著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
2.89
  • (2)
  • (13)
  • (61)
  • (18)
  • (5)
本棚登録 : 259
感想 : 34
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (391ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041100998

作品紹介・あらすじ

東京近郊の長浦市で発生した二つの殺人事件。無関係かと思われた事件に意外な接点が見つかった。容疑者の男女が同郷出身の同級生で、二人は故郷で出会っていたのだ。容疑者は振り込め詐欺グループのリーダー日向毅雄と、シングルマザーの井沢真菜。やがて海外逃亡を企てる二人を追い、県警捜査一課の澤村慶司は雪深き東北へ向かうが…。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 澤村慶司シリーズ第2弾。
    取り敢えず今回も初美さんが出てきてくれたので嬉しかったのだが
    前作よりもなんとなく影が薄いように感じるのは関わりが薄いからか
    或いは敢えて澤村に対して引いて接しているからか
    はたまた橋詰のキャラが濃すぎるせいで霞んでるのか(爆)。

    読者に対して先に犯人が提示されているパターン。
    とはいってもいきなり犯行の場面ではない辺り、ちょっと変則的か。
    どちらにしても判ってる犯人を追いつめてく話運びは
    ついつい容疑者側に肩入れしてしまうので苦手なんだけど
    今回の犯人は肩入れしようがないくらい理解不能な人物像だったので
    それで何とか読了できたかな、という感じだった。
    肩入れできない=感情移入できない犯人像だったけど
    この人たちを『今どきの若いもん』で括るのは危険すぎる気がする。

    日向と真菜のふたりは、前作でいうと澤村と鬼塚の関係に似てると思う。
    そのふたりの決定的な違いが見えるのがおにぎりのくだり。
    ここでのふたりの感じ方の違いによって
    真菜は到底理解しえない人、という印象がより強固なものになったし
    日向はただ利用されただけの不憫な男に成り下がった。
    というか、病院での澤村はいい感じに傷を抉ったもんだと感心した。
    橋詰をして『精神的な拷問』と言わしめるなんて相当なものだろう。
    真菜がどうなったのか、はっきりと書かれてはいなかったけれど
    最終的には橋詰が言ったとおりになった、ということだよね???
    読後感が薄ら寒いのは最期の地が冬の新潟だったから、というわけでもあるまい。

    本筋とは全く関係ないんだけど
    聞き込みの過程で出てきた井沢真菜の元旦那の名前を見た途端噴いた(爆)。
    『蘆田浩司』って。てことは真菜の結婚してた当時の名前が(笑)。
    絶対わざとだこれ。
    『解』に出てくる『鷹西仁』といい、堂場先生たまにやらかしてくれます(笑)。

  • ベンツで逃げるのは、目立つっちゃあ目立つ。でも、日向は成功の証として乗り続けたかったのか。真菜は、どうした?どこかで普通に生活してるかもよ。

  • 男女2人の家族に対する感情がやけにリアルでそこに1番興味を惹かれた。
    大きなどんでん返しがあるわけでもないけど刑事一人一人のキャラクターがしっかりしててそこはドラマを見る感覚で読める。
    サスペンスを読むというよりは犯罪者の心理を垣間見るような一冊。

  • いやいやいくらカッとなったからって……。
    同郷とか何かしら共通点があったら同類という気分になってしまうものかも。

  • 「逸脱」に続く最高の刑事を目指す澤村刑事シリーズ第2弾。
    書き下ろし。

    振り込め詐欺を働き、仲間を殺した日向毅郎と同じく殺人を犯してしまった井沢真菜の逃亡劇。

    二人は高校の同級生だったが、学生時代はお互いが孤立し、自分を特別な存在だと思っていた。

    そんな二人が故郷で偶然出会い、お互いの罪を暴露し、逃亡へ。

    その二人を最高の刑事を目指す澤村がどこまでも追いかける。


    常識では考えられない二人の考え方が起こした犯罪と逃避行ですが、全然、二人の異常性や価値観の違いなどの描写が弱かったかなと。

    オチもなく、そのまま予想通りの終わり。

    次作に期待します。

  • このシリーズの前作が良かった分、より味気なく感じてしまった。

    犯人を追い詰めるシーンもキリキリした緊迫感が足りず、
    犯人の逃走もありきたりだが現実味を感じにくい展開。
    今回は誰かの必死に寄り添っていなかったからか、誰にも感情移入ができず、物語の最後も呆気なく、消化不良で読了。
    もう少し犯人の心情、生い立ちを掘り下げて欲しかった。

  •  犯人たちの人物造形が全て。やや極端な感じ。
     逆に、県警メンバーは、前作ほどには活き活きとしていない。

  • 前作よりも読みやすかったかな。真菜は哀れっちゃ哀れ。
    橋詰ではないけれど、美人で賢いのに何で堕ちていったかねえ・・・。
    一番かわいそうなのは子供・・・(泣)。。

  • シリーズものと知らずに読んだので、ちょっとわかりにくいところもあったけど、なかなか面白かった。

    犯人たちには全然感情移入できなかったし、イライラもした。
    終わり方も「うーん・・・」と思わなくもなかったけど。

全34件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

堂場瞬一(どうば しゅんいち)
1963年茨城県生まれ。2000年、『8年』で第13回小説すばる新人賞受賞。警察小説、スポーツ小説など多彩なジャンルで意欲的に作品を発表し続けている。著書に「刑事・鳴沢了」「警視庁失踪課・高城賢吾」「警視庁追跡捜査係」「アナザーフェイス」「刑事の挑戦・一之瀬拓真」「捜査一課・澤村慶司」「ラストライン」「警視庁犯罪被害者支援課」などのシリーズ作品のほか、『八月からの手紙』『傷』『誤断』『黄金の時』『Killers』『社長室の冬』『バビロンの秘文字』(上・下)『犬の報酬』『絶望の歌を唄え』『砂の家』『ネタ元』『動乱の刑事』『宴の前』『帰還』『凍結捜査』『決断の刻』『チーム3』『空の声』『ダブル・トライ』など多数。

「2023年 『ラットトラップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

堂場瞬一の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×