星やどりの声

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  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (311ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041100356

感想・レビュー・書評

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  • ブクログ仲間さんの間で評価が高いので勇気がいるけど星3つで。
    もちろん悪くはないけど「何者」を読んだ後だとちょっと浅いかな。
    いい話にまとまりすぎちゃって物足りなかった。

    これ、ドラマ化されるといいな〜。
    舞台は鎌倉あたりがモデルだろうか。
    穴場の浜辺、歌詞に出てくるような可愛い喫茶店。
    イケメン、美人ぞろいの6兄妹。
    うん、絵になる絵になる。
    一人でキャスティングを妄想。
    たのしい(笑)

    評価は低くしちゃったけどいいお話だった。
    朝井さんにはますます期待が大きくなった。

  • 妻と三男三女を残し、病に倒れた建築士が想いを込めて作り上げた喫茶店「星やどり」。挽きたてのコーヒーに湯気の立つ手作りビーフシチュー、ステンドグラスで飾られた店内を見渡せば星の形に空を切りとった天窓がある。

    所々拙さを感じるものの、目に浮かぶような風景描写と絶妙な距離感に、なるほど若い感性を感じる。しっかり者琴美の鋭さにもしや…と思って読み進めれば嗚呼やっぱり。

    天窓…ロマンチックだけど夏は暑いよ…と現実を。。。

  • 一見頼りない長男光彦が、ちゃんと長女琴美の異変に気が付いていて、かつ、さり気なく労わることができる、というのが良い。きっと一度も登場しない死別したお父さんが素敵なひとだったんだろう。

    朝井リョウがこんなしんみり系の話を書くとは知らなかった。

    家族の名前がしりとりになっていることをお母さんが説明するまでだれ一人気が付かない、というのは設定的にないかなあ。(我が家がたまたまそうなってることに、子供が小さいうちに気が付いたから、そう思うだけだけど。。)

  • 建築家の父が遺した喫茶・ほしやどり。
    三男三女の早坂家が、それぞれの視点から、亡くなった父親への想いと進んでいく家族の姿を描いていく。

    はじめましてな朝井さん。この手の話に弱いのでところどころで泣きそうになった。兄弟それぞれキャラがたってるし兄弟らしい距離感が微笑ましい。幼なじみのあおいちゃんはほんとよくできた子。長男光彦はもうちょっとしっかりしてください。
    軽くて読みやすい文章ながら、それぞれの特徴がでていてよかった。重箱の隅だけど、一人称の語りでするする読んでいけるのに唐突に三人称になるところがところどころあって非常に気になったんだけどこれって伏線ってことだったんだろうか。

  • 朝井作品を読むのは今回で3作目。これは家族ものっていうのかな。

    やはり文章でなんだか引っかかるところは多々あるし(へたに比喩的な表現をしないですっきりした文章にしてほしい)、話の持っていきかたもよくある感じで深みにかけるところはあるが、この作者は時々キラッと光る時がある。

    若者の描写がすごく上手い。自分が経験してきたこと、見て観察したことを表現する時、同年代でなくともその気持ちやその場の雰囲気を感じとれる。

    人生経験を積んでそれを自分の中で熟成させた時、どんな話を書いてくれるか楽しみな気がして、これからも読んでいきそうだ。

  • 朝井リョウは高校生男子を書かせたら一級品だな〜と思いながら次男の章を読みました。
    全体的には亡き父との思い出を軸に
    今を生きる兄弟たちの章で綴られています。
    最後のまとめともなる長女の章だけが
    急にリアリティがなくなって好みに合いませんでした。

  • みんな違う性格の6人兄弟それぞれの視点から描くストーリー
    兄弟が沢山いるってちょっと憧れる
    ビーフシチュー食べたい〜
    お父さんが寝てる子供達に声をかけるシーンはジンと来た
    家族愛すばらしい
    最後の決断はちょっと残念だったけど、早坂家はこの後も違う形で輪を繋げていくんだな

  • なんだか甘ったるくて
    どうなん・・・って思ってたけど
    最後よかった

  •  「父の死」を共有する三男三女の兄弟姉妹。それぞれの視点から家族を描いた物語。小学生から社会人の既婚者まで立場は様々だけど、それぞれの悩み葛藤をリアルに描けるのは朝井リョウだからか。
     死というのは皮肉にも、残された人を強く結びつける。互いの悲しみを理解できるからなのか、故人の思い出を共有しているからなのか、それとも前を向こうと肩を叩き合えるからなのか。それが家族なら尚更強い絆にもなるし、逆に苛立ちも生まれるんだと思う。身近な家族を亡くしたことも、大家族でもないけど、それくらいは想像できた。
     父が残してくれた尊い家族の輪。優しい優しい世界でした。海のそば(由比ヶ浜が舞台かな?)ってのが憎いわー。ドラマ化されそう。

  • テンポが良くて読みやすかった。
    人物も共感できたし、好きなジャンルの作家さんかも
    若者向けの作品書かれる方なのかなと思ってたけど、
    割と年でも大丈夫だった^^;他のも読んで見なければ^^

  • さわやか!
    いいお話なんだけど、どっぷりつかれるとこまでハマれないのは、年を取ってしまったから?笑
    るりちゃんとか、ことみとか、しっかり者とされてる人のお話が、ちょっと切なかったかな。
    でも、6人兄弟、みんないい子よね。
    ほんとに爽やかで、素敵なお話でした!

  • 最初は読みにくいというか、内容が把握できなくて進まなかったけど、後半に向けてだんだん引き込まれた。
    しっかり泣きましたw

  • 大家族のつながりに関しての優しいお話。

    個人的には三男・真歩の章が好きです。
    誰かに愛情や優しさを表現することに照れとかなく、
    近づいて、声をかけて、一緒の時間をすごして…
    きちんと相手へ投げかけることの大切さが
    書かれていて、大人になってからも怖がらずに、
    人へ投げかけていこうと勇気が出ます。

    気持ちを伝えること、大切にすること、
    優しく書く作家さん、さすがです。
    他の作品はまだ読んでいませんが、
    日常を奇をてらったり話題性を探ったりで
    こねくり回していないのが好感が持てました。

  • 初めて朝井リョウさんの作品を読みました。

    連ヶ浜の町にある純喫茶・星やどり。
    この喫茶店を営む家族の6人兄弟の視点で、本書は描かれています。
    建築家であった父親を亡くし、喫茶店を1人で切り盛りする母とともに、6人の兄弟たちは暮らしています。
    長女は26歳、末っ子の三男は小学6年生。
    男3人・女3人、年齢も離れているし個性もバラバラだけれど、父親を誇りに思い、家族を思う気持ちの強さは皆変わりはありません。

    最初は知らない家族を客観的に見ている感じだったのですが、兄弟1人1人の視点で物語が語られるせいか、最後には兄弟全員が愛おしく感じられるようになりました。
    自分が長女であることもあり、長女・琴美の視点で語られる最終章、ついつい感情が入りこんでいたことに読み終えてから気付くのでした。

    海辺の通学路、紫陽花の咲く坂道、町を走る電車。
    そして、その一画にひっそりと店を構える、星型の天窓を持つ純喫茶。
    描かれる連ヶ浜の風景に著者の愛情を感じました。

  • 初朝井リョウ。

    ついつい探るような目線で読んでしまいましたが、
    みずみずしかったです。
    たぶん今だからこそのみずみずしさ。
    それはプラスだと私は思います。

    とてもありふれたあったかさを持つ文をたぶん好む人だと勝手に思ったので、
    これからがまた楽しみな朝井さんでした。
    部活やめたらしいね。
    違うね。

  • 兄弟姉妹、皆が亡くなった父を心に抱いて過ごしていた。そして、繋げる物がなくなる時、それぞれの思いを吐き出していく。悲しい。読んでいて悲しくなったし、子どもが母のことを理解してない部分も甘えてる部分も読んでいて仕方がないと思うけれど嫌だった。でも、それぞれが少しずつ変化していくであろうことも予想できる終わり方で救われた。

  • 兄弟1人ずつ章ごとにスポットをあてて、それぞれ父の死や家族の変化を乗り越えていく。そりゃ私も良かったねーと思うよ。思うけど、根本的に4年程前の父の死を引きずり過ぎてるように感じてしまった。私はひねくれた人間なのかもしれない。。

  • 綺麗

  • なんか海街ダイアリーに似てた。
    ひねくれてなくて、朝井さんっぽくなかった感じ。朝井さんの本をそんなに読んでる訳じゃないけど。

  • 柔らかい読後感に浸る。星やどりのきっさてんでの話。みんな優しいなぁ。

著者プロフィール

1989年岐阜県生まれ。2009年『桐島、部活やめるってよ』で、「小説すばる新人賞」を受賞し、デビュー。11年『チア男子!!』で、高校生が選ぶ「天竜文学賞」を受賞。13年『何者』で「直木賞」、14年『世界地図の下書き』で「坪田譲治文学賞」を受賞する。その他著書に、『どうしても生きてる』『死にがいを求めて生きているの』『スター』『正欲』等がある。

朝井リョウの作品

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