ワン・モア

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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本棚登録 : 356
感想 : 80
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  • Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041100578

作品紹介・あらすじ

月明かりの晩、よるべなさだけを持ち寄って肌をあわせる男と女。傷はいつしかふさがり、ふたたび生まれかわるだろう-。死の淵の風景から立ちあがる生の鮮やかなきらめきの瞬間を情感豊かにつむぐ、今注目の著者による傑作小説。

感想・レビュー・書評

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  • 評価は5.

    内容(BOOKデーターベースより)
    月明かりの晩、よるべなさだけを持ち寄って肌をあわせる男と女。傷はいつしかふさがり、ふたたび生まれかわるだろう―。死の淵の風景から立ちあがる生の鮮やかなきらめきの瞬間を情感豊かにつむぐ、今注目の著者による傑作小説。

    出てくる人に次々とスポットをあてていく物語。それぞれの目線で同じ日々が過ぎていく。
    全体にホンワカと話が進むが携わり方が様々なので最後に全体像が見え物語がストンと心に落ちる。

  • 桜木 紫乃
      角川書店(角川グループパブリッシング) (2011/11)

    北海道の小さな島の描写がとても美しかった
    ヒロインの医師に惹かれる
    6編がそれぞれ切ないけれど、死と向き合いながら「生きる」ことが描かれている
    ラストはそれぞれが絡み合って後味がいい
    う~ん大丈夫かななって思ってしまうけれど気持ちよくページを閉じた


    ≪ 死の淵に 背を向け歩く もう一度 ≫ 

  • 喉の調子がまだ悪い

    ってな事で、桜木紫乃の『ワン・モア』

    十六夜
    ワンダフル・ライフ
    おでん
    ラッキーカラー
    感傷主義
    ワン・モア
    の6つの短編集。

    女医の美和、鈴音の二人を中心に思うがままに強く1人で生きてく人生と、自身が医師なので余命が分かってからの生きてく大切さと、恐怖に追われながら生きてく辛さ。

    恐怖に追われながらも、優しく振る舞い周りに支えられて生き延びる生命力の強さ。

    今回内容はええ話じゃったわ~♪ 仲間は大切にw

    2018年23 冊目

  • 20170105
    どの物語も切ない。けれど、どの作品からも作者の登場人物に対する愛情が感じられる。心地良い読後感。

  • 短編連作集です。淡々とした桜木節は処々に効いておりますが
    個人的には今まで読んだ作品ではかなり好きな方の作品でした。
    桜木さんの作品を読んだことがない方が最初に読むには読みやすいのではないでしょうか。

    最終話、桜木さんには珍しく大団円。気持ちがいいです。ワンモア。
    タイトルもいいですね。

  • 表紙の寒々しい、寂しい感じが気になって手に取った。
    中身は連作短編。
    静かに人を思う気持ちがどの話にも描かれていた。
    「十六夜」「おでん」はざらっとした後味の悪さ、「ワンダフル・ライフ」で泣けて、「ラッキーカラー」「感傷主義」ではにんまり…。
    最後の小さなお話はもう、どきどきしながら読んだ。
    よかった、みんなあたたかい。
    こんなつながりはとてもすてき。

  • 最初の始まりが痛々しかったんで、あまりハッピーエンドを期待してなかったけど、最終的にはとてもよかった。
    一番好きなのは「ラッキーカラー」。踏み出すのが怖くて現状の満足度を取ろうとするんだけど、そこを突き抜けるっていう。すごく希望の持てる話。
    文章が上手だなぁと思いました。とても読みやすい。心理描写が細かくて、どの人にも感情移入できる。
    新年早々良い本を読みました。なんともいえない気持ちになった短編もあったんだけど、それはそれで。そういう気持ちになりたくて本を読むのかもしれない。

  • 『ラブレス』でとうとう鮮やかにブレイクスルーなさった今年の桜木さんの別の一面、穏やかな温かな連作短篇集。このひとのこういう作品がよみたかった。昏い空気が魅力的な作家で、そういう短篇もあるのだけれど、『ラブレス』の最後の光がこの作品世界を照らしているかのようにも感じられた。もう虜。

  • よかった

  • いくつかストーリーがあるけど全部つながっている感じのやつ。
    なだらかーなちょっとのアップダウンの出来事があってなんだかそれがすごく優しい気持ちになれる。

  • 出てくる犬の名前と、家で飼っている猫の名前が一緒だった…、不思議な親近感が湧いた。

  • 男と女 生と死 ドロドロではなくサッパリとした関係。
    スキャンダル女医と同級生を中心に進んでいく大人の青春物語で読んでいて嫌な気分にならないのは久しぶりだった

  • 甘い記憶、ツラい記憶、諦め切り捨てた
    はずの複雑なもの。全部ひっくるめて
    抱えて生きる大人たちの恋のお話。

    登場人物が繋がっていて、読んでいて
    「この人はこうなってるのね」と
    短編としても全体的にも楽しかったです。
    「ラッキーカラー」のお話が好き。
    どのお話も一歩を踏み出す勇気を振り絞る
    場面があって、ドキドキします。
    読後感が温かい幸せに包まれるようで
    素敵でした(*´ェ`*)

  • これは面白い

  • 暗く、不倫だのあるが、桜木作品はなぜか好きだ。今回はハッピー?な終わり方で良かった。

  • 北海道を舞台にした連作短編。

    最初の十六夜からは、最後のワンモアへ、こんな風に展開するとは思えなかったハッピーエンドストーリー。

    各章ごとの男女の心の機微が絶妙で、ものすごく好きなテイストの話ばかりでした。
    看護師の寿美子がいいですね。
    彼女にも幸せが訪れて、ホント良かった。

    著者の作品は3冊目。
    まだまだ追いかけたい作家さんです。

  • 切ないけれど最後はハッピーなラストで救われた。
    桜木さんのじめじめとした北海道の田舎臭さや過激な性愛表現は今作ではなく、しんみりとそばに居てくれる人の大切さを思う作品でした。
    『おでん』で詩緒に好意を寄せながらも、保守的な自分を守ろうと一歩踏み出せないジレンマと、詩緒と打ち解けてからの思い切った行動のギャップに嬉しくなった。
    亮太は絶対いい男だ。今まで機会に恵まれなかっただけで。
    『ラッキーカラー』は切ない話だった。
    50手前の大人の女性と男性の、駆け引き。
    寿美子の薬指にはめた指輪が赤沢に気づかれていたと分かったとき、そしてそれを弁明せずこれで良かったのだと受け入れたとき、帰ってからお風呂で泣いた時.....
    もらい泣きしそうだった。
    最後の話で無事結ばれたと分かり良かった。

  • 市民病院で安楽死事件のすえに、
    離島の派遣医師となった美和。
    愛も恋もなかったはずの、夢を断った漁師との関係。

    実家の開業医を継いだ矢先に、
    余命わずかの病気を宣告された鈴音。
    別れた夫に、残りわずかの日々を一緒に過ごしたいと言い出せない迷い。

    本屋の店長の佐藤。
    元バイトだった詩緒が、恋人の暴力から逃げてきてからの葛藤。

    鈴音の病院看護師の浦田。
    市民病院で患者だった赤沢が、約束通り自分に会いに来た決意。

    美和と鈴音と同級生で、
    放射線技師の八木が抱えるコンプレックスと鈴音への思い。

    鈴音の元夫の拓郎。
    再婚する父と亡くなった母への思い、病気を患う元妻の鈴音。

    鈴音の愛犬リンの産んだ子犬たちを
    幸せな人たち5人に、里親として託す。

    美和がいた島で、昴の家族の今後の行方が気になるw

    自分に嘘をついたり、ごまかしたりしちゃいけないんだね。
    葛藤は、一つずつ自分の中で納得の行くように消化していかなくちゃ。

    どの話も哀愁漂い、幸せを掴んでいく過程が面白かった。
    最近読んだ本で久々に(?)面白かったと思った)^o^(

  • 桜木紫乃さん3冊目

    『ラブレス』、『蛇行する月』と読んで
    当たりっぽい連作短編『ワン・モア』を選んで読んでみた

    キャラ立ちいい、
    エンディングは切ないグッドエンド。

    鈴音は生きる。生き続ける。
    いつまでも笑っていろ、鈴音

  • 不祥事で市民病院を負われ離島に赴任した美和、その同級生で今は実家の病院の院長となった鈴音、経済的理由から医師の夢をあきらめ、放射線技師となって市民病院で働く八木。高校の同級生である3人は立ち位置が違い疎遠になっていたが、鈴音ががんで余命宣告を受けたことを契機にその人生が再び交差する。鈴音と彼女に関わる人々の生きる姿が、北海道の自然を背景に静かに語られる。6つの短編はそれぞれ連なり、ラストの表題作へと向かっていく。人は何のために生きているのか・・・何が幸せなのか・・・余命を限られた鈴音の心の揺れを通してしみじみ考えさせられ読後もしばらく余韻が残る。

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著者プロフィール

一九六五年釧路市生まれ。
裁判所職員を経て、二〇〇二年『雪虫』で第82回オール読物新人賞受賞。
著書に『風葬』(文藝春秋)、『氷平原』(文藝春秋)、『凍原』(小学館)、『恋肌』(角川書店)がある。

「2010年 『北の作家 書下ろしアンソロジーvol.2 utage・宴』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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