夢違

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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本棚登録 : 2240
レビュー : 451
  • Amazon.co.jp ・本 (492ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041100608

感想・レビュー・書評

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  • 人が「夢札」を引き、「夢判断」が夢解きをする、夢の可視化が実現した未来。
    「夢判断」の浩章は、ある日図書館で、 兄の元恋人で、12年前の火災で死亡した古藤結衣子を見かける。
    彼女は幼いころから予知夢をみることができ、その夢札は研究のために提供されていた。
    そんな折、各地の小学校で、子供達が集団パニックに陥るという事件が発生。
    子供達はその日から悪夢にさいなまれているといい、夢判断の依頼がされる。
    事件の当事者である女の子の夢札を見た浩章は、彼女の夢に結衣子の影を見る。
    さらに、田舎の小学校で起きた神隠し。
    これらの不思議な事件は、死んだ結衣子とどんな関係があるのか。

    夢と現実のはざまで漂うかのような不思議な世界観。
    夢はどこからくるのか?「夢」と無意識との関係は面白いなと思いました。

    ただ、たくさんの方がレビューされているように、少々消化不良でした^^;
    残り30ページくらいで、あーたぶん謎の大部分は残されたまま終わるなこれはと思いましたが。
    恩田さんは、イメージからストーリーを掘り出すということなので、きっと「八咫烏」や、吉野の桜、最後のシーンのイメージなんかが当初からあって、これらのイメージなくしてはこのストーリー自体が生まれなかったのでしょう。
    ただ、こういうイメージが、ストーリーの中でどういう意味を持つのか、読者に伝わる形では描かれていなかったのが残念だなと思いました。

  • 子供がドラマにハマり予約してやっと届きました。

    ドラマは随分とおちゃらけた展開だったけど
    (どうやるとあぁなるのか不思議なドラマでしたね…汗)
    原作は幻視サスペンス
    だったので、その差に驚きつつ…
    序盤、中盤と重苦しく…400ページ当たりから、やっと
    物語が動き出したので、そこからはアッという間でした。


    夢、究極のプライベートであり、夢主が制御できない無意識の集まり。

    途中から思わぬ方向に…話が進むので驚きました。
    先日恩田さんの作品の「私の家では何も起こらない」を読み、その
    内容と「夢違」の内容が共通しているので
    既視感というか、うすら寒さを感じました。
    「胡蝶の夢」「幽霊」「思念」

    「無意識のうちに可視化」って考えてみると、実際にそうなのかもしれない
    って思う一方で、そうならやはり恐怖も感じる。

    幽霊との共存、彼女だけが外から一方的に夢にアクセスできる
    世界がもし現実になったら、彼女こそ「神の様な幽霊」のような
    無意識に刷り込まれてしまった恐怖というか…
    考えて見たら、ぞぞぞー…と鳥肌が立ちました。

    でも最後は結局そうならずに(たぶん)ハッピーエンドなんで
    ホッとしました。でもこう…スッキリしない感じが残ります。
    色々と要素を盛り込み過ぎで、勿体ない。
    もっと掘り下げてほしかったかな。

    • vilureefさん
      この本、ドラマ化されてたんですよね。
      ドラマ放映中は全く知らず、後で知りびっくりしました(笑)
      ドラマ化されるとは思わない内容ですよね・...
      この本、ドラマ化されてたんですよね。
      ドラマ放映中は全く知らず、後で知りびっくりしました(笑)
      ドラマ化されるとは思わない内容ですよね・・・(^_^;)

      そうですか、お子さんがハマるほど面白かったのですね。
      今更ながら見てみたいです。
      2013/03/25
    • まっきーさん
      vilureefさん、こんにちは(o^∀^)

      ドラマ化…確か去年あたり放送されていたように思います。
      けっこう笑えるような内容で原作とはか...
      vilureefさん、こんにちは(o^∀^)

      ドラマ化…確か去年あたり放送されていたように思います。
      けっこう笑えるような内容で原作とはかけ離れた内容なのですが
      小学生の古藤結衣子出てきます♪

      私も最初原作が恩田さんの「夢違」だと知らずにオープニングを見て
      びっくりして予約したんですよ。

      ドラマ確か十二話くらいだったと思います。
      見られるといいですね(o^∇^o)
      2013/03/25
  • ぞわぞわした雰囲気を作るのがすごくうまい。恩田陸さんのホラー・サスペンスものはいつもそうだ。そして、それだけだなあという感想を持つのもいつも同じ。

    恩田作品で一番好きなのは「夜のピクニック」。ホラー系は「六番目の小夜子」をはじめとして、読み進めていく時のワクワクドキドキが常に肩すかしに終わる感があって、納得できない。それでも読む気になるところがうまい人だなあとは思うけど。

    本作も、もっときっちりSF的に展開して欲しいけど、そうはならないんだろうなあと思いながら読んでしまった。不穏な気配や不安感を高める書き方はもう本当に巧みだ。でも欲張りな読者としては、その先が欲しいのだ。驚愕の真相、もしくは納得の結末、という形で。

    北上次郎さんが恩田陸さんのことを「さわりの作家」と書いていたが、これは言い得て妙だと思う。すごく面白い予告編を見ている感じ、と言ってもいい。本編を読ませてほしい!

  • 夢札、という技術によって人の見る夢を可視化できるようになった時代、白昼の教室で起こった集団白昼夢の事件を追う夢札解析の専門家が出会ったその謎の真実とはなにか。夢札を探りゆくうちに、彼はもう居ないはずのひとの影を見つけてゆく。
    夢か現実かがあいまいになっていく、とは作中の人物の言葉ですが、読み手のほうもどこかその境があやふやになって漂わせるような幻想的な雰囲気が満ちています。興味を抱かせる不可思議さの描写は作者は髄一なだけに、この不可思議が満ちた夢の情景はとても魅力的です。
    夢札、という技術はかなり空恐ろしく感じたものですが。予知ができなくとも、自分が制御できない自分のうちをさらけだすということは、とても羞恥であり恐怖に思える、のは考えすぎですかね。
    結末は、こういうタイプの話ならまあありかなあと思わなくもないですが、もう少しはっきりとした結びをほしかった気がしますが。それもまた作者らしいといえば、そうなのですが。

  • 特殊な装置を使って夢を記録し再生することができ、夢を分析する「夢判断」という専門職があるという不思議な設定。をの夢判断職の青年?か壮年期に入ったくらいの男性が主人公。主人公と、ひとりの女性(主人公の兄の婚約者で、十年前に自分が夢で予知した事故で亡くなっている)との不安定な繋がりを暗示しつつ、次々起こる不思議な事柄に恩田さんの世界観が全開で前半はワクワクしながらどんどん読みました。とはいえ後半に入ると、そうかそうだったのか!という、たとえゾクゾクしてもすっきりした読後感を期待していたのですが、それこそ変わった夢だったな~というようなあやふやな感じで読了し少し残念でした。書き下ろしではなく新聞連載だったらしいのでそのせいかもしれないと思ったり、恩田さんだからと期待しすぎたとか思ったり。

  • 夢が可視化できるようになった世界。
    夢判断士の野田は、ある小学校で起きた集団パニックの原因を探るため
    児童の夢札を分析していた。
    そこにたびたび登場する、古藤結衣子。
    時を同じくして、小学校で神隠しが発生し、古藤結衣子の目撃情報が入る。
    彼女は死んだのではなかったのか。
    彼女が児童の夢に登場するその意味は。
    なぜ不可解な事件が連続して起こるのか。
    不可解な事件と彼女の関係は。

    細かく設定が練られている部分もあれば詳細説明がない部分も多く、
    もっと知りたいと思うからページが進みました。
    この感じ久しぶりだ。

    以下ネタバレですが。
    最後、彼女は目覚めたのでしょうか。
    目覚めたと思いたいけど
    筋力が衰えているのに2日後に軽い足取りで歩けるのかな。
    でも、目覚めなかったら、夢違観音に行く意味はないよね。
    相変わらず消化不良感はあるけど
    恩田作品の中では美しくまとめたりドルストーリーだと思います。

    集団パニック、若干のオカルト、
    恩田さんのマスコットキャラ:八咫烏。
    まさか。まさか。満開の桜を嫌うキャラクター。
    多作品と素材が似通ってきちゃうのが残念。
    でも存分に楽しみました。恩田さん大好き。

  • ドラマとはだいぶ違う話だったんですねぇ
    別物として見れば楽しめたかな
    夢か現実かの危うい感じが好きですね

  •   恩田さんの不思議な感じが好きで読んでいて楽しかった。しかし、結末がいまいちわからない。多くのレビューにもあるように、奥さんどうなった?というのも気になる。

  • 夢と現実の境目が、だんだんとあいまいになっていく。
    いかにも恩田陸らしい世界。
    寝る前に読んでいたら、ぞくっとしてしまった。
    不幸な予知夢が、ことごとく当たるとしたら?
    結衣子の心中は、いかばかりか。
    http://koroppy.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/post-25aa.html

  • 途中まではすごく雰囲気があっていいんですけど、終盤はかなりやっつけですね。かなり無理矢理辻褄を合わせた感があります。
    全く解決してない伏線や謎もかなりあります。夢を題材にしてるので多少不可解な部分はあるとしても、ストーリーとしてこれはどうなの?と思います。
    全体に漂うそこはかとない不気味さ、手探りで一歩一歩進んでいくような不安感に引き込まれて一気に読んでしまったのですが、肝心の結末が残念です。でも、恩田陸さんの話は大体いつもそんなかんじですね。

著者プロフィール

恩田陸(おんだ りく)
1964年、青森市生まれ。水戸第一高校を卒業し、早稲田大学進学・卒業。1991年、第3回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作となった「六番目の小夜子」でデビュー。2004年刊行『夜のピクニック』で第26回吉川英治文学新人賞及び第2回本屋大賞、2007年『中庭の出来事』で第20回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。2017年『蜜蜂と遠雷』で第156回直木三十五賞、第14回本屋大賞、第5回ブクログ大賞などを受賞した。同作品による直木賞・本屋大賞のW受賞、そして同作家2度目の本屋大賞受賞は史上初。大変大きな話題となり、代表作の一つに挙げられるようになった。同作は2019年4月に文庫化され、同年秋に石川慶監督、松岡茉優・松坂桃李らのキャストで映画化される。

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