約束の森

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
3.81
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本棚登録 : 238
感想 : 60
  • Amazon.co.jp ・本 (407ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041101209

作品紹介・あらすじ

警視庁公安部に属していた奥野侑也は、妻を殺人事件で亡くし、退職を決めた。以降、人知れず孤独に暮らしていたが、かつての上司から北の寂れた土地でモウテルの管理人を務めてほしいと依頼され、任地に向かう。そこで待っていたのは、見知らぬ若い男女と傷ついた一匹の番犬だった…。

感想・レビュー・書評

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  • いろいろな機関や人間関係がごちゃごちゃしていてわかりづらかった。マクナイトはカッコよかった。

  • 沢木作品、「償いの椅子」に続いて2作目。

    面白かった。先の作品と同様、ド派手なアクション付きのハードボイルドだが、家族に傷を持つ孤独な人間が集まって、擬似家族を演じさせられるうちに、ぎごちないながらも徐々に本物の家族のような絆を深めていく、というホームドラマとしての一面も楽しめる。いや、むしろそっちの方がメインの面白さ。人間の他にドーベルマンやら九官鳥やら、愛くるしい動物キャラが加わって、最後は大きな大団円。魅力的なキャラが多すぎてお腹いっぱい。敵は一体誰なのか、そこのところはちょっとややこしかったものの、最後まで楽しく読めた。

  • 主人公である、三つの事件の被害者のそれぞれのキャラの魅力もさることながら、傷ついた心と身体を持つマクナイト、ふみをそばで支え続けるオウムのどんちゃん、そして影の立役者赤城とダイナマイト、これでもかこれでもか!と愛すべき登場人物(動物?)が出てきてとにかく休まずに先へ先へとページをめくり続けてしまう。
    マクナイトと侑也の海辺でのシーンには心がじわじわと温まり、「戦闘」シーンでは「お願いお願いお願い」とつぶやき続ける。「お願い、もうやめて」と。
    読みながらこんなに心が激しく上下左右に揺すられる小説は初めてかもしれない!

    個人的には赤城がツボだったけど、意外と丹野も捨てがたい(笑)

  • 組織が大きく複雑で、最後まで侑也ファミリーの味方がどの組織かわからなかった。ただ丹野の「N」登場は格好良かったし悪者とは思えない。もちろん、侑也、隼人、マクナイトの活躍は素晴らしかった。

  • 犬はやっぱりいいなあ!

  • 仕掛け伏線と諸々満載だが、個々の要素うんぬんでは無くパッケージとして面白すぎる。これから先、何度もこの約束の森を訪れるであろう。

  • 面白かったです。気合いを入れて読むだけの厚さがあったのですが読み始めてみるとスルスルと読め最後はページをめくる手が止まりませんでした▫️初対面で家族を演じなくてはいけない3人と一匹の関係がいろいろな事で変わっていく姿はそれぞれの心の内も書かれており分かり易く読んでいて心地良かったです。しかし、3人に迫る者が何であるのか、周りの人間も果たして味方なのかが分からなくハラハラしました。最後にそれぞれ活躍する姿が格好良く誰も死ななくて本当に良かったです。(途中で、もしや隼人が!いや、赤城か!侑也か?マクナイトー!とドキドキ)マクナイトが格好良く短い尻尾を振る可愛さにきゅん。

  • 7月初旬、警視庁公安部の緒方は5年前まで公安部にいた奥野侑也に仕事を依頼した。極左集団‘N’を釣るため構成員の娘と思われる葉山ふみと護衛の隼人と親子を装い暮らし始めたモーターモウテルには繋がれたままのドーベルマン‘マクナイト’がいた−

    ◆こういう極左組織の話って都市伝説とかいいながら本当にありそうだよな-て毎回怖い&難しすぎる(焦)しかし全く他人の3人が、それぞれの目線で不安や不満を語ると、なるほどそれぞれの言い分ワカルワカル。それがただの不満じゃなくて3人の過去を語り結束していくのがいい。

    マクナイトも、ひどい目にあったのに人間不信にならずに本当に立派なソルジャーだった。あとは穏やかな余生を暮らしてほしいな。



    【ネタバレ】…とは言うものの。ふみちゃん、学校いったことなくても叔母さんの世話できてTV見て暮らして子供2人とちょっとは関わって施設にもいて更に施設から出て一人暮らしまでしたのに平仮名さえもって…。「隼人にメールできなかった訳」「ジジババが勉強、保護」に強引に持っていく感じだな-って思ったけど。

  • マグナイトは、本当に奇跡の犬かもしれない。少しばかり俺にだけ辛くあたり過ぎてねかい?なあ、神様。俺は警官、死ぬのも職務のうちだ。でも、ドーベルマンの頭はなでられない。

  • マクナイトが好きで、読んだんだけど、、、
    組織って、よくわかんない、今度は他のストーリーでマクナイト再登場してほしいなぁ〜

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著者プロフィール

1970年、岩手県花巻市生まれ。99年、『愛こそすべて、と愚か者は言った』で第三回新潮ミステリー倶楽部賞・高見浩特別賞を受賞。他の著書に『償いの椅子』『天国の扉』『ライオンの冬』などがある。

「2012年 『握りしめた欠片』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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