- 本 ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041101155
作品紹介・あらすじ
柴山祐希、高校1年生。冴えない学園生活が、謎の美少女――マツリカと出会い一変した。パシリ扱いされる憤りと、男子的モヤモヤ感の狭間で揺れながら学園の謎を解明する。ビタースイートな青春ミステリ。
感想・レビュー・書評
-
2020/11/04読了
#相沢沙呼作品
マツリカシリーズ第一弾。
クラスに溶け込めない主人公が
廃墟で出会ったサディスティックな
魔女風の美少女にパシられながらも
居場所を求める。
日常の謎解きミステリ。面白い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
あははは(笑)
誰が言ったか
『太ももミステリー』とは言い得て妙(笑)
期待の若手ミステリー作家との触れ込みに期待して読んだけど、
はっきり言って
ミステリー要素はかなり薄めです。
がしかーし!
魅力的なキャラのおかげで
なんやかんや最後まで引き込まれました(笑)
主人公はシスコンで気弱で
自分に自信がない
高校一年生の柴山祐希(柴犬)。
腰までまっすぐに伸びた黒髪と
死体みたいに白い肌、
冷たく落ち着いた黒い瞳に
艶やかで蠱惑的な唇が印象的な、
廃ビルに住む、まるで魔女のような謎の女子高生マツリカさん。
学校には行かず
一日中双眼鏡や望遠鏡で校舎を観察する
謎の少女マツリカさん。
ひょんなことで入った廃ビルの中で
マツリカさんと出会った柴山くんは
彼女の悪魔的な魅力に惹かれ、
(おもに太もも笑)
彼女のワガママな無理難題に応えるべく
西へ東へ奔走することに…。
夕方の旧校舎裏に現れ
雄叫びを上げながら全力疾走して消えてゆく原始人と
校舎裏に供えられたカサブランカの花束の謎を調査する
『原始人ランナウェイ』、
肝試し会場で聞こえた
聞こえるハズのない女の子のすすり泣きと
隻眼の女の子の霊の謎に挑む
『幽鬼的テレスコープ』、
文化祭当日に消えたアリスの衣装の謎を探るべく
柴犬が走る走る
『いたずらディスガイズ』、
卒業アルバムから切り抜かれた
柴山くんの姉の写真の謎と
そこに隠された真実が胸を打つ
『さよならメランコリア』
以上4編の連作短編。
物語はすべて
マツリカさんが指示する
ミッションをコンプリートすれば手にできるご褒美(二人きりの勉強会やマツリカさんが使ったリップなど)に目が眩んだ柴山くんが
イヤイヤながらも
学校内で聞き込みを開始し、
学校の怪談の真実に迫っていくという
日常の謎系学園ミステリーとなってます。
ヘタレで学校内に居場所のない柴山くんの
ネガティブ思考な語りや
執拗に繰り返される太もも描写には正直苦笑いしてしまったけど(笑)、
ラノベ風味で漫画チックな設定と
POPで軽快でいて
どこか切ない語り口は
乙一を思わせて捨てがたいものがあります。
そして、ラブコメ風な構成を隠れ蓑として
少年の成長をしっかりと描いているところも好感度大。
少年が大人になるには
通過儀礼としての年上の女性の存在が不可欠なんだろうな。
(実際自分もそうでした笑)
大事なことは
不安定な心を持て余す少年期に
誰と出会い、何を学ぶのか。
柴山くんは一風変わった少女と出会い、
自立し、自足する心、
一人であっても孤独ではない心持ちを学んでいく。
そう、
『銀河鉄道999』の鉄郎や
『僕は勉強ができない』の秀美くんや
『ペンギン・ハイウェイ』のアオヤマくんのように。
けど、個人的には
赤いフレームのメガネにショートカットがトレードマークの
カメラ好きなクラスメート、
小西さんがいい味出してるし、
柴山くんには
彼女とくっついて欲しいなぁ~(笑)
(謎だらけのマツリカさんの正体と共に続編の展開に期待!) -
はじめからマツリカさんが女王様凄くて柴山くんが可哀想…
読み進めるとそれにも慣れ、面白くなりました。
しかし日常の謎だけど、センシティブで切ない。 -
内気で口下手なういちゃんより、マツリカお姉様の方がサクサクテンポよく読めるし、安心安定感もある。学園ミステリーは人が死なないコージーミステリーでいいかな。
姉さんのくだりは、予想的中。割とわかりやすい伏線だけど、表面で終わってしまったので、次作でマツリカさん絡めつつ、もっと深掘りするのかな? -
ミステリーかと思いきや、青春小説だな。
-
再読、ですが感想を書くのは初回。82点。
**
柴山祐希は夏のある日、廃ビルの上階の窓辺に腰掛けていた不思議な魅力を持つ女子高生マツリカと遭遇する。
彼女から放課後校庭に現れる原始人や文化祭に出没する恐怖ゴキブリ男の噂を調査するように命じられて、、、
そんなやり取りを通して少しずつ彼女と接していく。
4編収録の連作短編集
**
相沢沙呼3作目、酉乃初シリーズ以外の初の連作短編集、マツリカと名乗る不思議な少女の魅力満載の小説。
正直なところ前の2冊はミステリとして見た場合上手く連作短編集として仕上げられていると感じましたが本作はその部分が非常に弱いと感じてしまいました。
基本的にはマツリカさん、それと柴山のクラスメイトの小西さんのフェティシズム溢れる描写を楽しむ小説だと思います。
最初の短編の「原始人ランナウェイ」は学校の怪談、噂話が出来上がる過程を上手く解き明かす点で舞台設定とマッチした良い短編だと思いますが他の短編はそこからやや外れて行ったのが少し残念。
最後の短編も連作短編集として、それまでの短編に真相の伏線は張られていましたがこのタイプならもっと存在感が欲しいところ。
また『午前零時のサンドリヨン』と比較するとドラマ性に大きく欠けるのも残念な部分ではないかと思います。
殺人事件、それも密室殺人や首切り殺人をミステリの華を喩えられるのに対して、日常の謎は地味だと言われる、言われてしまうのが身に染みる作品だとも言えるでしょう。 -
2011年日本推理作家協会賞(短編部門)候補作になったという『原始人ランナウェイ』を読みたくて本を手に取る。
「姉さん、大変です。僕は今、原始人を捜しています」
いまひとつ学校になじめない高一男子柴山は、雑居ビルの屋上から飛び降りようとしている同じ学校の女子生徒を見かけ、おもわず助けに向かう。その女子生徒は『マツリカ』と名乗り、この廃ビルに棲んでいるという。かくしてシスコンでMっ気がある『柴犬』柴山は、マツリカに無理難題を押し付けられ、こき使われることとなるのだが...
青春ミステリというよりは、ミステリ風味のジュヴナイルといったほうがよいのか。積極的な謎解きよりも、思わぬ真相が明かされるといった要素の方が強い気がする。
収録作『原始人ランナウェイ』は、タイトルの語感の能天気さからは想像できない真相で、学生生活の残酷な側面を見せつけられた。全体的に『青春の苦さ』を超えた痛ましい話が多い。
主人公柴山がちょっと卑屈過ぎるとも思ったが、そこがこのミステリの主題だったのかもしれない。マツリカの描写も、いわゆる『萌え』や『エロ』が少々あざといと感じたが、それも柴山の目を通した姿だと思えば理解できる。 -
とても魅惑的で、
2人の関係や主人公の気持ちが少しずつ変化していくんのが楽しめる(´∀')
たまにドキドキするシーンがあってそこもまたいい( ` -´ )bイイネッ✨
著者プロフィール
相沢沙呼の作品





