- Amazon.co.jp ・本 (451ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041101049
感想・レビュー・書評
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おそらく専門書の何倍も読みやすいに違いない。
だけど、脳神経に素人で頭のよくない私には、少し難しかったのが正直なところ。
驚きの連続でへえ〜って心の中で常に思うことばかりだれど、特に興味がわいたのは、なぜ人は抽象画を好むようになるのかの章。なるほど!そこにアハ!を感じる訳か、とひとり合点がいった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
自分の専門以外の部分は一回読んだだけでは、全然分からなかった。
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「脳のなかの幽霊」「脳のなかの幽霊、ふたたび」の
作者による新刊。基本的な態度や方向性は前2著と同じ
で、興味深く面白い内容ではあったのだが、今回は研究
の端緒の紹介というか、これからの研究のための叩き台
を紹介するといった趣が強く、専門用語がかなり出て
くることもあり、やや残念な印象かな。
まだまだこれから進展して行くであろう脳神経科学、
そして意識の問題についての読書の最後を締めるには
ちょうどいい本だったかも知れない。また数年後に
漁ってみることにしよう。 -
トピックが幻肢、錯視、共感覚、ミラーニューロンと来るので、出す時期を間違えて鮮度が落ちた書籍かと思ってしまうが、所々に新たな知見がちりばめられていて油断ができない。
全体的には驚きは少なく、脳科学の発展が倫理や技術的なブレイクスルーに縛られて遅々としている様が伺える。
写実よりも大きな情動を与える表現形式があり、それが芸術である。笑いは、危険の予想による警報が間違いだった場合の仲間への情報伝達。 -
幻肢をはじめとする脳に関する奇妙な現象については、前著の「脳の中の幽霊」で知り、大いに驚くとともに、知能というものに対しての認識を改めた。本書においても、様々な奇妙な現象が取り上げられており、それぞれについて、人類が進化の結果たどりついた独特の存在であることの例証であることが説明される。脳科学の本を読むと、人間の知能というものが不思議で複雑であることを思い知らされる。累積進化の結果、思いがけず文化を持つに至り自己というものを発見した人類の歴史を思うと、人工知能の実現の困難さを改めて感じてしまう。
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人間の脳の進化は短期間に急速に起きた。言語や文化には、ミラーニューロンの存在が大きく関わっている。自閉症はミラーニューロンの異常。
理解が進むと、脳のシステムに人間が関与できるようになって、能力を高められるようになるのだろう。福音か悪夢か。 -
脳のなかの幽霊の続編。それぞれの症例とそれに対する実験、推論を読んで、博物学的な興味を満たすのが私のラマチャンドランに対する期待で、それは満足。入れ物としての脳とその中身みたいな議論してもしかたがないよねとか、そういった部分が読んでいて一番盛り上がったかな。
しかし脳の各部分の名称ってさあ、ウェルニッケ野とか、V4とか、もうちょっとばかしネーミングルールを整理した方がよいんじゃあないかって気がする。クォークとか量子論みたくキャッチーにして逆にわけがわからなくなるよりはいいような気もするけど、特に日本語だと漢字とかアルファベットとかカタカナとかそれらの混在とかもうひどい。中心的な学会とかがないんだろうね。それか機能していないか。というような全く本とは関係のない感想。最終章とかは現在進行形のメモの羅列になってて、そういった形でしめくくるのがすげえなと思った。編集者はあれでよかったのかな。脳の中の幽霊ふたたびでちょっと評判落としておそるおそるやってる感じとかを読み取った。これはミラーニューロンのなせる業か。