日本の文脈

  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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レビュー : 82
  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041100783

作品紹介・あらすじ

『日本辺境論』の内田樹と、『日本の大転換』の中沢新一。野生の思想家がタッグを組み、いま、この国に必要なことを語り合った渾身の対談集。

感想・レビュー・書評

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  • 日本的なものの見方・考え方と、西洋的・キリスト教的ものの見方・考え方を対話を通して考えさせてくれる良書。内田樹さんの「日本辺境論」と中沢新一さんの「日本の大転換」は別途読まないといけないね。

  • 対談の面白さは この本のように 知識と知識が ぶつかり合って 潰し合うことではなく、対談によって 知識が積み上がっていくことだと思った

    2人の思想のエッセンスが たくさん 盛り込まれており、読みやすいけど 咀嚼に時間がかかった

  • ・教える人は教壇に立って、生徒はノートをとる。時代が変わってもあまり変わらない。ということは理解できる以上の仕掛けが組み込まれている可能性。学校・医療・親族・司法・宗教など。よくわからない決まりごとについては軽々に理非を判断すべきでない。
    ・交換の本質は、おたがいに、相手いにはその価値や有効性が分からないものを送る、そのような贈り物だが交換を継続し加速する。ここに交換の欲望が発生する。
    ・日本人はエッセイが得意。堅固な構築物を作るように哲学として思想を表現するよりも能楽・茶道・華道などの芸道として表現した。
    ・スーパーフラット:日本人は平面化して薄くするのが得意
    ・本に書いてあるものを読んで、分かった気になるのは非常に危険
    ・伝統芸能は、伝聞ゆえに、中空性を維持している
    ・日本人に国家は向いていない。地域共同体ぐらいがちょうどいい
    ・ユダヤ人になくて日本人にあるもの:農業と里山文化
    ・自分のローカリティ−を徹底するのが日本人にはよい。世界を目指すのではなく、ローカルを突き通す。
    ・メンバー全員が平等である、という前段階として、メンバーであるかぎりは同一のルールに従わなければならない、という制約がある。
    ・社会が上り坂の時は民主主義がうまく働くが、マイナスに働く時期もある。
    ・民主主義をうまく機能させるにはつねに贈与する人やシステムが必要
    ・医療・教育・宗教は根本に贈与があるのでビジネスが入るとダメ。
    ・Time is time.
    ・米国の介護施設は万人受けするように合理化して作ったが失敗。
    ・自然にいいことだけしよう、という発想が無理。エコの考え方の限界。
    ・非生体圏の核技術と生体圏のタービンと媒介する部分の技術が脆弱
    ・自然は征服するものでも守るべきものでもない。恵みをもたらしてくれるもの
    ・廃県置藩
    ・地域通貨:通貨の中に人間関係が入っている。言語や食べ物を共有する小さい範囲の中で人間関係を大事に作っていくところに戻るべき

  • 本来、生態系に依存しない原子力は「神の火」であり、原子技術はいわば「荒ぶる神」をどう祀るかという問題で「神霊的」な捉え方。だから欧米での原発は神殿を模して作られており「一神教」の宗教意識が成り立っている。一方で日本はどうか?「神の火」でなく「アメリカの火」であり、「荒ぶる神」でなく「カネになる木」とねじくれた捉え方をした。原子力がカネ儲けの道具ならばコントロール可能であると勘違いし、恐怖心が抑制された。原発の設備をあれだけ粗雑に作ったのは原子力に対する恐怖心をごまかそうとしたからである。

  • おばさん的なおじさん(本文より)二人の対談。
    僕もこれからおじさん化していきますが、おばさんみたいな(女性ジェンダー化した)おじさんを目指そうかと思いました。
    「俺は男だ!」って意気がると、日本ではろくなことがないいたいです(笑)。

    確かにそうかも知れません。
    アカデミズムの世界なんて肌に合わないし、やっぱり田舎にかえって農業でもやりたいな~と思いました。

  • 対談集で、ときどき鼎談になる。
    2人とも学者というより、文学だ。
    読んでいるうちに、眉がつばだらけになってしまった。
    でも、示唆に富んでいる。

    本を量産するお二人だが、タイトルのつけ方は、内田がいい。

  • 文庫になってから読めばよいかとも思ったけれど、3.11以降の生の話もあるので、早めに読んだ方がいいかと思って、買って読んだ。2人の書いたものはいくつも読んできているので、どこかで聞いたことのあるような話が再確認できた。医療・教育をビジネスとしてはいけないということ。贈与する・されるものであって、お金で医療・教育サービスを買うという発想はいけない。もともと医者と患者、先生と生徒は対等ではない。こういうところにはビジネスは成り立たない。最近、奥歯が痛くて何回も歯医者に通っているが、いっこうに治らない。治療代を返してほしいと思うほど。そこで、すぐに気付いた。自分がしているのも(その歯医者と)同じこと。これだけお金をつぎ込んだのに不合格になった。金返せ!と言われても仕方ない。そうはならないところにあぐらをかいてビジネスをしてしまっている。そんなふうに思ったことはないけれど、そうとられても仕方ないのかもしれない。ここはもう少し考える必要がある。しかし、著者はいずれも長年私立大に勤務してこられた。その点はどうなんだろう。本書を読んで何よりおもしろかったのは、2人が同じ時期に東大で学生だった、けれど、そのときには出会っておらず、中沢新一が若手でデビューしたとき、同年代の内田樹は応援したり、羨望したり、やきもきしたりしていたということ。そして、中年になってからであって意気投合しているのだそうです。読みかけになっているレヴィ=ストロース「悲しき熱帯」は読まないといけないと思った。

  • 内田樹と中沢新一の対談本。
    同じ東大の同期生ということで意気投合しているようだ。

    内田は対談だと話にまとまりがないが、それを「男のおばさん」だからと自称しているのがおもしろい。あいかわらず反フェミニズムの話を持ち出してくるが。



    他の類書で似たような考えが出てくるが、対談したたまものなのだろうな。

  • 脳みそで考えるんじゃない、身体が感じることが真実。
    そこに向けて、ただひたすらに感覚を磨いていく。
    それが道を指示してくれる。

    人間が禁忌に感じることは、本当は本能でもとめることなのかな。

    ありもので間に合わせる技術と、最悪を過程した手順を考える。

  • 内田先生、あいかわらずの安定感。
    でも「ハッ」とするような(僕にとって)素敵なフレーズが以前ほどなくなってきたのは、僕が成熟したせいなのか、はたまた、、、。

    いずれにせよ、本書に限らず、内田さんの本は合理主義一辺倒の若い人に読んでもらいたいな。
    良かれ悪しかれ何らかの影響を受けると思うし、そのこと自体は慶賀すべき体験だと思うから。

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著者プロフィール

うちだ・たつる 1950年東京生まれ。武道家(合気道7段)。道場兼能舞台兼私塾「凱風館」館長。神戸女学院大学名誉教授。翻訳家。専門はフランス現代思想史。東京大学文学部卒業。東京都立大学大学院人文科学研究科修士課程修了。ブログ『内田樹の研究室』。



「2019年 『そのうちなんとかなるだろう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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