き。

  • なんて、みんないい子に育っちゃって。。。お父さんじゃなくても泣いたよ。

  • 父親を亡くした六人兄弟姉妹のある夏の物語。

    朝井さん、こんなストレートでピュアな物語が書けるんだ。
    文章や構成にはまだ拙さはあるものの、本当の大器だと思います。
    物語としては、死んだ父親の愛の深さ、それを受け止めている家族とその周りの人々の優しさが感動的ですね。
    それにしても父親として、家族を残す無念はよくわかりますが、どんだけ子供を作るつもりだったんだ?
    謎解きは想定外にびっくりしましたが、芸術家肌の人はこれだから憎めないですね。

  • あったかい、家族のお話。

    朝井リョウさんの 空とか、
    海の描写が わたしはすごく好き。

  • テンポが良くて読みやすかった。
    人物も共感できたし、好きなジャンルの作家さんかも
    若者向けの作品書かれる方なのかなと思ってたけど、
    割と年でも大丈夫だった^^;他のも読んで見なければ^^

  • 大学生のときにこれ、書いてんの?
    うーん、やっぱすごいなあ朝井さん。
    こーゆーのを才能ってゆーのかしら。
    1つの家族の中でも、感じることや見てるものは違ったりする。
    そのひとつひとつをここまで丁寧に描けるってすごい。
    まあ、まさか、琴姉のエスパーぶりが、そーゆーオチだとは思わなかったが・・・・。
    お父さん、いい人すぎだー。確かにこんな人失ったら悲しいよなあ。
    いや、どんな人でも家族を失うってことは悲しいんだろうけど。

    でも想像はできるんだけど、やっぱどうしても実感ってのがない。
    それは幸せなことなんだけど。
    死、というものに対しても、生、というものに対しても、
    どこか他人事のように感じてしまうのは問題なんじゃないか、とふと思ったりもする。
    人は傷ついた分やさしくなるってよく言うけど、
    じゃあ傷つかないようにしてると、どうなるんだろう?

    富田さんの被写体にしたくない存在っぷりが気になった。
    真歩くん、あんまり関わりあわないようにね、と。
    にしても黒光りするランドセル、という文を読んでおきながら
    結構先にいくまで女の子だと思っていたよ、うっかりだなー。

    さよならだけが人生だ、というけれど、
    でもさよならを言える人がいるなら、それはそれで幸せなんじゃないだろうか。

  • 優しい家族の別れの話。

  • 亡くなった父親が奥さんと6人の子どもたちに残したのは喫茶店「星やどり」。
    3女3男でいいバランスで成長していく彼らにも、ネガティブな面がある。それでも長女がエスパーのように助け船を出しながらを軌道修正していく。

    それでも次から次へと壁はやってくる。
    お母さんの不審な動きから土地問題、店の問題。

    家族がひとつの輪になって繋がり、助け合う成長の物語。

    ------------------------------------------------------

    読んでいて思ったのは、父親がいないことを言い訳にしすぎじゃないの?
    ということ。

    自分も父親がいなくて母子家庭で金銭的に大変なことはあったけど、自分で色々調べてやってきたつもりだった。

    お母さんが働いてご飯を作ってもらうのも当たり前、それで(勘違いだったけど)お母さんが男のひとと会っていたら、父さんのこと忘れるのかよ!と怒っちゃう子どもたち。とてつもない違和感。お母さんは子どもたちの召使いでも奴隷でもない。
    恋愛だ青春だっていう前に、お母さんが倒れる前に、気づくべきなんじゃないのかとイライラした。

    自分の環境と重ねて読んだから、すごく感情的になってしまった。
    お金なんて奨学金でも何でもあるし、学校に事情を話せばアルバイトの許可だってもらえるだろうし、他力本願すぎて不快だった。
    ピンチのときに支え合うのも愛だけど、そんな状況になる前に支え合うのが本当なんじゃないのか、と。

    お母さんが倒れたときに、子どもたちでお店をやっていたけど衛生管理は大丈夫なのかとツッコミをいれてしまった。

    うーん。
    子どもたちの名前の仕掛けは素晴らしい愛だったけど、同じような環境の、親がいないひとたちが読んだらどう思うのかな。感動できるのかな。
    自分がひねくれてるだけかもしれないけど。

    他力本願じゃなくて、自分の道は自分でつくらないといけない。

  • さわやか!
    いいお話なんだけど、どっぷりつかれるとこまでハマれないのは、年を取ってしまったから?笑
    るりちゃんとか、ことみとか、しっかり者とされてる人のお話が、ちょっと切なかったかな。
    でも、6人兄弟、みんないい子よね。
    ほんとに爽やかで、素敵なお話でした!

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著者プロフィール

1989年岐阜県生まれ。2009年『桐島、部活やめるってよ』で、「小説すばる新人賞」を受賞し、デビュー。11年『チア男子!!』で、高校生が選ぶ「天竜文学賞」を受賞。13年『何者』で「直木賞」、14年『世界地図の下書き』で「坪田譲治文学賞」を受賞する。その他著書に、『どうしても生きてる』『死にがいを求めて生きているの』『スター』『正欲』等がある。

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