日本の文脈

  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
3.81
  • (34)
  • (81)
  • (52)
  • (6)
  • (1)
本棚登録 : 631
レビュー : 81
  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041100783

作品紹介・あらすじ

『日本辺境論』の内田樹と、『日本の大転換』の中沢新一。野生の思想家がタッグを組み、いま、この国に必要なことを語り合った渾身の対談集。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 内田先生を追っかけています。でも僕の頭ではついていけな〜

  •  内田先生と中沢先生の対談本。

     内田本をいくつか読んだ人にはお馴染みであろうテーマ(贈与、労働、神話)が随所に散りばめられている。
     人は歴史を進行させる上でどうしようもなく「物語」を必要としているのであり、グローバル資本主義のような、機械的で非人間的な方法を採用しているといつかがガタが来る、といういつもの警句が並んでいる。
     最終章ではそのいつもの警句が311以降の日本社会とどのように対応しているか、また、これ以後どのように人は振舞えば良いか呈示されている。
     

  • 今を機嫌よく生きてくためのヒントが詰まってる。例えば、自分はいつだって仕事で起きた問題の具体的な解決策を考えたい性格なのだけれど、実際どうにもならない問題はたくさんあって、うーってなって、へこんだりする。でも、「東洋の学びは正解よりも成熟を目指す」という章を読んで心が軽くなった。成熟は即答を求めない。時間の経過に身をおくうちに世界の相貌が変わっていく。その変化を思い知るのが知的な成熟である、という言葉など、視界がクリアになるような感じでした。

  • 面白かった。
    『呪いの時代』と言ってること自体はあんまり変わってない。

    贈与の重要性を言っておかなければ、焦りじゃないけど、
    そういう必要みたいなのに駆られてる気がした。
    あぁ今の日本って私も含めてほんとに余裕がないんだなと感じる。
    こういった重要性を説かなければいけないくらいには余裕がない。

    でも、だから日本はもう駄目だよね、ってなりすぎない。
    私がこの人の書くものが好きな理由はそこなんだなと思う。

    必要以上に悲観的にならない。否定的にならない。
    いつも「じゃあどうしたら日本が日本として生きていけるか」
    っていうのが考えられて示されている。
    海外に追従する形じゃなくて日本として生きられる形を探る。
    そういうところが好きだなぁと思いました。

  •  最近内田さんの本の内容がスピリチュアルな方向に向かってる、といくつか前の本にレビューで書いたのですが、

     それをうまく、「あぁ、そういうことか。」と説明していた対談本だった気がする。

     個人的に、東日本大震災が、我々の生き方の転換点になる、というような受け止め方がまだできていない気がするのですが、

     ただなんとなく、教育現場に身を置いている存在としては、

     今までの価値観では通用しない何か、をまだ言語化できていないけれど感じる。

     それをいち早く察して、世に送り出している本なのだと思う。


     わたしには、何ができるのだろう。

     「これからの贈与社会」。教育とビジネスを同じくくりで考えてはいけない、という考えから一歩進んで、踏み出していく必要性を突き付けられた。

     ただ、教員として、わたしは、生徒さんに何も贈ってあげていることができていないのではないか、というジレンマをものすごく感じる。

     生徒さんから未だ、色んなものを、貰うばかりなのだ。

     還元していかなくちゃいけないのに、貰ったものは手に有り余るほど大きくて、日々の関わりに感謝せずにはいられない。自分がここに居させてもらえる喜び。わたしはどう、彼らに返してあげられるのだろう。


     授業の終わりにいつも書いてもらう反省と感想に、毎時コメントを書くことや、担任に諌められたときの、副担任としてのフォロー、毎日機嫌よく過ごして、生徒の皆さんに、働くことって、誰かのかかわりになれるって、嬉しいことなんだと伝えること、分掌の仕事として、悩んでる子はいないか、悩んでる子はどう対処のアドバイスしていったらいいか対策練ること、


    そんな些細なことじゃ、全然足らん。申し訳ない。

     これから、一人で生きていかなくちゃいけないってなったときに、日々の生活の中で、誰かにかけられた馬鹿みたいに些細な一言が、生きる上で思いがけないくらい大きな支えになるっていう経験が、私にはあるのだけど、おこがましくも、たった一人でいいから、誰かのそんな風な支えになりたいと、願う。


    わたしは、大学を出るときに、
    「お前が教員やるの?」って複数の人に言われたw

    自分でもそう思った。

    だから、初めてもらったお給料に、自分はこんなお金をもらうに値しない人間だと思って、

    あぁ、働くって、こうやってわたしに投資してくれたことに対しての恩を返していくことなんだと思って、5年の月日がたった。

    未だ、わたしは、日々のお給料をもらうに値しない人間だと思い知らされる。

    働くことをやめるとき、わたしは、
    もう十分やった、なんて充足感、覚えられるんだろうか。

    頑張りたい。もっともっと、頑張りたい。

    なんかたぶん、本とは全然関係ないのだけど、
    この本を読んで、そんな事を思った。

  • 面白かった。
    同い年の思想家同士の対談。
    放談と言えるくらい話は自由に広がってはいるものの、一貫した俯瞰というか、人類史を前提とした継続性を前提として現代を読み解いている。

    面白い本でした。
    こういう勉強もっとやってみようかな。

  • 地名やら哲学者やらは勉強不足のため分からなかったが、日本人の特性やビジネスモデルで語れないものの理解が深まった。

    また読み直したい一冊。

  • 「希望論」で感じた足腰の弱さ。
    それは時間的スケールの短さがその原因なんだろう、
    と、本書を読んで思った。

    本書は、
    「希望論」と似たような結論に至っているのだけれど、
    反面この二人の人間の原初を見つめるまなざしは、
    強靭な身体性を伴って確かな実感を与えてくれる。

    ここで言われている「男でおばさん」というのは、
    わたしが昔から思っていた「中性的」であろうとする構えと似ている。

    もしかしたら、
    レディオヘッドやジェフ・バックリーやシガー・ロスや七尾旅人の音楽に惹かれるのも、
    こういういった志向と無関係ではないのかもわからない。

    また、
    ドラクエにおいて、メガンテよりもメガザルが好きなのも、
    メガンテの「自己犠牲による敵の殲滅」という攻撃的(父性的)なものより、
    メガザルの「自己犠牲による味方の救済」という包摂的(母性的)なものに、
    より価値を見出しているせいかもわからない。

    なんにしろ、
    様々な問題の最先端を行く日本の動向が、
    世界の道しるべになるということを肝に銘じておけば、
    案外毎日機嫌よく過ごせるような気もしている。

  • いや、相変わらず面白いです。京都の地形とか、能とか、とにかくいろいろ勉強になりました。

  • 12/02/03。

全81件中 1 - 10件を表示

プロフィール

武道家。1950年、東京生まれ。著書に、『ためらいの倫理学』(角川文庫)、『日本辺境論』(新潮新書)、『困難な結婚』(アステルパブリッシング)、『街場の天皇論』(東洋経済新報社)など。

内田樹の作品

日本の文脈を本棚に登録しているひと

ツイートする