ナミヤ雑貨店の奇蹟

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
4.01
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本棚登録 : 9348
レビュー : 1464
  • Amazon.co.jp ・本 (385ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041101360

作品紹介・あらすじ

あらゆる悩みの相談に乗る、不思議な雑貨店。しかしその正体は……。
物語が完結するとき、人知を超えた真実が明らかになる。
すべての人に捧げる、心ふるわす物語。

感想・レビュー・書評

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  • 店じまいした古い雑貨屋に、コソ泥3人組が忍び込んだ夜。
    どういうわけか店のポストに悩み相談の手紙が届き、過去と未来が繋がって。。。
    奇蹟のような一夜を、心から祝福したくなります。

    奇蹟の発端となったのが、ナミヤ雑貨店の「ナミヤ」を「ナヤミ」と
    読み違えた小学生からの可愛らしい悩み相談を
    店主の浪屋さんが受け流さず、親身になって答えてあげたこと。
    その一件をきっかけに、彼は数えきれないほどの悩み相談を受けることとなるのですが
    他愛のない相談から生死にかかわるような深刻な相談まで
    ひたすら丁寧に返事を書く、この浪屋さんが素晴らしい。
    生協の白石さんに、昭和の恥じらいと勤勉さをさらに加えたような。

    浪屋さんが、なんの見返りもないのに、時には夜を徹して返事をしたため
    相談者がその後、不幸になっていないか気を揉み
    自分の死後のことまで事細かに気を配ってくれたおかげで
    繋がるはずのなかった縁が繋がり、ある女性は未来に救われ
    自暴自棄になっていたコソ泥たちは、自分たちが変えた過去に救われるのです。

    平凡な日々の中で、その時その時、自分ができることに骨身を惜しまず
    丁寧に生きた、ただの雑貨屋の主が起こした美しい奇跡。
    素敵です。

    • だいさん
      >生協の白石さんに、昭和の恥じらいと勤勉さをさらに加えたような。

      これ、笑っていのかどうか?悩みます。
      >生協の白石さんに、昭和の恥じらいと勤勉さをさらに加えたような。

      これ、笑っていのかどうか?悩みます。
      2013/08/21
    • まろんさん
      だい▽さん☆

      あらまあ、だいさんを悩ませてしまいましたか!
      できましたら、誰もいないところで密やかに笑ってみてください♪
      私も、だいさんが...
      だい▽さん☆

      あらまあ、だいさんを悩ませてしまいましたか!
      できましたら、誰もいないところで密やかに笑ってみてください♪
      私も、だいさんがくふふ、と笑っている姿を想像して
      こっそりうれしがりたいと思います。
      2013/08/23
  • お店が閉まった後シャッターのポストに相談事を書いた手紙を入れると、翌朝店の裏の牛乳箱に返事の手紙が入っている。
    ナミヤ雑貨店の店主(ナミヤさん)が一所懸命考えて回答を書いてくれるのだ。

    1人では決意出来ないこと。
    とにかく誰かに聞いてほしいこと。
    自分の考えが間違っていないと確かめたいこと。

    身近な人には話せないことが、通りすがりの人には話せたりするけど、近所の雑貨店の人という距離も同じだろうと思う。
    しかも匿名で手紙を書いて、その手紙に真剣に答えてくれる人なんて滅多にいない。
    うらやましいなと思った。
    変なことを言ってはいけないとプレッシャーを感じながら出してくれた回答を受け取れること。
    そしてその後どうしただろう?と心配しつづけてもらっていること。
    そのどちらもとてもうらやましい。

    この物語の中にはナミヤさん以外にも回答者が登場していて、彼らの回答はナミヤさんとはかなり趣が違う。
    彼ら自身も自分の未来が見えない場所にいるから、相談者の境遇が恵まれた者の甘えに見えたりもする。
    苛立ちを表現してしまう場面もある。
    でも、ナミヤさんの回答の方が相談者にとって有益で、彼らの回答は役に立たないということではない。
    むしろ聞くのは誰でもいいんじゃないかとも思う。
    もちろん騙してやろうとか利用してやろうとか、悪意を持っている人に相談したらダメだけど。

    自分が悩んでいることを話して、人に意見も求める過程で自分がどこに引っかかっているかが見えてくる。
    もちろん相手にもそれは伝わる。
    それを踏まえて語られる相手の意見をはその引っかかりの結び目を別の視点で見せてくれる。
    きっとその視点が自分の凝り固まった視点とかけ離れていればいるだけよく見える。
    最初は反発してもいつか気付ける。
    自分が選んだ道も選ばなかった道もどちらも同じ道だったということに。

    物語の中では相談者が選んだ道が正解だったかのような書かれ方をされている箇所もあって、その道を選べたのはナミヤ雑貨店の回答のおかげと相談者は信じている。
    でも本当はナミヤさんが語っている通りで、大事なのは回答ではなくて本人の心がけなんだと思う。
    誰かの意見を聞いてその通りにしたとしても、それを行うのは自分。その道をどんなペースで歩くか、誰と歩くかを決めるのは自分なのだから。

    後悔しないために必要なことは、この道しか選べなかったと思うことなんじゃないかと思う。
    他の道もあったかもしれない、いや実際にあった。だから悩んだ。
    だけど私は徹底的に向き合って、結果としてこの道を選んだ。
    だからやっぱり私にはこの道しかなかったのだと。

    人が人に相談するのは正解が知りたいからじゃない。
    自分の気持ちが知りたいからなんだ。
    誰かにNOと言われても曲げられない気持ちを知りたいからなんだ。
    そう思った。

  • とてもいい感じでした!
    どなたにも、オススメできます~。
    この作者にしては珍しい?画期的ほのぼの系(変な表現ですが)
    といっても‥

    どんな悩みの相談にも乗るナミヤ雑貨店。
    その仕組みとは‥?
    ナミヤ雑貨店の主人・浪矢老人が、店名との洒落で始めた事だった。
    子供からの無邪気で調子のいい相談が多かったのだが。

    ある夜、金を盗んで逃走中の若者3人組が、廃屋に逃げ込む。
    雑貨店だったらしい建物の中には、40年も前の雑誌などがあった。
    郵便受けに「初めて相談します」という手紙が投げ込まれ、面白半分に返事を書いて牛乳箱に入れる。
    すぐに返事があり、それもとても真摯に受け止められていた‥
    不思議に思いつつも、また返事を書きたくなる彼ら。

    オリンピック出場を目指している選手だが、恋人が重い病気のため、看病に専念するかどうか悩んでいるという女性。
    歌手を目指したが目が出ず、家業を継ぐかどうか、迷っている青年。
    妻子持ちの男性の子を妊娠してしまったという女性。
    親が借金を抱えて夜逃げしようとしている男の子。
    養い親を助けるため、水商売を続けようかと考える若い娘。

    ナミヤ雑貨店の主の息子は、老いた父親にある頼み事をされる。
    三十三回忌のときに、一度だけ、悩み相談を復活してほしいというのだ。
    そして、昭和から平成へと、年月は進み、日本の様子も変わっていく‥

    不思議な連鎖が起きるエピソードのたたみかけ方が上手く、現実味のある相談と、ちょっとしたユーモアで、飽きさせません。
    すべてがハッピーエンドというわけではなく、切なさや思いがけない展開もありますが。
    読後感は良いですよ。
    人の関わり方はけっこうややこしいので、再読にも耐える内容。
    いつかまた読むのが楽しみです。

  • また東野さんのマジックにやられてしまった。
    いやいや、これは浪矢さんと皆月さんのマジックだったんだ。

    人は人生の選択をどう選べばいいのか悩む生き物だと思う。
    どっちが正解だなんて誰もわからないのに、誰かに聞いてみたくなる。

    浪矢さんの返事もありがたいけど、ここにあるほぼほぼは悪者になりきれない若者達が書いてるんだよね。
    それこそ奇蹟だわ。

  • 内側からは決して開かない扉の様だ。
    四方は壁に囲まれていて、窓ひとつない。
    行き場も、逃げ場も無い、空間に閉じ込められて、
    ただ、
    空回りするドアノブを必死でまわす。

    誰か、誰か、この扉を開けてください。
    外側から誰か、この扉を開けて、私をここから出してください…。

    ナミヤ雑貨店に救いを求めて訪れる人達の手紙からは、
    皆一様に、暗い部屋に監禁され、身動きひとつとれなくなっているような、そんな痛みが伝わってきた。

    そして、こんな雑貨屋が、
    この地のどこかに本当にあればいいな、と心から思った。

    見知らぬ他人の迷いやナヤミに、
    本気で耳を傾けてくれる人がいる雑貨店。

    残念ながら、その恩人とは会えないし、
    ナヤミの実体も見えない。
    助言を信じてみたところで、その後の未来もわからないし、
    私達にわかることなんて、なにひとつないのかも知れない。

    でも、ナヤミを投じると、
    その返事が必ず牛乳箱には帰ってくる。

    「みな、繋がっている」
    と、いうピンとはこない言葉を巷では良く、耳にするが、
    もしかしたら、こういう事なのかな・・・

    と、ナミヤ雑貨店の物語に触れ、ようやく
    その言葉にほんのすこし納得がいった私であった。

  • 図書館で随分長いあいだ予約待ちしていたけれど、待っていて良かった。本当におもしろかったから!

    強盗を働いて逃げ場を求めた敦也、幸平、翔太の三人。
    逃走用の車が壊れ、たまたま近くに廃屋があったことを知っていた。
    朝になるまでそこで身を潜めていよう。そう決めた三人だったけど、そこで不思議な手紙と出会う。
    時空を超えた悩み相談。最後に待っている答えとは──。

    読んでいるあいだじゅう、バラバラだったパズルのピースが徐々に繋がってひとつの絵になるような静かな高揚感が私の中に広がっていた。
    家族の絆、人と人との繋がり。
    とてもあったかくて、読後は明るい希望に満ちた、ほんわりとした気持になる優しい物語だった。

  •  奇蹟とタイトルにつくからにはあたたかいストーリーであってほしい
    と思っていた、のかもしれない。
    見方によってはあたたかいとも思うのだけど・・・・・・

     多くのことが起きて、多くの人がでてきて
    それはもちろんとてもうまくまとめられている。
    あれがこうつながるのか、と驚きもする。

     けれど、なかなか気持ちがもりあがらない。
    結局最後まで目一杯もりあがることはなかった。

     こんな雑貨店(というかポスト?牛乳箱?)があったらいいと思う。
    こんなふうに悩みを聞いてもらえ、アドバイスをもらえるなんて
    ドキドキする。
    それでも読了後に残った気持ちは誰かに伝えたいものではなかった。

  • 東野圭吾、奧が深かった───心に優しい小説でした。

    単なるミステリーではない。推理小説でもない。謎解きでもない。
    『ガリレオ』シリーズから入った私は、彼はてっきり、科学系のミステリーが得意なのだと思っていた。
    もちろん、人物描写、心理描写、世界観など、単なるミステリーとしては片付けられない側面を持っているのは薄々感じていたが。
    それにしてもこの作品は、帯に『一か八かの賭けだった』とあるように、誰も死なない、謎解きでもない東野圭吾作品ということで、彼自身どんなものかと半信半疑だったのではなかろうか。

    でも、東野先生。心に響いてきましたよ、この作品。
    貴方が本当に書きたいのはこういった作風の小説なのではないかと思いました。

    優しさ、愛情、希望など、人の心底にある本当のモノについて、時空を超え、牛乳箱での手紙のやり取りを通しながら、何が正しいのかを懸命に模索する。
    正解などどこにもないのだが、その助言を与えてくれるナミヤ雑貨店。

    浪矢さんは、回答を送った後、みんなに訊ねる。
    「その回答は、貴方の人生にとってどうでしたか。役に立ったでしょうか。」と。
    私なら浪矢さんにこう答える。
    「みんな、あなたの誠実な回答のおかげで、幸せな人生を送ることができました。ありがとう浪矢さん。いつまでも天国で見守っていてください。暁子さんと一緒に」と。

    東野圭吾氏の小説でこれほど泣かされるとは思っていなかった。
    あらためて、東野氏の懐の深さに驚くとともに、こんな素晴らしい小説を送り出してくれた氏に感謝。
    これからもご活躍をお祈りいたします。

    あ、そうそう。最後三人が真っ当に生きていこうとする姿は『流星の絆』のラストを思い出しました

    :発売開始後二週間で図書館から借りられた私は幸せ者だ。今日、書店で平積みになっていた本の奥付を見たら、4月7日再販となっていた。いやはや、東野圭吾人気はすごい。
    彼には、出版不況など“どこ吹く風”といったところでしょうか。

    (追記)一点だけ、気になることがあった。
    というのは、この作品の著者が東野氏ではなく、名の知られていない若い作家だったら、みなさん、どんな感想をお持ちになったのだろうか、ということ。
    私自身も、読み始める前から『東野圭吾』という名前が常に脳裏にあるので、「こんな作品も書けるんだなあ」と思いながら読み進めたが、著者が誰か知らずに読んでいたら、やや思いは違うのかもしれないな、と。
    本来、小説は独立した一作品として語るべきで、著者と関連付けて語るべきではないのだけれど……。

    • まろんさん
      こんばんは。まろんです。
      たくさん花丸つけていただいて、
      しかもフォローまでしていただいて、ありがとうございます!

      koshoujiさんの...
      こんばんは。まろんです。
      たくさん花丸つけていただいて、
      しかもフォローまでしていただいて、ありがとうございます!

      koshoujiさんのことは、以前「幸福な食卓」にコメントをいただいてからとても気になっていて
      こっそりレビューを読ませていただいたりしてたので、感激です♪

      いつもとても密度の濃い、思索的なレビューを書かれるので、
      私なんかがフォローしてもいいのかな。。、
      隠れファンでいようかな。。。
      などと逡巡してました(笑)

      東野圭吾さんは、私にとっては、
      すごく好きな作品と、あんまり好きになれない作品といつもくっきり分かれてしまうので、
      この本も読もうかどうしようか迷っていました。

      (「流星の絆」とか「秘密」とかは大好きな作品です)

      でも、koshoujiさんのレビューを読んで、よし!絶対読むぞー♪と弾みがつきました。
      ありがとうございます。

      これからも想いのこもった素敵なレビューを楽しみにしています(*^_^*)
      2012/06/02
  • またもや睡眠時間を削ってしまった。
    東野圭吾氏はどうしてこんなに色んなタイプの面白い話を書けるんだろう。
    あ〜面白かった!

    (今のところ私にとって図書館の待ち時間が一番長かった本。ジャスト丸一年。それをゆっくり味わいつつもあっという間に読んでしまったことがちょっと悔しい。でもすぐに返却して早く次の人に回してあげなくっちゃ)

  • 不思議なお店、ナミヤ雑貨店を舞台にした奇跡の物語。人を助けたい、人の役に立ちたいという思いが詰まっていると感じました。短編集ですが、全部繋がっています。そして、あちこちに泣かせる場面や考えさせられる場面が散りばめられていて本当に面白い。伏線がいっぱい張ってあって、最後になだれ込むテンポもすごくいい。やっぱり東野圭吾は天才です。

  • 泥棒を終えた若者三人組が一夜を明かすことにした場所はナミヤ雑貨店。いまでは廃墟のようだけど、昔は悩み相談で栄えていたらしい。

    時空を超えて過去から届く、不思議な相談の手紙に返信し始める若者三人組。なげやりに回答しても相談者がポジティブに受け取ってくれたりして、彼らは人の役に立つ喜びを感じ始める。

    児童養護施設『丸光園』に関係する人からの手紙が多いことは明らかで、彼らも『丸光園』出身だった。

    ナミヤ雑貨店のナミヤさんと『丸光園』設立者の女性はかつて愛し合っていたが結ばれなかった。二人の時空を超えた愛情が結ぶ奇跡のなかで、若者三人組は泥棒に入った家に戻ることにする。
    さっき泥棒に入った家で縛ってきた女は、自分たちが手紙のやり取りで相談に乗った人で、現在は『丸光園』を救おうとしていることに気づいたから。

    ナミヤ雑貨店の店主は時空を超えて、若者三人組も更生させる。

    --------------------------------------

    バラバラに登場する人たちが『丸光園』と『ナミヤ雑貨店』で繋がっていくのが爽快。

    第四章『黙禱はビートルズで』で、中学生のときに手放したレコードと三十年以上の時間を経てから再会する場面がいちばんグッときた。『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』は超名盤。

  • なんとも不思議な設定の物語。
    様々な時間が交差する中で、沢山の人達の思いを読みながら感じることができる作品。
    ページ数が多いにもかからわず、あっという間に読み終わってしまいました。
    とにかく、誰かが顔もわからない誰かのために必死になって問題を解決していく姿はとても美しく見えました。
    日々の生活に疲れている人、悩みがある人、読んでみてください。
    人と人との繋がりを感じられるとても温かい作品になっています。
    読み終えた後は心がふわっと温かく包まれるような感覚になると思います。☺️

  • ここ韓国でもベストセラーになりました。娘は中学の国語の先生から、面白いと推薦されたそうです。「これ読んでみたかったの!」開いたページの漢字のふり仮名の少なさに、静かに本を閉じていました。まあいつか読んでくれたらいいかな。物語は、人と時間が交錯する中、雑貨店主のアドバイスのもと、それぞれが幸せを探そうとします。人が迷った時、親身に相談にのれる人間力が欲しいものです。

  • 著者が帯に「一か八かの大勝負でした」と書いていますが、確かに(少なくとも、僕が読んだ東野作品の中では)挑戦的で新鮮な作品でした。色々なコトが色々な場面でつながっていくので、“一気読み”したい。最後はほっこりした気持ちになります。

  • 東野さんってほんまに幅の広い作家さんやなあとしみじみ。

    ミステリ作品でもそうだけどこの人の作品はとにかく読みやすい。軽く読める。そのくせ、別段薄っぺらいわけでもない。

    東野さんでパラレルワールドといえば
    「時生」はかなり好きだったな~と。

    まあ、なんにせよ面白かったです。

  • 東野圭吾氏のこの小説も大変面白かったです。図書館で半年以上待った甲斐がありました。

    私は、この本の主人公の一人である晴美女史とほぼ同じ年齢なので、時代背景も手に取るようにわかり、懐かしい思いと共に、イメージすることができました。

    大阪万博、モスクワオリンピックのボイコット、バブル前後の日本の様子、その後に急速に発達したインターネットの世界。。。

    個人的に共感を持てたのは、晴美女史が勉強をして、起業をする過程において、私も取得した「中小企業診断士」という資格を取ったという点です。診断士というのは、取得しただけでは「お金にならない」とよく言われますが、それを活かすも殺すも「その人次第」というのも、事実だと思います。

    この本の登場人物を対象に含めていいのかわかりませんが、診断士という資格を上手に活用している人が、私が愛読している一人である「三橋氏」につづいて二人目だったので、この本は印象に残るものになると思います。

    この本は昨日(2013.4.25)から読み始めて、あっという間に読み終わりました。2013年度のGWの始まりにふさわしい、「私へのご褒美」を与えてくださった東野氏に感謝します。

  • SFっぽい作品は、作者にしては珍しい。過去と現在を行き来して、物語は進む。人の運命はどこで決まるのか、変わるのか。一度しか歩めない中で一度は考えたことのあることを、考えながら読んだ。物語の最後まで、非常に内容が練られていて、面白かった。新しい作者の一面を見た。

  • 珍しく、殺人が起きないお話でした。
    時空を超えたところでの往復書簡。
    それを、悩み相談に結びつけて
    物語にするなんて・・・。
    東野さんは何という頭脳なんだろう、と感心しきり。
    最後にすべてが収束するところが、
    特に心地よかったです。

  •  殺人事件も密室トリックもない東野作品。 オムニバス形式になっているが最後には伏線をしっかり回収し一つのファンタジーな物語になっている。ハートフルで温かい気持ちにさせてくれます。
     ぜひナミヤ雑貨店の奇跡を味わってみてください。

  • 途中涙しそうで電車では読めなかった。

    最後はほっこり

    全てが繋がった。
    可能性は無限大に広がっている。

  •  東野圭吾はわりと好きな作家なので、できるだけ古い作品から年代順に追っかけて読んでいるのだけれど、何しろ数が多い。頑張って読んでいるつもりでももちろん他の本だって読むからなかなかはかどらず、その間にどんどん新刊が発売される。まさか読むよりも書く方が速いなんてことはないよな、と以前冗談に書いたことが冗談ではなくなっている。とにかくこういう分の悪いいたちごっこを続けているといつまでたっても話題の新刊を読めないので、ちょっとズルをして間を飛ばして読んだのが今回のこれ。読んでみればズルするほどのものでもなかったかなと思うけど。バチが当たったか(笑)。 
     東野圭吾っぽくない、と大して読んでいないぼくがいうのも何だけど、こういうのは宮部みゆきじゃないかなあやっぱり。ストーリーはよくできているし、3人組の泥棒が偶然廃屋に入り込んで超常現象に出くわすところから始まる初編から、一見独立した5つの物語がお互いに連関している構成もなかなかうまいと思う。キャッチコピーにある「心ふるわす物語」ほどのものかどうかはともかく及第点といっていいだろう。ただ、宮部みゆきならもっとうまく書くだろう、彼女に書いてほしかった、という感がぬぐえない。何が違うのか。一言でいうと文章力だ。宮部の文章のうまさはこのブログになる前のWebmaster日記時代から何度も何度も書いている。本当に感心するくらいうまい。それに比べられては東野圭吾といってもかすんでしまうのは仕方ないところだが、前にも書いたように彼の文章は時折練れていないというか書きっぱなしの雑なところがある。読んでいてほんの少しなんだけどざらつく感じが引っかかる。この人推敲が足りないんじゃないだろうか。売れっ子の多作家だから仕方ないのか。そんなことないよな。文章は作家の命だろうに。惜しいと思うな。

  • 心がほっこりするお話。

    悩み相談をする不思議な雑貨屋さんのお話だけど、ミステリーテイストも盛り込んでいて意外なストーリー展開だった。

    短編形式でいろんな相談が来るけれども、最後は結局話が繋がっていく、ある意味短編の王道パターン。だが飽きさせないのは東野圭吾さんの上手いところだと思う。

    安心して読める小説です。

  • 連作短編でクライム・ミステリーでファンタジーで、とくると伊坂幸太郎さんを連想しますが、なんと東野圭吾さんが書いたのが『ナミヤ雑貨店の奇蹟』。どちらかといえばサスペンスジャンルの得意なベストセラー作家と思っていた東野圭吾さん。ものすごく意外でした。
    作品も「時を越えるファンタジー」という大枠をお悩み相談で扱うこいうヒネリが面白い。連作短編の形で最後にストーリーをつなげる面白さを味わいました。

  • 昨日は定期試験最終日でした。
    放課後に図書室にやって来た女子生徒。
    「なんか、暇」と女子生徒
    「課題、できた?」と私
    「ううん。まだやけど」と女子生徒。

    試験が終わり、少しホッとしたのか少しゆっくりしたいのか。
    カウンターの前から動こうとしないので、
    「じゃあ、ちょっと手伝ってもらってもいい?」と聞くと
    「うん。何したらいい?」と言ってくれました。

    来週火曜日に行う『雑誌・付録差し上げます』という
    イベント(?)に向けての作業を手伝ってもらうことに。
    くじを作るのにカレンダーの数字を使うのを切り取ってくれたり、
    袋に数字を書いてくれたり、丁寧にしてくれました。
    すると、今度は向こうから
    「先生、厚紙ある?箱作ってあげる」とオレンジ色と緑色の厚紙で、折り紙の本を見ながらせっせと箱作りに励んでくれました。
    お手伝いを頼むと、プラスアルファのお手伝いをしてくれます。

    くじを入れる箱がティッシュの空き箱だったのを見ての
    彼女のサービスなのでしょう。
    ありがとう。

    では、
    東野圭吾著 「ナミヤ雑貨店の奇蹟」

    『とあるあばら家に潜り込んだ3人の若者が発見した、
    誰とも知れない人物の悩み相談の手紙。
    とりあえず返信してみると、またそれに返事が来て・・・。
    時空を超えた手紙のやり取りの行く末は。
    全ての時代の、全ての悩める人へ、東野圭吾が贈る奇跡の
    ファンタジー』

    悩める人を助けたいと思うのは優しさから。
    そして、ティッシュの空き箱をくじの箱に使おうとしている図書室のおばさんに、(それはちょっと・・・)と綺麗な箱を作ってくれた女子生徒の気持ちも優しさから。
    優しい気持ちは心の中を温かくしてくれます。

    分類 913/ヒ

  • 時代がいったりきたりするので、もう一回読まないとわからない部分もあるのですが、とても面白かったです。よくできた小説だと思います。

  • あらゆる悩みの相談に乗る、不思議な雑貨店。シャッターの郵便口に悩み事の手紙を入れて牛乳箱から回答を得る方法で一日だけ過去と現代がつながるファンタジー。三人の未来を知っているうえでの回答、雑貨店店主のどんな悩みでも真摯に受け止めたうえでの回答にどんどんひきこまれた。自分の夢か愛かの月のウサギ、ハーモニカの調べの魚やミュージシャン、家族か将来かのポールレノン、野心家の迷える子犬。すべてナミヤ雑貨店と児童養護施設「丸光園」につながっていく。白紙の回答を含めお見事。読後感ほのぼのでよかった。

  • 日経新聞等で、何度も何度も広告を目にして、
    そんなに推されたら、読むしかないじゃないか!
    文庫本派なのに、我慢しきれず買ってしまいました。

    文字通りの「奇蹟」の物語。
    「秘密」と同じ匂いがするかな。
    あり得ない現象から生まれる奇跡という点において。
    それでもって、凝り方でいうと「秘密」の方が衝撃的だった。
    東野作品は割と日にちをかけないと読めないものが多い中、
    ライトに、さくっと読めてしまった。「流星の絆」以来の感覚。
    ストレートな主張が前面に出ていて、
    構成にしても過去の現在が交錯していることが分かれば、
    後はある程度想定出来る、シンプルなものでしたから。

    でも、軽いといっても、内容は濃密でした。
    時空を超えている、という物語上の大嘘を忘れてみると、
    「秘密」以上の感動がじわーっと広がってきました。
    有川浩さんの「阪急電車」に似たものがあるのだけど。
    つまり、自分の行動が自分の知らないところで、
    誰かの役に立っていたり、
    誰かの次の行動を決定付けていたり、
    大胆な言い方をすれば、誰かの未来を変えていたり、
    するかもしれない、想像を超えた力を持っているということ。
    他人との関係が希薄になりがちだと言われる社会だからこそ、
    「阪急電車」と合わせて、こういう作品は必要だと思います。

    そして、もう一つのテーマは人生の「選択」「分岐」という点。
    個人的には第四章、「黙祷はビートルズで」に痺れました。
    何かを選ぶことは、同時に何かを捨てることになるわけで、
    その喪失感は時に、選択した物事以上に心に残って、
    哀愁、そんな調子でずっと居座り続けるものだと思う。
    それが、強烈に上手い具合に表現されている章だと思う。

    思うがままに綴ってきましたが、
    何しろ、この「奇蹟」を共有させて貰えて、
    東野さんに本当に感謝感謝、それに限ります。

  • (No.12-61) ミステリなのかな?

    時にがっかりすることもある東野作品ですが、出たらやっぱり読んでしまう。それは私にとってのヒット率が高いからです。100パーセントではなくても、かなりの高率で面白く読めるから。

    この作品は、時を跨ぐ不思議な出来事がおき、ちょっとずつ登場人物が絡み合いながら最後に全部がきれいに繋がる構成でした。こういうのは大好き。いくつもの出来事が、それぞれ感動的でした。

    なさけない男を書くのが大変上手い東野さん。主役の3人、翔太、敦也、幸平は、考えも浅く衝動的で、犯罪に手を染めてしまっても、まともにやることも出来ないというなさけない若者。その3人が一生懸命ない知恵を絞って人のために考える、という意外性がすごく良かったです。彼らの思いつく解決策が、普通の悩み相談の回答者などとはかなり違うのですが、真実を点いています。まあ時を跨いでいるので、かなりずるいところもありますが。
    そして一生懸命考えた経験は、最後には自分たちを救うことになったと思います。

    気持ちの良い読書が出来ました。読んで良かったです。

  • これは、新しい東野圭吾かもしれない。

    沢山では無いですが、東野さんの著書を好んでいます。しかし、今まで「ナミヤ雑貨店の奇跡」に似たものは無かったと記憶しています。あれば是非、教えて頂きたいです。

     少し驚いています。ミステリーじゃ無いし、SFでも無い。どちらかと言うとファンタジーかな?

     私の感想としては「こんな面白いの、文庫化されるまで待てないよ!」です。

    色々と書きたいのですが、あえて書かないレビューは以上!

    • ohsuiさん
      気になってきました、、!
      気になってきました、、!
      2012/05/22
  • 東野さんの新刊です。つくづくファンなんだなと思います。今回は今までにはないほど、ファンタジーなミステリーで、過去の科学的なミステリーとは一線を引く作品でした。著者も「一か八かの」と語っているように今までの作品にはないストーリーで、読者としても新鮮な世界観を楽しめました。

    作品のキーワードの1つを「手紙」だととらえれば、この本も1つの手紙です。そこからこの本も今の自分、新入社員である私に対するメッセージを捉えました。「今のあなたは白紙の状態です。何も恐れることはなく先に進むのみですよ」と。白紙の地図、まだ何も書かれていない、何も知らない状態が今の私だということです。

    イギリスの哲学者、アメリカの独立にも影響を及ぼしたジョン・ロックは「タブラ・ラサ(白紙)」という思想を展開しました。これは経験主義の見地から、生まれたての子供は何もかかれていないキャンバスを埋めるように知識を身に付け成長していくということですが、今の私は社会的に白紙の状態で、これに共通していると考えました。恐れることはないと、ただ先をみて進むのみ。

    本編のネタバレはしたくないいのでこのくらいしか書けないですが、今のタイミング、会社の新人研修が終わった日に読み終えたことは恵まれていたと思います。

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著者プロフィール

東野圭吾(ひがしの けいご)
1958年大阪市生野区生まれ。大阪府立大学工学部電気工学科卒。大学在学中はアーチェリー部主将を務める。1981年に日本電装株式会社(現デンソー)にエンジニアとして入社し、勤務の傍ら推理小説を執筆する。1985年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞し、小説家としてのキャリアをスタート。2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木三十五賞を受賞。2013年『夢幻花』では第26回柴田錬三郎賞を受賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞受賞。現在、直木三十五賞選考委員を務めている。代表作としてガリレオ・新参者シリーズに加え、映画化された『手紙』『ラプラスの魔女』。ほかにもテレビドラマ・映画化された作品が多い。2018-19年の作品では、『人魚の眠る家』、『マスカレード・ホテル』、『ダイイング・アイ』、そして今後の映画化作として玉森裕太、吉岡里帆、染谷将太らの共演作『パラレルワールド・ラブストーリー』(2019年5月31日映画公開)がある。なお、中国で『ナミヤ雑貨店の奇蹟-再生-』が舞台化・映画化され、映画はジャッキー・チェンが西田敏行と同じ雑貨店店主役で出演する。2019年7月5日、「令和」初の最新書き下ろし長編ミステリー『希望の糸』を刊行。

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