脳のなかの天使

  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (451ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041101049

感想・レビュー・書評

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  • レビューはブログにて
    http://ameblo.jp/w92-3/entry-11575691437.html

  • 人間の脳の進化は短期間に急速に起きた。言語や文化には、ミラーニューロンの存在が大きく関わっている。自閉症はミラーニューロンの異常。

    理解が進むと、脳のシステムに人間が関与できるようになって、能力を高められるようになるのだろう。福音か悪夢か。

  • A neuroscientist's quest for what makes us human. という英語の副題が本の内容。著者は神経病理学者で、動物実験やノックアウトマウスをできない対象である人間の脳を脳卒中などで脳を損傷した患者を研究することで少しずつ脳の各部位の機能を明らかにし、統合された人間の意識というものに迫ろうとしていく。
    外界と自己は様々な経路で脳を通じて結びついており、脳の機能障害で自閉症などの様々な障害が生まれる。例えば四股切断願望症候群では、脳にマッピングされた四股のイメージが崩れた患者は、実際の手や足に違和感を感じ切り落とすところまで言ってしまう、母親の顔を見ても理解はできるが、感情的には違和感を感じ母親ではないと言うなど。また、視覚をとっても複数の経路が有り、見るという意識を持たなくても見えていたり、前頭葉損傷で人間の性格が変わってしまったり、脳の各分野での情報が統合されて一人の人間の意識が出来上がるということが浮き彫りにされる。

  • 著者のアイデアや示唆が満載の本です。著者のフィールドである幻肢痛や共感覚などを入り口に、様々な脳のメカニズムについての見解が記載されています。最後は難しい問題である自己についての研究の糸口のようなものを述べていると思います。不思議な神経疾患・精神疾患・脳損傷の症状から自己意識などのメカニズムにせまろうとする姿は非常に参考になります。またいろいろなアイデアが満載であり、それらを土台に研究することで、新たな知見が得られそうです。
    個人的にはメタファーの部分が興味深かったです。ジュリエットは太陽だ、のような表現は、様々な感覚(視覚・聴覚・触覚など)が統合される角回周辺がかかわり、例えば、ことわざような比ゆ的表現の理解が角回の損傷で障害されるそうで、僕が今まで理解してきたことと少し違いました。いろいろ参考になり面白かったです。ただし表現が難しいので、基礎知識がないヒトにはかなり難解かもしれません。

  • 脳の中の天使

  • 脳のなかの幽霊の続編。それぞれの症例とそれに対する実験、推論を読んで、博物学的な興味を満たすのが私のラマチャンドランに対する期待で、それは満足。入れ物としての脳とその中身みたいな議論してもしかたがないよねとか、そういった部分が読んでいて一番盛り上がったかな。
    しかし脳の各部分の名称ってさあ、ウェルニッケ野とか、V4とか、もうちょっとばかしネーミングルールを整理した方がよいんじゃあないかって気がする。クォークとか量子論みたくキャッチーにして逆にわけがわからなくなるよりはいいような気もするけど、特に日本語だと漢字とかアルファベットとかカタカナとかそれらの混在とかもうひどい。中心的な学会とかがないんだろうね。それか機能していないか。というような全く本とは関係のない感想。最終章とかは現在進行形のメモの羅列になってて、そういった形でしめくくるのがすげえなと思った。編集者はあれでよかったのかな。脳の中の幽霊ふたたびでちょっと評判落としておそるおそるやってる感じとかを読み取った。これはミラーニューロンのなせる業か。

  • 第3章の共感覚についてのところが読みたい。つまみ読みした感じでは、とても簡単な実験で、共感覚は存在する可能性について示しているような。
    翻訳本だけれど、引き込まれる。読みやすそう。

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