マツリカ・マジョルカ

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041101155

作品紹介・あらすじ

柴山祐希。学校に居場所を見つけられず、友だちもなく、冴えない学園生活をやり過ごす高校1年生。そんな彼の毎日が、学校近くの廃墟に住む女子高生マツリカとの出会いで一変した。「柴犬」と呼ばれパシリ扱いされる憤りと、クールな色香に昂る男子的モヤモヤ感との狭間で揺れながら、学園の謎を解明するために奔走する祐希。そうして彼の中で何かが変わり始めたとき、自らの秘密も明らかになる出来事が起こり?やみつき必至!学園ミステリ連作。

感想・レビュー・書評

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  • 2020/11/04読了
    #相沢沙呼作品

    マツリカシリーズ第一弾。
    クラスに溶け込めない主人公が
    廃墟で出会ったサディスティックな
    魔女風の美少女にパシられながらも
    居場所を求める。
    日常の謎解きミステリ。面白い。

  • あははは(笑)
    誰が言ったか
    『太ももミステリー』とは言い得て妙(笑)

    期待の若手ミステリー作家との触れ込みに期待して読んだけど、
    はっきり言って
    ミステリー要素はかなり薄めです。

    がしかーし!
    魅力的なキャラのおかげで
    なんやかんや最後まで引き込まれました(笑)


    主人公はシスコンで気弱で
    自分に自信がない
    高校一年生の柴山祐希(柴犬)。

    腰までまっすぐに伸びた黒髪と
    死体みたいに白い肌、
    冷たく落ち着いた黒い瞳に
    艶やかで蠱惑的な唇が印象的な、
    廃ビルに住む、まるで魔女のような謎の女子高生マツリカさん。

    学校には行かず
    一日中双眼鏡や望遠鏡で校舎を観察する
    謎の少女マツリカさん。

    ひょんなことで入った廃ビルの中で
    マツリカさんと出会った柴山くんは
    彼女の悪魔的な魅力に惹かれ、
    (おもに太もも笑)

    彼女のワガママな無理難題に応えるべく
    西へ東へ奔走することに…。


    夕方の旧校舎裏に現れ
    雄叫びを上げながら全力疾走して消えてゆく原始人と
    校舎裏に供えられたカサブランカの花束の謎を調査する
    『原始人ランナウェイ』、

    肝試し会場で聞こえた
    聞こえるハズのない女の子のすすり泣きと
    隻眼の女の子の霊の謎に挑む
    『幽鬼的テレスコープ』、

    文化祭当日に消えたアリスの衣装の謎を探るべく
    柴犬が走る走る
    『いたずらディスガイズ』、

    卒業アルバムから切り抜かれた
    柴山くんの姉の写真の謎と
    そこに隠された真実が胸を打つ
    『さよならメランコリア』

    以上4編の連作短編。


    物語はすべて
    マツリカさんが指示する
    ミッションをコンプリートすれば手にできるご褒美(二人きりの勉強会やマツリカさんが使ったリップなど)に目が眩んだ柴山くんが
    イヤイヤながらも
    学校内で聞き込みを開始し、
    学校の怪談の真実に迫っていくという 
    日常の謎系学園ミステリーとなってます。


    ヘタレで学校内に居場所のない柴山くんの
    ネガティブ思考な語りや
    執拗に繰り返される太もも描写には正直苦笑いしてしまったけど(笑)、

    ラノベ風味で漫画チックな設定と
    POPで軽快でいて
    どこか切ない語り口は
    乙一を思わせて捨てがたいものがあります。

    そして、ラブコメ風な構成を隠れ蓑として
    少年の成長をしっかりと描いているところも好感度大。

    少年が大人になるには
    通過儀礼としての年上の女性の存在が不可欠なんだろうな。
    (実際自分もそうでした笑)

    大事なことは
    不安定な心を持て余す少年期に
    誰と出会い、何を学ぶのか。

    柴山くんは一風変わった少女と出会い、 
    自立し、自足する心、
    一人であっても孤独ではない心持ちを学んでいく。

    そう、
    『銀河鉄道999』の鉄郎や
    『僕は勉強ができない』の秀美くんや
    『ペンギン・ハイウェイ』のアオヤマくんのように。


    けど、個人的には
    赤いフレームのメガネにショートカットがトレードマークの
    カメラ好きなクラスメート、
    小西さんがいい味出してるし、
    柴山くんには
    彼女とくっついて欲しいなぁ~(笑)
    (謎だらけのマツリカさんの正体と共に続編の展開に期待!)

  • 内気で口下手なういちゃんより、マツリカお姉様の方がサクサクテンポよく読めるし、安心安定感もある。学園ミステリーは人が死なないコージーミステリーでいいかな。
    姉さんのくだりは、予想的中。割とわかりやすい伏線だけど、表面で終わってしまったので、次作でマツリカさん絡めつつ、もっと深掘りするのかな?

  • マツリカって、茉莉花???


    いちばん大きな謎が謎のまま終わってしまった印象。
    一方でいくつかの解けた謎にはいっぱい棘がついていた、というか。
    解かない方が幸せな謎もあるんだなって思った。

    一見謎めいた美少女とヘタレ草食男子、という組み合わせ。
    ひとことでいっちゃうと酉乃初シリーズと被る感じがするけど
    決定的に違うところがふたつ。
    マツリカさんはツンツンだけどデレてないところ。
    そして、柴犬こと柴山祐希くんは態度はともかく脳内は決して草食じゃないところ。
    柴山くんの葛藤、他者との関わり方、自己評価の低さは傍から見るとウザいレベル。
    みんなが自分を嗤っていると勘ぐってしまう辺りは痛々しさすら感じる。
    最後の最後に吐き出せたのはよかったような気もするけど
    なんとなくまだまだ足りないように見えるのは何故だろう。

    なんていうか、この物語の中には幸せなひとがひとりも居ないような。
    その中でブレイクであり救いとなるのが
    柴山くんがマツリカさんに感じる艶めかしさとドキドキ感だけ、のように見えた。

    萌えの中に痛みを内包した物語、とでも言おうか。
    あまり元気じゃないときに読むとマイナス方向に引きずられるかも。

  • 冴えない柴山は、廃墟ビルに住む美人で聡明なマツリカと出会う。学園の謎を解く為、彼女にこき使われながら奔走する。

  • ミステリーかと思いきや、青春小説だな。

  • 再読、ですが感想を書くのは初回。82点。
    **
    柴山祐希は夏のある日、廃ビルの上階の窓辺に腰掛けていた不思議な魅力を持つ女子高生マツリカと遭遇する。
    彼女から放課後校庭に現れる原始人や文化祭に出没する恐怖ゴキブリ男の噂を調査するように命じられて、、、
    そんなやり取りを通して少しずつ彼女と接していく。
    4編収録の連作短編集
    **

    相沢沙呼3作目、酉乃初シリーズ以外の初の連作短編集、マツリカと名乗る不思議な少女の魅力満載の小説。
    正直なところ前の2冊はミステリとして見た場合上手く連作短編集として仕上げられていると感じましたが本作はその部分が非常に弱いと感じてしまいました。
    基本的にはマツリカさん、それと柴山のクラスメイトの小西さんのフェティシズム溢れる描写を楽しむ小説だと思います。

    最初の短編の「原始人ランナウェイ」は学校の怪談、噂話が出来上がる過程を上手く解き明かす点で舞台設定とマッチした良い短編だと思いますが他の短編はそこからやや外れて行ったのが少し残念。

    最後の短編も連作短編集として、それまでの短編に真相の伏線は張られていましたがこのタイプならもっと存在感が欲しいところ。
    また『午前零時のサンドリヨン』と比較するとドラマ性に大きく欠けるのも残念な部分ではないかと思います。
    殺人事件、それも密室殺人や首切り殺人をミステリの華を喩えられるのに対して、日常の謎は地味だと言われる、言われてしまうのが身に染みる作品だとも言えるでしょう。

  • 2011年日本推理作家協会賞(短編部門)候補作になったという『原始人ランナウェイ』を読みたくて本を手に取る。

    「姉さん、大変です。僕は今、原始人を捜しています」

    いまひとつ学校になじめない高一男子柴山は、雑居ビルの屋上から飛び降りようとしている同じ学校の女子生徒を見かけ、おもわず助けに向かう。その女子生徒は『マツリカ』と名乗り、この廃ビルに棲んでいるという。かくしてシスコンでMっ気がある『柴犬』柴山は、マツリカに無理難題を押し付けられ、こき使われることとなるのだが...

    青春ミステリというよりは、ミステリ風味のジュヴナイルといったほうがよいのか。積極的な謎解きよりも、思わぬ真相が明かされるといった要素の方が強い気がする。

    収録作『原始人ランナウェイ』は、タイトルの語感の能天気さからは想像できない真相で、学生生活の残酷な側面を見せつけられた。全体的に『青春の苦さ』を超えた痛ましい話が多い。

    主人公柴山がちょっと卑屈過ぎるとも思ったが、そこがこのミステリの主題だったのかもしれない。マツリカの描写も、いわゆる『萌え』や『エロ』が少々あざといと感じたが、それも柴山の目を通した姿だと思えば理解できる。

  • 相沢沙呼っぽい本だった。今回は太股フェチ系なんだね。ちょっと情けない高校生男子と美人の組み合わせ。鉄板設定ですか?
    この本自体はサクサク読めて楽しいけど、なんで廃ビルにいるの?とか、とにかく、もろもろ謎解けてないじゃん。個人的にはトイレどうしてんだ?とか、実はポチが帰ると全部にオートメーションでシャッターおりて普通に電気使えるとか?想像しちゃったよ。

  • マツリカさんの艶めかしさや華やかさにしっとりとした雰囲気に説得力を感じる描写や尊大でありながら憎めないといったキャラクター性が良かったのとさくさくと読み進められる展開が良かった。

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著者プロフィール

1983年埼玉県生まれ。2009年『午前零時のサンドリヨン』で第19回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。繊細な筆致で、登場人物たちの心情を描き、ミステリ、青春小説、ライトノベルなど、ジャンルをまたいだ活躍を見せている。『小説の神様』(講談社タイガ)は、読書家たちの心を震わせる青春小説として絶大な支持を受け、実写映画化された。本作で第20回本格ミステリ大賞受賞、「このミステリーがすごい!」2020年版国内編第1位、「本格ミステリ・ベスト10」2020年版国内ランキング第1位、「2019年ベストブック」(Apple Books)2019ベストミステリー、2019年「SRの会ミステリーベスト10」第1位、の5冠を獲得。さらに2020年本屋大賞ノミネート、第41回吉川英治文学新人賞候補となった。本作の続編となる『invert 城塚翡翠倒叙集』(講談社)も発売中。

「2022年 『medium 霊媒探偵城塚翡翠(1)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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