トワイライト・テールズ

著者 :
制作 : とみー 
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
3.62
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本棚登録 : 120
レビュー : 21
  • Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041100592

作品紹介・あらすじ

怪獣が出現した。それを見た高校生・宇和島和男は驚愕した。「ラギーラだ!」。それは和男が小学生の時、いじめから避難するためにスケッチブックに描いたドラゴンだった。そして、和男を助けに来た女性自衛官・英理子もまた和男の空想の中の女神・エリカそのものだった!?(「生と死のはざまで」)。少女シリヤムの前に空から降ってきた怪獣ゼオー。遙か彼方の惑星ボラージュからやって来たというゼオーと、心に傷を持つシリヤムは、いつしかお互いが癒やされる大切な時間を共有することに。しかし、そんな温かい心の交流は、大人たちにとっては許されざるものだった…!?(「怪獣神様」)他、2編。怪獣と人類の切ない邂逅から、人が人である価値を問う珠玉の物語集。

感想・レビュー・書評

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  • ほとんど予備知識もなく「怪獣小説ってオモロそう」とだけ思って読んでみたのだが、これって本編にMM9ってシリーズがあって、その外伝的な作品集やったねんね。本編も読んでみよう。

    予備知識なくてもそれなりに楽しかった。
    4編の作品すべて良いが、読み応えとしては最後に収録されている怪獣無法地帯がボリュームもあって一番。あの元祖怪獣にあの悲劇的怪獣をぶつけて来るなんて、オタク心くすぐるわぁ。さすが山本弘分かってるわぁって感じ。
    その前掲載の「怪獣神様」は、帰マン悲劇のあいつをリスペクトしてるんやろなぁ。これはこれで考えさせられる(というか考えるべきなんやろな)作品。

    怪獣なんて幼稚と思わず、読んでみて欲しい。ロマンには倫理が似合うって分かると思います。

  • 面白くない。
    正確にいうと私には合わなかった。

    怪獣が存在し、天災と同じ扱いになっている世界の短編集。
    妄想青年の走馬灯、少年少女のラブストーリー的な事件、神様の怪獣が降ってくる話、ソ連の宇宙飛行士が怪獣になったので殺す話inジャングル。
    三話目は少し好きな雰囲気。
    多分、作者のツイッター覗いてしまったのもよくないのだが、作者の思想というか考え方みたいなものがかなり露骨に話の中に入っていて読みにくい。
    他の作品でもそれはあるけど、これは一際目だって感じ、読むのが遅々として進まなかった。
    怪獣、軍や兵器の描写などが私の興味の外の物なのも大きいと思う。

    とはいえ、ドラマチックには書かれてるので少し頑張れば読める。
    でも趣味の読書だし頑張らないで読めるものの方が面白いので、やはりこれは面白くない。

  • 「夏と少女と怪獣と」が一番好きでした。
    「怪獣無法地帯」はやっぱりあの怪獣ですよね。
    なかなか読みごたえありでした。

  • MM9の番外編。本編と全然語り口が違うので戸惑いましたがこれが本当の怪獣を前にすれば人間なんて虫ケラ同然でヒメとかウルトラマン、ゴジラ、モスラ、ガメラみたいなヒトのために敵に立ち向かってくれるヒーローはそうそう現れない現実がかなりリアルでした。全部本編とは違った良さがありますが私は「怪獣神様」と「怪獣無法地帯」がグッときました。

  • ☆5つ

    シリーズ第一作の『MM9』上梓の少し後に書かれた物語たちの様です。

    そして最新刊『MM9 Destruction』よりもかなり面白いなぁと思ったのです。

    いくつかの短中篇小説からできているのですけど、なかでも最後の「怪獣無法地帯」という奴が激しくお薦め的に面白いです!

    でもなぁにストーリー自体は、元祖ウルトラマンの怪獣ジャミラ(TV放映題名「故郷は地球」)をかなり模倣している。でもそういうことが些末に思えてくる程これはいいお話なのです。強烈なラヴストーリーです。

    考えてみると『MM9』シリーズは全部ラヴストーリーですね。怪獣が物語の中心となるラヴストーリー。わたしは好きです。

  • 所収の「怪獣無法地帯」、その名の通りかと思ったら、最後でまさかああなるとは思わなかった。

  • 電車で読んで落涙。シリーズものと知らずに読んだが、世界観はすんなり入ってきて、問題なく楽しめる。現実も物語も今のところ人類が最も威力のある災害。

  • 気象現象のように怪獣が存在する世界を描いたMM9シリーズの短編&中篇集。神や幸福を論じたかと思えば甘酸っぱい青春も描くあたり山本弘らしく楽しめた。

  • 怪獣が存在し自然災害としてその規模をMM〈モンスター・マグニチュード〉という尺度で評価している世界を舞台にしたMM9シリーズと世界観を同じくする短編集。
    収録の作品群は怪獣が登場するものの、それと関わる人物たちのドラマに重点を置いている印象だった。
    怪獣探しがきっかけのボーイ・ミーツ・ガールを描いた「夏と少女と怪獣と」が一番のお気に入り。怪獣災害に巻き込まれた高校生の顛末を描いた「生と死のはざまで」は良くも悪くも読後感が強烈だった。「怪獣神様」は少女と怪獣の交流の様子が印象的な切ない話で、「怪獣無法地帯」は特撮映画のような印象の話だった。

  •  大好きな怪獣シリーズ(MM9)のスピンオフかな。怪獣は主役ではなく、BMG(ボーイ・ミーツ・ガール)的なファンタジックなスタイル。ハードロックバンドのバラードの感じと言えば伝わるだろうか。

     オープニングの「生と死のはざまで」は、まさにBMG的。あまりに夢っぽくてしらけてしまうけれど、おきまりのエンディングをけっこう読ませる展開がいい。次の「夏と少女と怪獣と」も、筋は凝っているものの、少年少女のラブストーリーって感じで50過ぎたおっさんが読むのが恥ずかしい。

     後半部分「怪獣神様」は本作品の中で最もBMG的ではないけれど、しょうもない展開。エンディングを飾る、比較的長めの「怪獣無法地帯」は、この作品だけ読めばなんということもない作品だろう。しかし、この作品で「ジャミラ」を思い浮かべる人は少なくないと思う。これ絶対に「ジャミラ」だ。涙なくして読めない物語だ。あぁ、「ジャミラ」。世界の国旗が目に浮かぶなぁ。

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著者プロフィール

作家。2003年に本格SFにして著者初の四六判ハードカバー『神は沈黙せず』(角川書店)を刊行。同作は読者の話題をさらい、日本SF大賞の候補となった。また2006年5月に刊行された単行本『アイの物語』(角川書店)も各書評家に絶賛されている。

「2018年 『怪奇探偵リジー&クリスタル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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