- 本 ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041101094
作品紹介・あらすじ
語りきれない苦しみを抱えて、人はどう生きていけばいい? 阪神大震災を機に当事者の声を聴く臨床哲学を提唱した著者が、東日本大震災から一年を経て、心を復興し、命を支える「人生の語りなおし」の重要性を説く。
感想・レビュー・書評
-
鷲田さんの本何冊か読んでるけど、ですます調で書いてあるの初めてな気がする。
それだけ慎重に言葉を選んで書いてるんでしょうね。
鷲田さんの専門や難しい話は一切なく、読みやすい。
「いつでもさりげなく時間を空けられる関係」
「絶対になければならないもの、あったらいいけどなくてもいいもの、端的になくていいもの、あってはならないことの見分けられることが教養」
「言葉は心の繊維」
「言葉の意味ではなくて言葉の感触。その背後にあるじかんをくれているということ。そのなかに、話された内容とは無関係に人をケアし、支える真実があると思います。」
「ケアの現場は、ケアの゜小さなかけら゜が編みこまれたもの」
「言葉の根っことは、体のうねり、うごめきのことにほかならないのですか、そこに希望の最後の小さなかけらがあるように思います。」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
311に関する哲学エッセイ。 #朝ドラおむすび で描きたい事がよくわかる内容で腑に落ちる。震災による喪失は実際に体験してみないと、わからない部分が多いのだろうけど。
-
f.2012/2/23
p.2012/2/15 -
231124-3-3
-
震災経験を経た人たちの傷みを、聴くということで、癒していく
いつか来る瞬間が来た時に、納得することができたらそれで良い -
哲学
-
「臨床哲学」を提唱する著者が、震災以後の問題について論じた本です。
ところどころに著者らしい繊細な精神のきらめきが見られますが、意外にも紋切り型の意見が多く目につくように感じました。とりわけコミュニティの崩壊について論じている個所は、少なくとも表面的には、保守派の懐旧と重なってしまいます。
確かに、「語りきれないこと」というタイトルが表わしている問題は、どこまでも重く受けとられるべきでしょう。著者自身、震災からの復興のプランを声高に語るメディアや評論家を批判しながら、みずからの言葉が「語ることができない者に代わって語る」という身振りを反復していることを自覚していないはずはないと思います。それでも、現在の日本の哲学者の中では例外といえるほど細やかなことば使いと繊細な知性を示している著者にしては、ややことばが「鈍い」のではないかという印象を拭えませんでした。 -
二つの大震災のショックと痛みを再体験しているなかで出会った本。「語り直し」という言葉は、深く傷みを受けた自分を見つめなおしそれを認め、改めて作り直すことでもあると思う。「語り直し」のプロセスには伴走者が必要であるという。それこそ主ご自身で、神の家族としての私たちなのであろう。(小平恵氏)
-
「時間をあげる」という箇所が一番印象に残った。時間をあげるのが苦痛な時、面倒なとき、日常の中で思い出したい。
-
2013.5.1
著者プロフィール
鷲田清一の作品





