日本の文脈

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レビュー : 82
  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041100783

感想・レビュー・書評

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  • 何かの本にも同じことが書いてあったなと思いながら読む。そこがぶれない主張なのだと思います。他大学の成功例をみんなが真似していったら、限りなく似たような大学が増えてくる。「選ばれないリスク」を引き受けようとしない。「他の大学をもっては代えがたい」固有の建学の理念…一見どこも同じであるように見える中、同じでないところがどこなのかを十分理解しておく必要を感じました。

  •  <面白いと思ったところを以下引用>

     ・・・貨幣、親族、言語といった社会制度の根本をなすものは惰性が強く効いているから、歴史的な条件の影響を受けない。
     フェミニストは親族制度を「近代的な母権制の装置にすぎない」ってわりと簡単に切り捨てるんです。でもそれは違うんじゃないかな。権力や財貨や情報を自由に処分できる近代的主体性なんていうものは、ずっと後代になって出現してきたものであって、それよりはるか昔、その起源が人類史の闇に消えているような制度として親族や言語や宗教はあるわけですよね。そういうものを、今の自分達の日常的な価値観や損得勘定を基準にして否定してよろしいのか。と。惰性の強い制度に対しては謙虚に接した方がいい。

    ・・・日本人はいまここにない枠組みにキャッチアップしようとする。そういう幻想的な目標に向かって必死にもがいているうちに、知らず知らずに自己超越を果たす。

    ・・・システムはできあがったものだけを見るんじゃなくて、どういう歴史的文脈で出てきたのか見ないといけない。

  • 最近,、日本人ってどういう特徴があるのか、他の国の人との違いはなにか、が気になっていたのでとても面白かった。

    特に、ユダヤ人と頭の使い方が違うことやインターフェイス上にずっといるというところが興味深かった。

    また、3.11以降を生きる私達はブリコラージュという概念、贈与の意味を考えながら今までの生活を省みないといけないなと思った。

  • 非常に読み応えがあって、面白い。貪るように読んだ。
    が、最終章の手前でブランクがあいてしまって、
    うまく内容が繋がっていない。近いうちに再読したいです。

    現代を代表する2人の思想家、内田樹と中沢新一。
    同い年、同窓生である彼らの対談をまとめた一冊。

    主に〝贈与論〟を軸に、
    様々な事象をいろんな角度から切り取って話しています。
    事象に対する捉え方、見方を俯瞰的に知ることで
    柔軟な思考が培われるということですね。

    くるくるとめまぐるしく話題が変わるのは、
    彼らの引き出しの多さ、深さによるのでしょうか。

  • 日本的なものの肯定を基調とした対談集。
    脱線多いので内容あまり覚えてません。また結論もなかった気がします。が、ユダヤと日本の近似性、戦争と結婚、正解より成熟など、幾つかキーワードがあった気がします。

  • 宗教や武道など、日本的な文脈を持ったものから、現在の日本を捉え直す。とてもとっつきにくかった。自分としてはだけど。不思議と読み進められたのは、知性が折り込まれてたからだと上から目線で分析してた。目次はすべてを説明しきれてないのは2人が「男のおばちゃん」だから。思考の柔軟性はすごいと思う。思想家てこういう人たちか、というのは感想としては浅はかすぎるかな。たぶん、今の日本を肯定してもいい、ということを2人は言いたいのだろう。日本の歴史に基づいた価値観であらゆることを見直してみませんか?と。グローバル資本主義とか地に足がついてない発想ではなくて。

  • 帯表
    『日本辺境論』の内田樹と、
    『日本の大転換』の中沢新一。
    野生の思想家がタッグを組み、
    いま、この国に必要なことを
    語り合った、渾身の対談集。
    鎮魂と復興の祈りを込めて-。
    帯裏
    プロローグ これからは農業の時代だ!
    第一章 これからの日本にほんとうに必要なもの
    第二章 教育も農業も贈与である
    第三章 日本人にあってユダヤ人にないもの
    第四章 戦争するか結婚するか
    第五章 贈与する人が未来をつくる
    第六章 東洋の学びは正解よりも成熟をめざす
    第七章 世界は神話的に構成されている
    -東日本大震災と福島原発事故のあとで
    (目次より)

  • (以下引用)
    中沢:大学組織の中での教育ということに限界を感じていることもあるんですが、同じ世代の学生ばかりが集まっているよりも、いろんな世代に、いろんなバックグラウンドを持った、いろんなタイプの人が集まって一緒に学ぶほうが生産的な場所になるだろうと思うんです。(P.79)

    内田:それは世界中一緒ですよね。男の子は旅に出る。そして女の子のほうはどこからか流れてきた、何を言っているのか、何を考えているのかわからない流れ者の男に惹かれる。そいういうふうに混交することで、生物学的多様性を担保しつつ、同時に戦争を回避した。戦争とエロティシズムって、他者と出会ったときにどう振る舞うかをめぐる二つの選択肢ですものね。(P.183)

    中沢:いまの日本は何もかも破綻して荒廃しているように感じることもありますが、人間が直面するさまざまな問題を先取りしているようにも思えます。少子化にしても高齢化にしても、いろんな問題に日本人は先駆けして直面していて、とすれば、これに率先して解決を与える努力をしないといけない。(P.238)

    内田:だから僕たちが「頭がいい」と思う人って、知識がたくさんあるとか、ぺらぺら速くしゃべるとかじゃなくて、思いがけないところに同型性を発見する人のことだと思うんです。(P.250)

    内田:共同体は「これだけのサービスをしたらこれだけの報酬が返ってくる」という等価交換、商取引のモデルではないですから。共同体というのは非対称の関係なんです。子どものときには親に育ててもらって、大人になったら若い子を育て、老人になったら介護してもらう。そういうふうんj回り持ちなんです。いつも他者から支援されているか、支援しているかのどっちかであって、サービスと報酬が等価であるときて、実はいっときもないんです。いつも贈与しているか、贈与されているか、どちらかなんです。(P.276)

  • 120404 WBS スミスの本棚

    小林武史さんおすすめ

    http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/blog/smith/2012/04/post127117.html

  • 2人の思考がかっこいい。特に内田さんの武道や能楽など体を使った道を極めようとしているところからの発言に励まされる。
    今の日本の状況を悲観しすぎることなく受け止められる気がする。

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著者プロフィール

うちだ・たつる 1950年東京生まれ。武道家(合気道7段)。道場兼能舞台兼私塾「凱風館」館長。神戸女学院大学名誉教授。翻訳家。専門はフランス現代思想史。東京大学文学部卒業。東京都立大学大学院人文科学研究科修士課程修了。ブログ『内田樹の研究室』。



「2019年 『そのうちなんとかなるだろう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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