ナミヤ雑貨店の奇蹟

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
4.01
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本棚登録 : 9349
レビュー : 1464
  • Amazon.co.jp ・本 (385ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041101360

感想・レビュー・書評

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  •  東野圭吾はわりと好きな作家なので、できるだけ古い作品から年代順に追っかけて読んでいるのだけれど、何しろ数が多い。頑張って読んでいるつもりでももちろん他の本だって読むからなかなかはかどらず、その間にどんどん新刊が発売される。まさか読むよりも書く方が速いなんてことはないよな、と以前冗談に書いたことが冗談ではなくなっている。とにかくこういう分の悪いいたちごっこを続けているといつまでたっても話題の新刊を読めないので、ちょっとズルをして間を飛ばして読んだのが今回のこれ。読んでみればズルするほどのものでもなかったかなと思うけど。バチが当たったか(笑)。 
     東野圭吾っぽくない、と大して読んでいないぼくがいうのも何だけど、こういうのは宮部みゆきじゃないかなあやっぱり。ストーリーはよくできているし、3人組の泥棒が偶然廃屋に入り込んで超常現象に出くわすところから始まる初編から、一見独立した5つの物語がお互いに連関している構成もなかなかうまいと思う。キャッチコピーにある「心ふるわす物語」ほどのものかどうかはともかく及第点といっていいだろう。ただ、宮部みゆきならもっとうまく書くだろう、彼女に書いてほしかった、という感がぬぐえない。何が違うのか。一言でいうと文章力だ。宮部の文章のうまさはこのブログになる前のWebmaster日記時代から何度も何度も書いている。本当に感心するくらいうまい。それに比べられては東野圭吾といってもかすんでしまうのは仕方ないところだが、前にも書いたように彼の文章は時折練れていないというか書きっぱなしの雑なところがある。読んでいてほんの少しなんだけどざらつく感じが引っかかる。この人推敲が足りないんじゃないだろうか。売れっ子の多作家だから仕方ないのか。そんなことないよな。文章は作家の命だろうに。惜しいと思うな。

  • 心がほっこりするお話。

    悩み相談をする不思議な雑貨屋さんのお話だけど、ミステリーテイストも盛り込んでいて意外なストーリー展開だった。

    短編形式でいろんな相談が来るけれども、最後は結局話が繋がっていく、ある意味短編の王道パターン。だが飽きさせないのは東野圭吾さんの上手いところだと思う。

    安心して読める小説です。

  • 連作短編でクライム・ミステリーでファンタジーで、とくると伊坂幸太郎さんを連想しますが、なんと東野圭吾さんが書いたのが『ナミヤ雑貨店の奇蹟』。どちらかといえばサスペンスジャンルの得意なベストセラー作家と思っていた東野圭吾さん。ものすごく意外でした。
    作品も「時を越えるファンタジー」という大枠をお悩み相談で扱うこいうヒネリが面白い。連作短編の形で最後にストーリーをつなげる面白さを味わいました。

  • 昨日は定期試験最終日でした。
    放課後に図書室にやって来た女子生徒。
    「なんか、暇」と女子生徒
    「課題、できた?」と私
    「ううん。まだやけど」と女子生徒。

    試験が終わり、少しホッとしたのか少しゆっくりしたいのか。
    カウンターの前から動こうとしないので、
    「じゃあ、ちょっと手伝ってもらってもいい?」と聞くと
    「うん。何したらいい?」と言ってくれました。

    来週火曜日に行う『雑誌・付録差し上げます』という
    イベント(?)に向けての作業を手伝ってもらうことに。
    くじを作るのにカレンダーの数字を使うのを切り取ってくれたり、
    袋に数字を書いてくれたり、丁寧にしてくれました。
    すると、今度は向こうから
    「先生、厚紙ある?箱作ってあげる」とオレンジ色と緑色の厚紙で、折り紙の本を見ながらせっせと箱作りに励んでくれました。
    お手伝いを頼むと、プラスアルファのお手伝いをしてくれます。

    くじを入れる箱がティッシュの空き箱だったのを見ての
    彼女のサービスなのでしょう。
    ありがとう。

    では、
    東野圭吾著 「ナミヤ雑貨店の奇蹟」

    『とあるあばら家に潜り込んだ3人の若者が発見した、
    誰とも知れない人物の悩み相談の手紙。
    とりあえず返信してみると、またそれに返事が来て・・・。
    時空を超えた手紙のやり取りの行く末は。
    全ての時代の、全ての悩める人へ、東野圭吾が贈る奇跡の
    ファンタジー』

    悩める人を助けたいと思うのは優しさから。
    そして、ティッシュの空き箱をくじの箱に使おうとしている図書室のおばさんに、(それはちょっと・・・)と綺麗な箱を作ってくれた女子生徒の気持ちも優しさから。
    優しい気持ちは心の中を温かくしてくれます。

    分類 913/ヒ

  • 時代がいったりきたりするので、もう一回読まないとわからない部分もあるのですが、とても面白かったです。よくできた小説だと思います。

  • あらゆる悩みの相談に乗る、不思議な雑貨店。シャッターの郵便口に悩み事の手紙を入れて牛乳箱から回答を得る方法で一日だけ過去と現代がつながるファンタジー。三人の未来を知っているうえでの回答、雑貨店店主のどんな悩みでも真摯に受け止めたうえでの回答にどんどんひきこまれた。自分の夢か愛かの月のウサギ、ハーモニカの調べの魚やミュージシャン、家族か将来かのポールレノン、野心家の迷える子犬。すべてナミヤ雑貨店と児童養護施設「丸光園」につながっていく。白紙の回答を含めお見事。読後感ほのぼのでよかった。

  • 日経新聞等で、何度も何度も広告を目にして、
    そんなに推されたら、読むしかないじゃないか!
    文庫本派なのに、我慢しきれず買ってしまいました。

    文字通りの「奇蹟」の物語。
    「秘密」と同じ匂いがするかな。
    あり得ない現象から生まれる奇跡という点において。
    それでもって、凝り方でいうと「秘密」の方が衝撃的だった。
    東野作品は割と日にちをかけないと読めないものが多い中、
    ライトに、さくっと読めてしまった。「流星の絆」以来の感覚。
    ストレートな主張が前面に出ていて、
    構成にしても過去の現在が交錯していることが分かれば、
    後はある程度想定出来る、シンプルなものでしたから。

    でも、軽いといっても、内容は濃密でした。
    時空を超えている、という物語上の大嘘を忘れてみると、
    「秘密」以上の感動がじわーっと広がってきました。
    有川浩さんの「阪急電車」に似たものがあるのだけど。
    つまり、自分の行動が自分の知らないところで、
    誰かの役に立っていたり、
    誰かの次の行動を決定付けていたり、
    大胆な言い方をすれば、誰かの未来を変えていたり、
    するかもしれない、想像を超えた力を持っているということ。
    他人との関係が希薄になりがちだと言われる社会だからこそ、
    「阪急電車」と合わせて、こういう作品は必要だと思います。

    そして、もう一つのテーマは人生の「選択」「分岐」という点。
    個人的には第四章、「黙祷はビートルズで」に痺れました。
    何かを選ぶことは、同時に何かを捨てることになるわけで、
    その喪失感は時に、選択した物事以上に心に残って、
    哀愁、そんな調子でずっと居座り続けるものだと思う。
    それが、強烈に上手い具合に表現されている章だと思う。

    思うがままに綴ってきましたが、
    何しろ、この「奇蹟」を共有させて貰えて、
    東野さんに本当に感謝感謝、それに限ります。

  • (No.12-61) ミステリなのかな?

    時にがっかりすることもある東野作品ですが、出たらやっぱり読んでしまう。それは私にとってのヒット率が高いからです。100パーセントではなくても、かなりの高率で面白く読めるから。

    この作品は、時を跨ぐ不思議な出来事がおき、ちょっとずつ登場人物が絡み合いながら最後に全部がきれいに繋がる構成でした。こういうのは大好き。いくつもの出来事が、それぞれ感動的でした。

    なさけない男を書くのが大変上手い東野さん。主役の3人、翔太、敦也、幸平は、考えも浅く衝動的で、犯罪に手を染めてしまっても、まともにやることも出来ないというなさけない若者。その3人が一生懸命ない知恵を絞って人のために考える、という意外性がすごく良かったです。彼らの思いつく解決策が、普通の悩み相談の回答者などとはかなり違うのですが、真実を点いています。まあ時を跨いでいるので、かなりずるいところもありますが。
    そして一生懸命考えた経験は、最後には自分たちを救うことになったと思います。

    気持ちの良い読書が出来ました。読んで良かったです。

  • これは、新しい東野圭吾かもしれない。

    沢山では無いですが、東野さんの著書を好んでいます。しかし、今まで「ナミヤ雑貨店の奇跡」に似たものは無かったと記憶しています。あれば是非、教えて頂きたいです。

     少し驚いています。ミステリーじゃ無いし、SFでも無い。どちらかと言うとファンタジーかな?

     私の感想としては「こんな面白いの、文庫化されるまで待てないよ!」です。

    色々と書きたいのですが、あえて書かないレビューは以上!

    • ohsuiさん
      気になってきました、、!
      気になってきました、、!
      2012/05/22
  • 東野さんの新刊です。つくづくファンなんだなと思います。今回は今までにはないほど、ファンタジーなミステリーで、過去の科学的なミステリーとは一線を引く作品でした。著者も「一か八かの」と語っているように今までの作品にはないストーリーで、読者としても新鮮な世界観を楽しめました。

    作品のキーワードの1つを「手紙」だととらえれば、この本も1つの手紙です。そこからこの本も今の自分、新入社員である私に対するメッセージを捉えました。「今のあなたは白紙の状態です。何も恐れることはなく先に進むのみですよ」と。白紙の地図、まだ何も書かれていない、何も知らない状態が今の私だということです。

    イギリスの哲学者、アメリカの独立にも影響を及ぼしたジョン・ロックは「タブラ・ラサ(白紙)」という思想を展開しました。これは経験主義の見地から、生まれたての子供は何もかかれていないキャンバスを埋めるように知識を身に付け成長していくということですが、今の私は社会的に白紙の状態で、これに共通していると考えました。恐れることはないと、ただ先をみて進むのみ。

    本編のネタバレはしたくないいのでこのくらいしか書けないですが、今のタイミング、会社の新人研修が終わった日に読み終えたことは恵まれていたと思います。

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著者プロフィール

東野圭吾(ひがしの けいご)
1958年大阪市生野区生まれ。大阪府立大学工学部電気工学科卒。大学在学中はアーチェリー部主将を務める。1981年に日本電装株式会社(現デンソー)にエンジニアとして入社し、勤務の傍ら推理小説を執筆する。1985年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞し、小説家としてのキャリアをスタート。2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木三十五賞を受賞。2013年『夢幻花』では第26回柴田錬三郎賞を受賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞受賞。現在、直木三十五賞選考委員を務めている。代表作としてガリレオ・新参者シリーズに加え、映画化された『手紙』『ラプラスの魔女』。ほかにもテレビドラマ・映画化された作品が多い。2018-19年の作品では、『人魚の眠る家』、『マスカレード・ホテル』、『ダイイング・アイ』、そして今後の映画化作として玉森裕太、吉岡里帆、染谷将太らの共演作『パラレルワールド・ラブストーリー』(2019年5月31日映画公開)がある。なお、中国で『ナミヤ雑貨店の奇蹟-再生-』が舞台化・映画化され、映画はジャッキー・チェンが西田敏行と同じ雑貨店店主役で出演する。2019年7月5日、「令和」初の最新書き下ろし長編ミステリー『希望の糸』を刊行。

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