メキト・ベス漂流記 最後の旅 (カドカワ銀のさじシリーズ)

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  • 本 ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041101001

作品紹介・あらすじ

スペシダレル伯爵率いる『黒の旗艦』ごと百年後の世界に来てしまったエマとナオ。少年となったメキト・ベスは元の世界へと彼らを戻すため、『王の文書』を手に入れようとする。一行は王の元へ向かうことに!!

感想・レビュー・書評

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  • 最後の終わり方は、定番といえば定番だけど、これでいいのだろうと思う。20年というのは絶妙(笑)

  • (No.12-41) ファンタジー児童書です。シリーズ2「王族の力」と3「最後の旅」をまとめて書きます。

    「王族の力」の紹介を表紙裏から転載。
    『謎めいた青年の姿から、美しい女性に変化したメキト・ベス。
    少女エマと少年ナオと一緒にベヌルン島に身を寄せるも、王族と同じ痣を持つメキト・ベスは未来を変える鍵を握っていた。
    ベスを守るエマとナオも、彼女の引き起こした、世界を揺るがす大波に巻き込まれていく。』

    「最後の旅」の紹介を表紙裏から転載。
    『スペシダレル伯爵率いる黒の旗艦ごと百年後の世界に来てしまったエマとナオ。
    少年となったメキト・ベスは元の世界へと彼らを戻すため、「王の文書」を手に入れようとするが・・・。

    お前がいないと俺たちが何も出来ないってわけじゃない。お前こそ、俺たちがいないとダメなんだ。

    世界を守るのは、何の力も持たなかった少年少女。大海原の歴史を変える、感動の完結編。』

    2を読んでた時、主人公たち(メキト、エマ、ナオ)が皆流されるばかりのような気がしました。
    1でもそうでしたがメキトの視点がないので、メキトが何を考えているのかそもそも何者なのか全く分からず、だんだんいらいらしてしまいました。
    ナオは自分の意思で島を出たのですが、エマは出されてしまっただけなので、流されるだけでもかまわないのかとか思ってしまいました。でも流されつつもエマは何かにつかまっていたかったのかな。それがメキトだったのかもしれません。
    2のラストでメキトが何者なのかが分かった時、それを聞いていたエマと同じく私も、あまりに辛い生涯に衝撃を受けました。

    2と3が同時発売で良かった!ここで切られたんではたまりません。
    2はたらたら読んでいたのに、すぐに3を読み始めました。

    エマが生まれ故郷のダルキース島を出されてしまったのは、島が貧しかったから。だからいつか島を豊かにして、自分のような子がいないようにしたいと思うようになりました。メキトも王のフェイのため世界が貧しくなったことを止めようとしています。二人の望みは世界を豊かにしようという点で同じだと思っていたのに・・・。

    ものすごく皮肉なことに、百年後に来てみれば王のフェイのため世界全体は貧しくなっていましたが、かつて辺境で貧しかったダルキース島は逆に栄えていました。辺境が中心に変わっていたのです。
    しかも島ではかつて駆け落ちしたエマという少女がいたと語り伝えられていたのです。出たくて出たんじゃない!せめて出された理由が伝えられ、島がかつては貧しかったと皆に覚えておいてほしかったのに・・・。
    そのロマンチックな言い伝えに影響され、家出をしようとする少女。彼女に自分を重ねて協力したら、ほんのちょっとエマの仕事をやらされただけで、こんなに大変なら島にいたほうがましと翻意。その程度の覚悟だったのかとエマは悲しくなりました。
    貧しいダルキース島のために何かしたいと思っていたのに、エマと関係なく豊かになったダルキース島は本当のことを覚えていてくれませんでした。

    なぜ世界のことを考えなくてはいけないの?こんなことなら自分だけの幸せを願ってもいいんじゃないの?何かを失ってしまったエマを見ているのは辛かったです。
    残された力をメキトはエマとナオの望みをかなえることに使うと言い出します。自分は何をしたいのか?何をすべきなのか?自分達の幸せだけを願えばメキトはそれをかなえようとしてくれるでしょう。

    その後に襲ってきた怒涛の展開の中、充分に考える時間もなく波に翻弄されながら選んだ道・・・・。

    結構重い話でしたが、読み終わった時しみじみとした感動がありました。読んで良かったです。

  • 2012/03/07:1巻で張られた謎が徐々に明らかになり、2巻3巻一気読みしてしまいました。

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著者プロフィール

兵庫県生まれ。元漫画家で、眼底出血により小説家に転向。漫画作品として『京劇的無頼繚乱』(宙出版)他。2003年に小説家デビュー。代表作として「暁と黄昏の狭間」シリーズ(徳間書店)『石霊と氷姫』(幻冬舎コミックス)がある。

「2012年 『メキト・ベス漂流記 最後の旅』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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